20年先を見据えた薬局経営

2024年8月9日 16:14

「Amazonファーマシー」開始について

アマゾンジャパンは7月23日、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送までを手がける「Amazonファーマシー」の提供を同日より始めると発表しました。

患者はアマゾンのショッピングアプリ上からオンライン服薬指導・処方薬の配送が可能になり、服薬指導は大手チェーンを中心に約2,500軒の薬局が担当しています（2024年7月現在）。

このニュースは薬局業界の内外で大きな話題となり、現在薬局経営をされている方や今後独立を考えている薬剤師の方からは、地域密着型薬局への患者数減少を懸念する声が多く聞こえてきます。

しかしながら、地域密着型薬局の処方箋枚数が今後減少していく要因やリスクは、アマゾンの参入以外にも多く潜んでいます。

例えば、

大手チェーン薬局によるＭ＆Ａ
ドラッグストアの台頭
Amazon薬局の本格化（＝電子処方箋の普及）
少子高齢化

などです。

これらの影響により、地域密着型薬局の処方箋枚数は確実に減少していくこととなります。

将来を見据え、今からしっかり対策を取ることで地域で勝ち残ることができる薬局を目指しましょう。

地域密着型薬局が今やるべきこと

そのためには以下のような流れを作る事が必要です。

STEP①
患者の顧客化（ファン化）
↓
ナーチャリング（情報提供やフォローアップによる顧客育成）
↓
かかりつけを増やす
↓
リピート率を上げる（治療離脱減少）

STEP②
処方箋枚数が減っても、STEP①により優良顧客層は増加
↓
”加算”と”物販”による単価アップ
⇓
売上確保

STEP③
かかりつけ（優良顧客）化と治療離脱防止（リピート率向上）を継続的に行うために、薬局全てのスタッフの意識を変化させる
⇓
人材育成・継続的な教育を行う

この流れを作り出すことができれば、今後も時代の変化にとらわれず地域で勝ち残ることができるでしょう。

今回は、これらのステップの第一歩となる「顧客化」の具体的なノウハウをご紹介したいと思います。

患者を「顧客化」するための具体的な方法

地域密着型薬局において患者を「顧客化」するために必ずやるべきことは「Google検索からの集患」です。

「〇〇駅歯科」や「〇〇市レストラン」といったキーワードで検索し、その結果に出てきた場所を実際に利用した経験がある方は多いのではないでしょうか。

現代において、Google検索からの集患は地域密着のネットワーク構築にも繋がります。より多くの患者をGoogle検索から集めるためには自薬局の「Googleビジネスプロフィール」を充実させることから始めましょう。

Googleビジネスプロフィールの活用ノウハウ

Googleビジネスプロフィールとは、店舗を持つビジネスオーナー向けにGoogleが提供している無料のサービスで、薬局での集患はもちろんのこと、今や幅広い業種において店舗集客強化に欠かせないものとなっています。

検索結果の上位表示の重要性
Google検索結果において上位表示されることは、新患の獲得において非常に重要です。薬局名やエリア名で検索した際、自薬局が上位3つに入るように対策を行うことが必要です。

これにより、地域の患者に自薬局の存在を効果的にアピールできます。まずは自薬局が何番目に表示されるかを確認してみましょう。

Googleビジネスプロフィールの設定方法とやるべきこと
まず、自薬局がGoogleビジネスプロフィールに登録されているかを確認し、オーナー承認を行います。その後、最新の店舗情報や写真を登録し、プロフィールを充実させます。

特に、営業時間や支払情報、店舗の写真を正確に入力することが信頼を得るポイントです。また、クチコミには迅速かつ丁寧に対応し、ページを活性化させることが重要です。

LINE接続で集患強化
Googleビジネスプロフィールを活用して新規患者の獲得を行ったら、LINEを活用して患者とのコミュニケーションを強化することで、リピート率を向上させることができます。

なぜLINEを活用するかというと、多くの方が日常的に使用しており、メッセージの開封率・反応率も高く、電話に比べて双方のスケジュールにコミュニケーションが左右されることがありません。

LINEでの情報提供や服薬後フォローを行い、患者との信頼関係を築くことが、新規患者の定着＝「顧客化」につながります。