ハードボイルド要素をありったけ装填したかっこよすぎる作品『ノー・ガンズ・ライフ』 #今週の1冊
ある作品をきっかけに"AIロボット"や"異形頭"など、人外ジャンルの一角をきわどく攻めているのですが、その中でも特に気になっていた作品を読んだのでご紹介です!
ノー・ガンズ・ライフ / カラスマタスク
【あらすじ】身体の一部を機械化した機能拡張人間と呼ばれる「拡張者(エクステンド)」と生身の人間が共存する社会――とあるスラム街で、問題を起こした「拡張者」の処理を生業としている、頭部が巨大なリボルバーな男の乾十三(いぬい じゅうぞう)は、ある日誘拐犯として警備局に追われるその男からさらった子供の保護を依頼されることになるが……。
世界観や生身の人間と拡張者が共存するという設定がすでにかっこいいのですが、この作品の特徴は何といっても「ハードボイルド」色が強いというところ。(苦手な状況やモノの前では取り乱すことはあるものの)軟弱を嫌い、感情に流されないクールな生き方をしている主人公の乾十三にかっこいいと思う方も多いのではないでしょうか?
周囲の状況や環境に流されるような作品が多い中で、「ハードボイルド」系作品(しかも設定がなかなか特殊)を描いていただいてそれを手に取れたということを考えると、出会えただけでもめちゃくちゃ嬉しいといいますか……個人的には『ルパン三世』や『カウボーイビバップ』などが好きなので、ほんとに刺さりました。(アニメ化で見逃してしまったタイミングでマンガを手に取るタイミングも遅れてしまい、悔やむばかりです……。)
乾十三は完全なカッコよさで仕上げられているのではなく、たまに見せるコミカルな表情も見どころの1つです。きれいなお姉さんに触れられたり、大好きな銘柄のタバコが売り切れで(美味しくないと思われる)別の銘柄を嫌々吸っていることを当てられたりすると表情(作画)が実にコミカルに(笑)オープニングではそのコミカルな表情をちらっと伺うことができます。
ゲーム「メタルギア」シリーズの監督などで知られる小島秀夫さんも『ノー・ガンズ・ライフ』のファンだそうで、このインタビュー記事では本作の"ハードボイルド哲学"を分かりやすく紐解かれています。ぜひ読んでください!
Twitterで「書店を数件巡ってもこのマンガがない!」と言っていたんですが、いまだに見つけられないのでもうネットで取り寄せました……この記事を書いてるときはアニメを視聴しつつ、無料で読める3話までを読んで書いています。ちなみに現在マンガは12巻まで発売中で13巻で完結するとのこと。完全に出遅れました。ごめんなさい……。
コロナ禍で目まぐるしく変わる状況と、明日がどうなるか分からない不安に押しつぶされながら生きている身としては、こうした芯がある生き方って憧れます。今の時代こそもっと読まれるべきジャンルだなぁと思います。マンガ早く届くといいな~!では!!