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🎯第2章 最も厳しかった時間:その1 あんたが耳が不自由なだけやろがぇ~
「辛島君わかりますか~?わかっていたら、
名前と生年月日を言ってください!」
手術が終わって
ナースステーション近くの観察室に戻ってこれたのは
20時くらいだったみたい。
だから手術はおよそ10時間だったのかな?
目が覚めた時、看護師さんが2人いたんよ。
一人は僕の肩に手をかけて冒頭のようなことを言ってる。
(こんなときに何を言わせるんだよまったく…)
そう思いながら名前と生年月日を伝えたんよね!
すると看護師さん
顔を斜めに傾けて不思議そうな表情
小声で独り言?
「あれ?わかっていないのかな~」
(わかっちょんわい!
あんたが耳が不自由なだけやろがぇ~)
そう思う僕に大きめの声で…
「辛島君!わかっていたら、
名前と生年月日を言ってくださ~い!」
(…さっきからきちんと言ってるやないか~い!)
キレかかった僕だけど何とか平静を保ってもう一度、
名前と生年月日を伝えたんよ!
それなのに、またしても顔を斜めに傾けて不思議そうな表情…
…
僕はきちんと伝えているんに、なんでわかってもらえんの?
不思議でたまらなかったな~

(あっ!ひょっとして…)
その繰り返しが何度か続く中、
ふと思ったんよ~
(もしかしたら
自分の声が出ていないのかも…)
予感は的中!
僕は声を出せなくなっていた…
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ー つづく ー
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