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車いすに興味がありますか?その仕組みや歴史・作成や既製品の購入(レンタル)方法・ユーザーをサポートするときの心がけなどを紹介します!

僕は車いす生活が25年以上です。それも、「単身生活をしながら車を運転して仕事をすること(僕の考える自利した生活)」を、車いすに乗ってすべてこなしているので、その腕前は(自称)プロ級!

そんな、自称プロ車いすマンの僕が、これまで培った知識や技術や考えを、みなさんへ伝えたいと思います。😊

🙇あっ、その前に…
まだ僕のことをよく知らない場合は、自己紹介の記事を読んでくれると嬉しいです。


🍡記載している主な内容は以下の通りです。

  • 車いすを押すときの注意点

  • 車いすユーザーをサポートする際の心がけ 

  • 車いすって一生使えるわけじゃないんです… 

  • レディーメイドとオーダーメイドの違い

  • 折りたたみ式と固定式について(本体フレーム)

  • 各パーツの紹介(タイヤ・キャスター・スポーク・グリップ・ブレーキ・ハンドリム・フットプレート・アクセサリなど)

  • 「絞り」について

  • 「キャンバー角」について

  • 「車いすシーティング」について

  • 「作成や修理・レンタルに用いられる制度」について


🍡この記事は、以下のような人にぜひ読んでほしいです!決して無駄にはならないと思います。(でなければ、プロ車いすマン失格です…)😌💦

  • 車いすユーザー

  • 車いすユーザーの家族

  • サポートする機会のある人(ユーザーの介護やボランティアスタッフ、福祉職・医療職・介護職などなどに従事する人)

  • 車いすユーザー(障がいのある人)を理解したいという気持ちがある人

  • 車いすに興味のある人

それではよろしくお願いします。

🍡以前は、各項目で参考になりそうなリンクを貼っていたのですが、権利の問題?などがありそうだと思いましたのでひとまずすべてのリンクを外しました。今後はサイト名だけを明記して、興味がある人はご自身で検索していただこうかと考えています…よろしくお願いします


✅① 車いすの種類(用途、障がい程度の違い、病状などで車いすの種類は異なります)

🍡車いすは、大きく2つに分けられると思います。

🎯生活用車いす

この車いすの目的は、車いすに乗る必要がある人が難なく生活を送れるようにするためです。そこで以下のような点を重要視して作られていると思います。

🧡日常生活を快適に送ることができるか
(乗り心地、漕ぎやすさ、疲れにくさなど)

生活用車いす
生活用車いす

🎯障害者スポーツ用:競技用車いす

この車いすの特徴は、競技しやすいよう各種目ごとに分けられているところです。

そこで以下のような点を重要視して作られていると思います。

🧡その種目で強化すべき点を網羅できているか
(360度の回転性能、前後左右の俊敏な動き、
耐久性、軽量化、スピード、空気抵抗の対策など)

🍡その例として、以下にどんな車いすがあるのか書いてみますね。

・車いすバスケットボール用
・車いすテニス用
・車いす陸上用(レーサー)
・車いすラグビー用
・アウトドア用
など

僕は車いすマラソンに取り組んでいました(レーサー)
僕は車いすマラソンに取り組んでいました(レーサー)

🎯更に細分化されます

用途は同じでも(生活用でも、競技用でも)、障がい程度や病状から人それぞれ若干異なった車いすが多いです。これは、後に出てくる「オーダーメイド」・「固定式」・「キャンバー角」・「車いすシーティング」などの記事を読むとわかりやすいと思いますので参照ください。

🍡その例として、以下にどんな車いすがあるのか書いてみますね。

・子供用のコンパクトな生活用車いす
・足を骨折して、膝を伸ばしたまま乗る必要がある人に対応した生活用車いす
・首をしっかり支えられるよう、背もたれが延長されてリクライニングもできる生活用車いす
・片側のハンドリムを回せばまっすぐ走行できる(片麻痺対応)生活用車いす
・攻撃重視の車いすラグビー用車いす
・防御重視の車いすラグビー用車いす
・カーボン(軽量化のための素材)で出来たレーサー
・攻撃重視の車いすバスケットボール用車いす
・防御重視の車いすバスケットボール用車いす


