リレーには、いい大人を本気にさせる何かがある。
女の子は泣いていた。
保育園運動会の閉会式。
周りのお友達が泣いている女の子をヨシヨシしていた。
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娘たちの保育園運動会、最後の種目は、年長クラスの保護者vs保育園の先生のリレー対決である。残念ながら、長女は年中クラスのため私は参加できない。
というわけで、大きな声を出して応援しまくった。観覧席でキャーキャーギャーギャーがんばれがんばれー!とはしゃいだ。それはそれは楽しかった。
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ふと、思い出したのは、私が幼稚園の頃の記憶だ。保護者vs先生のリレー対決があった。私は、ちょうど第3コーナーあたりにレジャーシートをひいて観覧していた。このとき、初めて大人が本気で走る姿を見た。
今でも覚えている。素直にそう思った。大人が本気で走るとこんなにも迫力があるのか、と衝撃を受けた5歳の秋である。
友達のお父さん、お母さん、いつも優しい幼稚園の先生が目ギンギンで必死になって走るその姿たるや。それはそれは、迫力満点である。そして、R-7指定の光景といってもいい怖さがあった。
ストレートでものすごい加速する大人。コーナーを曲がりきれずに、目の前でズザザザーっと派手に転ぶ大人。アンカーだけ肩にタスキをかけて一周走るあの感じ。そして、ゴールの瞬間、大盛り上がりするあの感じ。
5歳児ながら、大人ってすげえ、、、と思った。
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さて、保護者vs先生のリレー対決。メンバーの皆さんが少しニマニマしながら、観覧席からトラックの内側に集合していく。
みなさん、小っ恥ずかしさやプレッシャーがあるだろう。我が子の前で、教え子の前で恥ずかしい姿見せられないだろう。参加者は、どこかぎこちない笑顔で緊張を隠そうとしている。
これよこれ。リレー前のこのソワソワ感よ。このソワソワした感じ、いつ見てもいい。観てる我々もニマニマしてきちゃう。
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年長クラスの園児たちが、頑張れ頑張れと応援する中、リレーが始まった。
とかなんやかんやと湧き出てくる雑念を心の中でニヤつきながら、観覧席で無責任にキャーキャーギャーギャーと頑張れ頑張れと応援して楽しんだ。
リレーは、追い抜き追い抜かされ追い抜き追い抜かされ、、、が繰り返される最高の展開。終始白熱したままアンカー対決になった。
保護者チームが先にバトンを受けた。しかし、第二コーナーで少し足を滑らせてしまい、先生チームに追い抜かされてしまう。そして、そのまま先生チームが先にゴール。
リレー対決の勝者は、先生チームで終わった。先生チームは、大盛り上がり。保護者チームは、少し肩を落としつつもお互いに頑張りをねぎらいあっていた。
いい空気だった。
いやぁ、よかった。
やっぱ大人の本気は、面白い。
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閉会式。
女の子は泣いていた。
女の子は、保護者チームのアンカーを走ったお父さんの園児だった。それはそれは、泣きじゃくっていた。お父さんが追い抜かされた姿、スベッた姿が悔しかったのだろう。
傍目から見る分には、可哀想である。
しかし、羨ましくもある。
こんな最高の思い出、他にないだろう。
リレーのアンカーを務めたお父さん、あんたカッコいいよと思った。
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兎にも角にも来年、長女は年長さん。
私もリレーに参戦できる。
いやはや楽しみである。
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ま、あんまり走りが速い方ではないので、前に出過ぎないように💦ほどほどに💦怪我しないようにしよう💦←急にビビり出すw💦
・こぼれ話
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