命を作るということ

子どもはずっと生みたいと思っていた。
特にここ数ヶ月ほどは、エッセイや医師が書いた本など妊娠出産に関するあらゆる本を読んだ。産婦人科に行って健康診断と予防接種を受けた。基礎体温を測って毎日アプリに黙々と記録した。排卵検査薬を使い夫とタイミングを見計らった。

けれど生理は来た。じんじんと痛む下腹部にいらだち、そのあときまって涙が出た。
これを毎月繰り返すのかと思うと、心が持たない気がした。

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命の作り方を知ったのは、小学2年生のときだ。

ある夜の夕食後、母は私を隣に座らせ絵本を開いた。
それはシンプソンズのような外国の絵柄で、子どもが出来る仕組みを説明した内容だった。大人の二人が裸で抱き合っている絵を見て、子どもながらに滑稽だなと思ったことを覚えている。けれど母はいたって真剣で、私は何も言えなかった。

第二次性徴も始まっていない小2の私が内容を理解したはずがないのだけれど、この夜のことはなぜかくっきりと覚えている。

母の真剣な様子、色鮮やかな外国の絵本、裸で抱き合う2人のイラスト、自分の居心地の悪さ。

早すぎる性教育は、娘に対する母の心配と愛情だったのかもしれないと今になって思う。

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こんなに世の中が混乱しているのに、子どもを望むのはわがままだろうかとふと思う。子ども一人にかかるお金も想像するだけで気が遠くなりそうだ。

それでも私は夫のことが好きで、夫のような人がもう一人この世に誕生したらきっと嬉しくて仕方ないだろうなと思う。

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