🎯転倒防止バー

生活用にも、競技用にも、真後ろに車いすがひっくり返らないよう転倒防止バーを取り付けている人がいます。これは車いすを真後ろから見たとき、タイヤとタイヤのちょうど中間あたりにある、若干浮いている小さなタイヤのことです。

競技中や生活を送る中で、誤って真後ろにひっくり返りそうになってバーが地面に接地すると、それ以上は前輪が浮くことがないので転倒しないという仕組みです。

生活用に取り付けている人は、主に体幹が弱くバランスが保てない障がい程度が多いように思います。

競技用に取り付ける種目は、バスケやラグビーなどのコンタクトスポーツが多いように思います。


🎯車いすって、どこの国で初めて作られたのか知っていますか?

足の不自由な人を運搬する目的で、3世紀ごろの中国で作られたのが最初みたいです。


🎯日本で最初に車いすが登場したのは、いつなのか知っていますか?

諸説あるみたいですが…今の車いすに繋がるものは、1940年に北島藤次郎商店によって製作されものみたいです。(箱根式車椅子)
※それより前に、人力車メーカーが製作したのではないかと言われている木製の廻転自在車というのがあるみたいですが、今の車いすと接点がないのかな?


🎯世界で車いすユーサーって何人いるのか知っていますか?

世界中で、車いすユーザーの総人口は約 1 億 2000万人以上!
日本には、車いすユーザーが数は200万人くらいです!

✅② 車いすの耐久性(自動車と同じでいつかは壊れます)

🎯車いすは機械(消耗品)!

車いすは自動車と同じで機械。
いつかは壊れてしまいます。
以下のような自己メンテナンスをきちんとしていても、一生使えるというわけではありません

  • タイヤの付け根(本体プレートとの接続部分)のごみや埃や泥を掃除する

  • タイヤの付け根(本体プレートとの接続部分)などに潤滑油を刺す

  • 全体を拭き上げる

  • タイヤの空気圧をチェックする

  • 各パーツを修理していく

🍡各パーツの説明や、修理に関して国の助成を受ける方法は後ほど紹介します


🎯車いすはどれくらい持つのか?

先ほど書いたように、いつかは使いづらくなる車いすですが、車いすをどれくらい日常使っているのかで、「持ち」が大きく変わってくると僕は思っています。

たとえば…

普段は杖で歩行していて、必要時に座って移動するため車いすを使っている人と、僕のように朝起きてから夜寝るまでずっと車いすに乗る人では違いが出てきます。(一日のうちに、どれくらい乗るのか?)

また、同じくらい日常使っている場合でも、室内で平坦な道ばかりの空間に、あまり動くことなく常時いる人と、砂利道などがある野外で、休む暇なく動き回っている人とでは、同じく違いが出てくると思うんです。(どのような条件下で使っているのか?

🙇以上から、車いすは人それぞれで消耗スピード(買い替え時期)が異なってきますから、一概には言えません。(ごめんなさい)


🎯僕の場合

📕①作成する感覚はおよそ5年に一度!

僕は、朝起きてから夜寝るまでずっと車いすに乗っています。そして、(自動車に乗るため)日に何度も車いすを折りたたみますし、室内・室外問わず様々な場所に行きます

そういう中で、だんだん使いづらくなっていきます。

そうなってきたら新しい車いすを作成するのですが…

車いすが必要になった20代のころから、オジサンになった2024年3月時点まで、5台の車いすを作成してきました。(約5年に1回作り替える間隔です)

5台の車いすに乗ってきました
5台の車いすに乗ってきました

📕②家と外で車いすを使い分けています!

日本人の大半は、室内に靴を履いたまま入らないと思うのですが、みなさんはどうですか?

それでは、外で履いていた靴を玄関で脱ぐ理由は何ですか?

僕が健常なころは、玄関にある靴箱から靴を取り出して履き外出。帰宅したら脱いだ靴を靴箱に閉まっていました。車いすマンになった今は、当時と同じ感覚で、玄関で(家と外用の)車いすに乗り換えています。

ですから…

・外出する場合→ 今乗っている家用の車いすから、玄関にある外用の車いすに乗り換えて出発!

