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宇宙への好奇心をぐっと身近に!感動の兄弟の絆【先生のための本棚】

こんにちは。代ゼミ教育総研note編集チームです。

「先生のための本棚」、今回はマンガ『宇宙兄弟』です。
アニメ化、実写映画化もされた人気コミックで、2024年11月時点で44巻まで刊行されています。

これだけの大作となると、魅力は語りつくせないのですが、ここでは個人的なお気に入りを少しだけご紹介します。(編集・M)


・ 🚀 ・ 🚀 ・ 🚀 ・

🌙 あらすじ 1🌕

幼少期のある出来事をきっかけに、宇宙にあこがれた兄 六太(ムッタ)と弟 日々人(ヒビト)。
二人の兄弟は宇宙飛行士になる夢を追いかけ始めますが、まっすぐ目標に向かい努力し、先に宇宙飛行士となったのは弟の日々人でした。
兄の六太はというと、早々に夢に見切りをつけ自動車メーカーに就職。そこでも問題を起こしクビになってしまいます。

宇宙飛行士となり月に行くことが決まった弟と、無職の兄。
六太は弟の成功を誇りに思いつつも、自分の不甲斐なさに落ち込みます。

そんな六太に日々人は、宇宙飛行士選抜試験を勧めます。
六太は一念発起、宇宙飛行士を目指していた頃の情熱を取り戻し、選抜試験に参加。様々な年代・職種の参加者と共に厳しい選抜試験に臨むのでした。

 > ほぼ実話!?宇宙飛行士選抜試験!

このエピソードは、実際にJAXAで過去に実施された試験内容が元になっているとのこと。
小学生の頃に映画『アポロ13』を観て宇宙飛行士に憧れた私としては、その選抜の裏側に非常にワクワクしてしまいます。
例えば、二週間一切外に出られず窓も無い、宇宙ステーションを模した閉鎖環境。
絵の無い真っ白なジグソーパズルに何時間も取り組む課題。
裏切りの「グリーンカード」…。

「宇宙飛行士」に求められる能力は多岐にわたります。知識、体力はもちろん、判断力、忍耐力、リーダーシップetc。
そのすべての能力が備わっているか、何カ月もかけて選考を重ね、数千人の受験者の中からたった数人が選ばれます。


そんな厳しい試験の中で、六太は奮闘します。
幼い頃から宇宙飛行士になるために猛勉強してきたことや、夢を諦めた先にあった社会人経験も、この試験に活きてきます。
何より六太の人間性とバイタリティは、いつしか周りの受験者たちを巻き込み、惹きつけるのです。

人は時に、自分の能力を低く見積もりすぎてしまいます。
特に身近に優秀な人がいるとどうしても比べて落ち込んでしまうものですが、前に進むためには、「できないこと」にとらわれすぎず、「できること」を見つけること。
六太の奮闘ぶりからそんなことも考えさせられる、ワクワクだけでは終わらない、大好きなエピソードです。

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🌙 あらすじ 2🌕

そして、この厳しい選抜試験を乗り越え、六太はついにたった数人の宇宙飛行士候補生の座を勝ち取りました。

時を同じくして、弟 日々人は宇宙飛行士として月へ降り立ちます。
「月に降りた最初の日本人宇宙飛行士」として世間から大きな注目を集めますが、しかし月面探査中に大きなトラブルが発生。九死に一生を得ます。

地球への帰還後、日々人を襲う、月での事故によるトラウマ。そして挫折ーーー。
そんな時、日々人の異変に気付き、手を差し伸べたのは兄 六太でした。

 > 「兄弟」の関係性

兄が進めないときには弟が、弟が進めないときには兄が、一歩踏み出す助けとなる。

六太と日々人を見ていると、理想的な関係性だなと感じます。
一緒に育ってきた二人は、お互いの良いところも悪いところも見てきている。その積み重ねがあるからこそ、程良い距離感でお互いを思いやれる。
作中にはそんな兄弟のエピソードがたくさん出てきます。

そしてそんな兄弟を育てた両親もコミカルにあたたかく描かれています。
ちょっと奇抜ながらも素敵なキャラクターで、自分も親として見習え…るかはちょっと自信ないですが。

この兄弟・家族、そしてJAXAやNASAの同僚・上司、たくさんの登場人物が皆そろってユニークなのも本作の魅力です。
それぞれにアツいものを心に秘めて「宇宙」に向かうその姿勢に、私も読んでいて背中を押される気分になれるのです。

・ 🚀 ・ 🚀 ・ 🚀 ・

「宇宙」というと未知なる世界への冒険感が強く、それは本作でももちろん、好奇心を刺激されるドキドキワクワクのお話が続きます。
ただそれだけでは終わらないのが、『宇宙兄弟』の最大の魅力だと私は思っています。

『宇宙兄弟』に描かれる、宇宙事業にはたくさんの人間が関わっています。
ロケットを飛ばして宇宙飛行士を月へ送る、そんな一大ミッションの中には、

 ・ チームで仕事をするということ
 ・ 支えあい、補い合う、思いやりと信頼
 ・ モノづくりに不可欠な「失敗を恐れない」気持ち

そんな、どの業界にも通じる、社会人に必要なポイントが詰まっています。そこに共感と学びがあり、そしてたくさんの人たちで成し遂げるからこその達成感。それが最大になるのが「宇宙」に挑むミッションであり、その物語に私たちは心がアツくなるのです。

宇宙に興味がある人はもちろん、社会へ出る前のこどもたちにも、今まさに社会でたたかう人たちにもおすすめしたい作品です。



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