その2 イボ発見?
「あの~今日は短くしてください…」
「短くって…坊主でよろしいんですか?」
突然にそんなことを言うものだから、理容師さんもびっくりしたんだろう。
後頭部に張り付いている瘡蓋が目視できればいいんだから、そこまで短くする必要はないわけで…
「いえ、横は高めに刈り上げて、後頭部の脱毛部分が見えるくらいの長さで揃えてください。」
「わかりました。ですが…そうすると、脱毛部分が丸見えになりますがよろしいですか?」
「構いませんので、お願いします」
あっ…後頭部の脱毛部分というのは、学生のころ受けた開頭手術後に受けた放射線治療の影響。だから、もうかれこれ20年以上になる。
瘡蓋を隠す以前に、カーテンのように髪の毛を伸ばしていたのは、そんな脱毛部分を隠す意味合いがあったのかもしれない。
どちらにしても、そのカーテンをなくしてしまうということは、脱毛部分も瘡蓋も隠すことはできなくなる…
(今後はちょっぴり恥ずかしいかな…)
バリカンやハサミで短くなっていくいく髪の毛を、手前の大鏡で見つめながらそう思っていると、理容師さんがこんなことを言われた。
「へ~お客さんってこんなところにイボがあるんですね~」
「えっ?イボなんてあったかな~」
「見てくださいよ〜鏡持ってきますから!」
そう言うと、奥から大きな三面鏡を持ってきて、手前の大鏡で後頭部が見られるようにしてくれた。
「えっと…どこのことを言っているんですか~?」
「ここですよ…ここ!」
「えっと…えっ!…なっ…なんだこりゃ?」
後頭部中心にある手術跡のやや右上に、赤黒い米粒くらいのブツブツニが3つ…
それぞれがくっつくように密集しているから、1~2センチはあるのかもしれない。
(あそこはカーテンで隠していた場所で、常に見えない場所だったな…いつから伸ばしていたのかは覚えてないけど、あんなの昔はなかった…)
…
(ヤバイなこれは…なにかある…)
そんな直感のようなものがした僕は、かかりつけの皮膚科を急遽外来受診することに決めた。
ー つづく ー
いかがでしたか?
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