・戻ってきた(家にいる)場合→ 今乗っている外用の車いすから、玄関にある家用の車いすに乗り換えて室内へ!

先ほど書いた感覚というのは、室内に汚れを招き入れない習慣とでもいうのでしょうか?

悪天候で車いすが濡れたり泥まみれになっても、乗り換えることで室内を汚さずに済みます。

このように書くと、僕がお金持ちなのかと思う人もいるかもしれません…

以前、2024年3月時点で5台の車いすを使ってきていると書きましたが覚えていますか?以下に書くように、それらを有効に活用していて、何もかも新しいものを購入しているわけではないということはわかってほしいです。

・家用は自身3台目
・外用が5台目
・その2台が故障した場合の予備機として保管しているのが4台目

・1台目は…確かどこかに寄付
・2台目は破棄

更に、5台の車いすを使ってきているということは決して喜ばしいことではなく、結局はそれだけ車いす生活が長くなっていることが言えると思います。

1台目は真っ黒で、2台目は緑色で蛍光の車いすでした…
1台目は真っ黒で、2台目は緑色で蛍光の車いすでした…

✅③ 車いす本体について(折りたたみ式と固定式があるのを知っていますか?)

🎯折りたたみ式の車いす

みなさんは、座っているところ(タイヤとタイヤの中間地点)を上に押し上げて折りたたむと、横幅が半分くらいになるのを知っていますか?

日本にある車いすの大半が、このタイプと言われていますからご存じの人も多いかもしれません。

このような車いすを、「折りたたみ式」と呼んでいます。

折りたためばコンパクト!
折りたためばコンパクト!

では、折りたたむことが出来ない車いすを知っていますか?


🎯固定式の車いす

日本には馴染みのない、折りたたむことできない車いすを、「固定式」と呼んでいます。

僕は、折りたたむことが出来ない車いすなんて、何かと不便で使いづらいだろうなと最初は思っていましたが、みなさんはどう思いますか?

ところがですね~そのタイプに試乗したことがあるのですが…

乗り心地が格段に良いのです!

大げさに言うと、「固定式」はタイヤ以外のパーツを簡単に曲げたり取り外せないよう、しっかりと作られていて、ユーザーが座ったときに横ブレや振動を感じることが少なくなります

たとえてみると…

①背もたれのない、床に接する面に小さなタイヤが付いた回転いす
②背もたれはもちろん、体をしっかり包み込むように出来ているマッサージ器

どちらが座ってゆっくり出来るか…一目瞭然ですよね?

車いすを、いわゆる短距離の移動・搬送用で使ったり、普段は歩行している人が緊急時に使う程度であれば、それほど魅力を感じることはないかもしれませんが、僕のようなハードユーザーには見逃せないポイントです!

日本は「折りたたみ式」が多いですが、「固定式」の方が多い国もあるみたいですよ〜(文化の違いなのかもしれませんね)

固定式は折りたたみもできませんが、安定感抜群!

🎯僕の場合


どちらのタイプを普段使いにするのか?は、とても悩むところです。

乗り心地が良いからと言って、安易に「固定式」へ乗り換えるわけにもいきません

それは、日本の習慣?として、車いすを折りたたむ機会が多いですし、僕が自家用車の出し入れの際に、必ず折りたたんでいるからです。

※固定式の車いすを出し入れする方法はあるみたいですが、僕は折りたたみ式の車いすを出し入れしています。

さて、僕は折りたたみ式でも時間を要している現状ですから、固定式の車いすを出し入れするのは敷居が高いです…

その様子を以前拝見したことがありますが、特に悪天候の時や急いでいる時はかなり大変そうでした。

以上より、乗り心地だけを考えれば良いのであれば、断然「固定式」ですが、僕の生活(現実)を考えれば「折りたたみ式」が普段使いになってしまいます…

🍡ただ、以下のようなことができるなら話しは別ですよ〜

「固定式」を複数台購入し、職場や自宅やスーパーなどに置いたままにして、「折りたたみ式」を車の出し入れに使って各地を転々とし、その場その場で乗り換えて使う

これが出来れば最高なんですが…

それには膨大なお金や置き場の問題などがありそうですから…

現実的ではありませんね…

✅④ 車いすには、レディーメイドとオーダーメイドがあります

🎯レディーメイドの車いす


ホームセンターやインターネットなどで、車いすが売られているのを見たことがありますか?

