バリ島で『すずめの戸締まり』を観ました #311
『すずめの戸締まり』
バリ島の公開初日の初回に行ってきました✨
客席は8割入り、場所が観光地ではなく、官庁街の一角にあるショッピングモール内のシネプレックスで、周りに学校も多いのでほぼローカルの学生男女半々でした。
字幕は上段インドネシア語が黄色字、下段が英語で白字で、
インドネシア語訳がよほどピタピタにはまっていたのか、みんな笑うタイミングが日本人とピッタリ一緒!
泣くところも…
バリの映画館で、会場と一体感を感じられたのは初めてでした✨
泣いて、笑って、泣いて、笑って…を繰り返して…
そして最後は会場大拍手でした!👏👏👏✨✨
映画を初日初回に観に行ったのは人生初です、そう言えば…(なんせ人混みが苦手なのもあって…😅)
客席にはいかにも、新海誠監督作品が好きなんですオーラを感じる、一人で観に来てるオタクではないインテリっぽい男子とか、
そんな感じでなんかみんなあぁやっぱりバリでのこの公開を心待ちにしてたんだなぁ… と感じました✨
(ちなみにインドネシアでは今現在、#Daijin (ダイジン) がトレンドのようです✨
あともう1つトレンドなのは…
#KursiGanteng (クルスィガンタン)
Kursi : 椅子 Ganteng : イケメン
訳して"イケメンの椅子"
要するに草太のことね…🤣
公開直後にもうトレンドになってます✨)
バリ島の映画事情は、普段はほとんどハリウッド映画(インドネシア語字幕)とインドネシア映画(英語字幕)だけ。日本映画なんてめったに来ません。
なので日本のアニメ作品、しかもあの質の高く深い新海誠監督となると…しかも『君の名は』でも公開は1週間だけでした。しかも予告なしにいきなり終わるからね。インフォメーションでいつまで公開してるのか聞いてもサイトでその都度チェックしろって教えてくれません。なので日本の作品がバリの劇場で幸運にも鑑賞できるのはいかに貴重かおわかりいただけると思います。
映画の感想はネタバレになってしまうのでここからはまだ観てない人はスルーしてください。
でももし観終わったらぜひ読んでください✨
"閉じ師"etc に関しての話は、長くなるのでまた別の機会に書くとして、
最初のタイトルが出てくる前にもう泣けました。あの後ろ戸を必死で閉じる場面…
(あ、その前に草太さんが登場から好みすぎて困った(ほとんど椅子になってしまってたけど 笑) あのキャラ設定は新海監督、今回狙ってきてるな…😏今までのキャラとは明らかに違う)
鈴芽ちゃんは、『君の名は』の、ラストで強くなったあとの三葉を思い起こしました。
今回も『君の名は』のような、出会った男女一対が力を合わせて未曾有の災害を防ぐストーリーでしたね…
"好き"というのは、こうも人間を、女の子を強くするのだなと今回も思えました。鈴芽ちゃんのあの、いくら心配されても止められても毅然とした事…
"好き"と、"使命"は、セットでやって来るのでしょうね…
それが一番人間を動かす原動力になるから…
ところで私的(わたし的)には今回どうしても、すずめの育ての親、
すずめの叔母の環(たまき)さんの事を書きたくて…
日本で映画公開になって、でもバリでの公開はいつになるかわからず、せめてRadwimpsの主題歌がどんなのか聴きたくてずっと聴いてたのがこの4曲の主題歌のフルメドレーです。その中の3曲目なんですけど ⬇
この曲は本編には出て来ない、サントラだけに収録されてる曲らしいのですけど、私はこれ、映画のストーリーを知らずに聴いてたから恋愛の曲だと思って切なくて好きだったんですが(でも歌詞からこの2人はどんな関係性なんだろといろいろ想像してました)、
そしたらタイトルが『Tamaki』で、なんと環さんの心情を歌った曲でした。それがわかって映画観終わってから聴いたら、もうホントせつなかった。(まぁ聴いてみて。新海誠監督✖Radwimpsの錬金術✨)
(と思ったら昨日、『君の名は』『天気の子』に続く3回目のアカデミー最優秀音楽賞を受賞したそうです👏✨)
震災で亡くした自分の姉が1人で育てていて遺して逝った4歳の女の子を、当時28歳くらいの自分が引き取って1人で育てて行くと言うのは、どんな心情だったんだろう…
東北に向かうサービスエリアで、12年間こころの深いところに溜まっていたネガティブな思いを(サダイジンに取り憑かれていたとはいえ)鈴芽に向かって初めて吐き出して、
だけどそれまではあの冒頭に出てくる朝のシーンで、環さんが人参を星の形にくり抜いて作っていた、
鈴芽の同級生のシンプルなお弁当に比べたら手が込み過ぎのあのキャラ弁…あれの分、鈴芽にしたらそれが重かった…
それを見事に、学校に持たせる"お弁当"で表現してる新海監督。
このあたりは外国人には伝わったかわからないけど、環さんにしたら鈴芽にいつも笑っていてほしい(お母さんを亡くして可哀想な子。私がしっかりしなくちゃ。)
鈴芽にしたら、もう17歳。まだ幼稚園児のような可愛いお弁当を作ってくれる環さんに、実のお母さんになら「こんなお弁当ウザいからもうやめて」ってとっくに言ってるけど…みたいな両方の心情が伝わって来てホントせつなかった。
でも環さんに、背中をさすって言ってあげたい。
「ホント、よくがんばったね」って…✨
リアルでも311や他の災害でも、こういう事は実際に起こっていたのかもしれないけど、みんなしあわせになってほしいと思いました。
そして奇しくもその日は『国際女性デー』でした✨
草太と鈴芽はラスト再会でハッピーエンディングでよかったですね✨
これは新海誠監督のヒット3作品全てに共通するエンディングですね。
離ればなれになってた男女が再会する。
そしてそこからきっとまた、新しく始まる。
そして今、これを書いている今日はこの映画の設定にもなっている12年目の3月11日。
東北大震災で亡くなられた方々の御霊が安らかでありますよう。
遺された方々、今も困難な中にいる方々のこころが安寧でありますよう。
もう二度と、このような事が起こりませんよう。
世界中の原発、核兵器がなくなりますよう。
🙏
映画終盤で、東北のすずめの実家の土の下から12年ぶりに掘り出された"「すずめのだいじ」"と書かれたお菓子の缶の中に入れられた、当時4歳だったすずめの絵日記の、母親とのしあわせな日々の記録がクレヨンで描かれたページがずっと続いていました。
それはきっと、
「行って来ます!」と言って家を出て行ったら、
「ただいま!」と言って帰って来れた世界…
「おかえり!」と言えた日常…
だけどこの日から
「ただいま!」を聞くことができない世界に変わってしまった…
3月11日から何ページも何ページも続く、すずめの真っ黒に塗り潰された絵…(泣)
大地震、大津波後の変わり果てた世界を、クレヨンで真っ黒に塗り潰した心情でお母さんを探して1人で歩き回り、大粒の涙をこぼして泣く4歳のすずめに、
1つだけある自分の後ろ戸の向こうに行って、12年後のすずめが言った言葉…
新海誠監督から311の大震災で被災されて、今も苦しむ方々や、
被災者でなくとも今が真っ暗に感じる方々へのメッセージと受け取りました🙏
「今は真っ暗闇に思えるかもしれないけれど、
いつか必ず朝が来る」 🌟
2023.3.11