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お金 何でも買えるし、何も買えない お金 物欲を満たし、肉欲を満たし、仮初めの優越感を満たす お金 信じる? 信じない? …何を? お金 等価、対価、 お金 人を助け、人を生かし、人を殺す お金 只の金属、只の紙 お金 人間だけのもの お金 人間的な、あまりに人間的な… お金 幻想 お金 無 お金 ・
久しぶりに長編小説『ある男』を読んだ。 それも現代作家。 平野啓一郎氏の小説を読むのは初めてだった。 とっても文学だった。 そして現代に生きるリアルな人間として、大人として、親として、日本人として、というリアリティの伴った。 扱う世界はポピュラーではないかもしれない。 しかし、ここで紡がれる人間の、人間ゆえの複雑な絡み合いは、ものすごく普遍性に富んでいる。 そういうのが“文学”なんだと言える。 1人の人間が経験できることなんてたかが知れている。 無条件に共存社会を