コンパクトの異世界解釈
大学の時に取っていた授業の中でいくつか心に残っているものがある。その中の1つが解析学(数学の一分野)の授業であった。
授業の内容としては一学期かけて、連続性の一般化をしていくものであった。証明方法も何をやっているのかも当時から意味がわかってなかったが、とりあえず曖昧な記憶と知識で語ると「この世界(ユークリッド空間)で端が明確に定められた滑らかな線がある(有界閉集合で関数が連続している)」ことを一般化して「位相空間で有限個の膜で覆うことができる(コンパクト性を持つ)」ということを証明するものであったようだ…多分、知らんけど…
一応完全なる文系の身だったので授業はわりと早々から謎の呪文に変わったのであるが、わからないなりに面白いと思ったことが何点かあった。
1.距離の図り方は色々ある(距離空間は一定の性質みたす空間を指すので色々ある)
→距離も色々、価値観も色々あってよし。
2.ユークリッド空間以外にも世界(空間)がある。この世界であるユークリッド空間の属する距離空間の外にも他の位相空間がある
→ここ以外の世界もあるなら、嫌になれば世界を移ればいい。
3.描いた線の端が存在することとある空間をいくつかの膜で覆えることが同値になる(こともある)
→一見関係なさそうな2つのことが別の次元に立つと同じ意味になり得ることもある。別の世界でも似たようなことはできる。
教授には大変申し訳なかったが本当に本題が理解できず断片的なところをすくい取ってなんとか自分の糧にしようとしていた。それでも数学って面白いかもと思った授業だったので未だに覚えており機会があるたびに調べてしまう話題である。(そして毎回よく分からずに終える)
結局、半年かかってコンパクト性が何たるかはほぼ理解しないまま終えてしまったけれど、とりあえずここではない世界でも生きていけるんだという学びをしっかり受け取った授業であった。
(そんなこと教授は一言も言ってない…)
P.S.先生、試験壊滅してたのに単位をくれてありがとうございました。