オタク、家を建て替える2~SUMOカウンターにて
築40年ほどの廃屋じみた我が家が雨漏りして床に器を敷き詰めた前回の記事はこちらである↓
2021年7月現在、家の建て替えに関して何となく先が見えてきたような気がするので、思い出したように続きを書き連ねようとしている次第である。
以下はコロナ禍以前の記録なので、1年以上前のことになる。
さて、やむに止まれぬ事情で家の建替えを検討しなくてはいけなくなった我々一家であるが、残念なことに上向きのモチベーションを持っているメンバーは誰一人いなかった。元来面倒くさがりなのである。しかも、金がない。とはいえこのまま朽ちて行くばかりの家に何の対策もなく住み続けるわけにも行かないので、重い腰を渋々あげて近所のスーモカウンターへ初心者の教えを請いに行くことにした。何一つ知識がない上に自分で調べる気力すらなかった…もとい、何をどうやって調べたらいいかも分からん状態の我々は、プロに教えてもらうのが一番だと考えたのである。
休日に大型ショッピングモールの奥地へと向かい、緑色の謎の生物が鎮座するカウンターのベルを鳴らした。奥からスタッフさんが結構な戸惑い顔で現れたので、どうやらここは予約して来る場所らしいと察した。恥ずかしいやら申し訳ないやらである。その日は他の相談客がいなかったので、その場ですぐに対応してもらうことが出来た。今は感染対策のアレもあるので、絶対予約して行った方がいいと思う。
正直者の我々は「家の建て替えを検討しなきゃいけないのだが右も左も分からずアホの子みたいな状態で来たので、そもそも何から始めればいいのか、何を聞けばいいのか教えてもらえたらしぬほど嬉しいです」と相談した。するとスタッフさんは、懇切丁寧に一つ一つ説明してくださった。ここで聞くことが出来たのは
・注文住宅をお願いできる会社の種類はざっくり分けて、大手ハウスメーカー、ローコストハウスメーカー、工務店の3種である
・建て替えの進行工程についてざっくり
・ローンがいくらくらい組めるか、年収からの概算
・スーモの説明
である。
いずれも基本の基本ではある。しかし家の建て替えという何ひとつ分からない世界に突然転生してしまったかのような我らにとっては、非常にありがたい情報ばかりであった。こんな異世界でも何とかやっていく道筋を見つけたような気がする。
ざっくりの坪単価も教えてもらったが、相場すら分かっていなかった当時の我々下賤の者にとっては過ぎた情報であった。そもそも坪って単位がよく分かっていなかったし(1坪=2畳=3.3平米)更に言えば家の価格目安は坪単価で出すということすら知らなかった。みんなどうしてるの?こういうこと独学で勉強してからスーモとか行ってんの?すごくない?天才では?
基本情報を教えて頂いた我々はなるほど、と大いに頷きまくった。
しかしここで想定外の事態が起きる。
スタッフさんが、メーカーさんを数社紹介しようとしてくれ始めちゃったのである。
そりゃそうだ。当たり前だ。向こうだって商売だ。
スーモさんは、家を建てたい人と建てる企業さんとの仲介サービス業者なのである。
だが我々はどうだ。全然そんな心の準備などできていないのである。そもそも家の建替えを今すぐ本気で始めようと考えているわけではなかった。考え始めないといけないから基礎知識だけ少しずつ入れていこうという段階である。
資金のことも曖昧なままでは進められないので、進められそうになった時に改めてお願いしたいと伝えるが、相手も驚くべき悔い下がりを見せた。なんだ。ノルマか。ノルマがあるんか。決めて行かないと進まない、みんなそんな状態から始めている、話を聞くだけだから軽い気持ちでいい。そんな言葉の数々を前のめりに捲し立てられ、私は思った。
これはやばいやつや。
逃げよう。
あれだけ親切に色々教えて頂いたにもかかわらず、我々は「心の準備ができていないし自分の土地の情報すらよく分かっていないので調べてからまた来ます」と何度も何度も繰り返し、逃げるようにスーモカウンターを出て来た。スタッフさんには全く申し訳ないことをした。でもまた来るって言ってるんだから一度目は見送るって営業方法もありますよね…ノルマひどいんかな…などと邪推してしまう。私もかつてノルマの厳しいブラック企業に勤めていたことがあるので、勝手に想像して勝手に同情してしまった。まあ実際のところは全然分からないんだけど。
結論。
スーモカウンターはド素人初心者にも分かりやすく丁寧に基本的な説明をしてくれる。しかしあくまで家を建てたい人と業者さんとのマッチングサービスが業務なので、単なる初心者の館感覚で行ってしまうと誰も幸せにならない結末を迎えることもある。
我が家は申し訳ないことになってしまったが、それでも結果的には自分で時間をかけて色々調べるより効率的に色々な知識を得ることが出来たと思う。今更ながら気付いたのだが、もしかしたら住宅展示場でよく開催されている「住宅相談会」なんかが初心者の館的なものなんじゃないだろうか。知らんけど。
ちなみにスーモでは仲介料は無料で、個別にお金の相談なんかもできるので、何から何まで一括してサポートして欲しい人には相性の良いサービスではないかなと思う。
注意が必要なのは、住宅展示場などでアンケートを書いたりして既に繋がりのあるメーカーさんに関してはスーモで紹介してもらえないらしいこと。
紹介から成約に漕ぎつけると何か特典があるようなので、スーモカウンターの利用を考えている人は住宅展示場で詳しく話を聞く前に行った方が良い。
「また来ます」と言った我が家だが、結局怖くなっちゃってあれ以来行っていない。住宅メーカーは自分たちで探すことになったのであった。
次回はいきなり住宅展示場篇である。なんかみんな事前調査とか勉強とかしてから行くらしいが、上に書いたように我が家のメンバーは私も含めてちょっとアレでしょ。またしてもいきなり行き、そしてまたもや失敗して来たのでそんなことを書きます。学習能力はないけど転んでは前のめりに立ち上がって結果的にちゃっかり進んでる感じのパターンで行きます。非効率。
つづく。