値段は数万円から十数万円といったところでしょうか…

購入して手元にやってきたら、すぐに乗れるので便利ですね!

そのような車いすは「レディーメイド」といって、出来上がった状態のもの…いわば既製品です。

TシャツのS・M・Lサイズのように、万人に使えるよう、あらかじめ作り上げられた状態…ですから、あなたに合わせて作られているわけではないので、気になる点も出てくるかもよ~と言うことではないでしょうか?

「着られたら、それで十分だ!細かいところは気にならない」

そんな考えなら、何も問題にはなりませんが…

  • 「もう少し、ここが長かったらいいのにな~」

  • 「もっと、軽く出来ないのかな~」

  • 「今より早く乾く素材ってないのかな~」

  • 「好みの色と違うから…」

そんな要望があれば話は別!レディーメイドでは満足できないです…

併せて、疲れやすかったり、ケガをしやすくなってしまいます!

病院を受診すると、体に合わない大きな車いす(おそらく病院の私物:レディーメイド)に乗った人を見かけることがありますが、あれでは自分で漕げません…
病院を受診すると、体に合わない大きな車いす
(おそらく病院の私物:レディーメイド)
に乗った人を見かけることがありますが、
あれでは自分で満足に漕げません…

🎯オーダーメイドの車いす

そこでお勧めするのが「オーダーメイド」!

車いすの専門業者に、1から作成してもらいます

その時に、体のサイズを計測するのですが、理由がわかりますか?

そうして出来上がった車いすに乗ると、以下のような利点があるからです。

タイヤに付いているハンドリムを、容易に回しやすい
左右に体がぶれにくい
車いすに座ったときに、足を置くプレートまでの距離感がぴったり

また、その際に自分が抱く要望を伝えておくことを忘れないでください!

そこまで業者さんに伝わった車いすなら、レディーメイドでは出せない「自分らしさが込められた車いす」が完成しているはず!

特に、日常車いすに乗る機会が多い人は、レディーメイドではなくオーダーメイドの車いすを作成してみると世界が変わるかもしれませんよ~(一日乗っていた時の疲れ方が全然違います

😊どのような調整・選択ができるのか?
例えば…

・背中の座高
・座幅
・座るところ(シート)の奥行き
・サイドガード(座った時の左右にある横フレーム)の素材
・車軸の位置
・ホイールの種類や大きさ
・タイヤの種類や大きさハンドリムの種類やタイヤとの間隔
・車いすのカラー
・ブレーキの種類
・キャスターの種類
・肘・前腕を置く台の種類や長さなど
・押し手(グリップ)の種類や長さ
・足を置く台(フットプレート)の高さや素材や角度
・豊富なアクセサリ(後で詳しく説明しています)

※オーダーメイドの車いすは、十数万円から数十万といったところです。

業者さんに要望を伝えて、ぜひオーダーメイドの車いすを!
業者さんに要望を伝えて、ぜひオーダーメイドの車いすを!

🎯僕の場合

最初は病院にある車いすに乗っていたのでレディーメイドですが、その後自分で購入していった5台すべて、体に合わせて当時抱いた要望を伝えて作ったオーダーメイドの車いすになります。

✅⑤ 「キャンバー角」ってなんのことかわかりますか?

🎯キャンバー角をつけるとは?

車いすを前方から見たとき、左右に大きなタイヤが付いていますね。通常は地面と垂直でまっすぐ…1本の柱のように見えると思います。

このタイヤですが、車軸のところを調整することで、力夕カナの「ハ」の文字になるよう外側に向けて傾けることができます

このことを、「キャンバー角度をつける(キャンバー角をつける)」というのですが、角度をつければつけるほど、床に接する面は自分より遠くになりますし、床から車軸までの距離が短くなるため、座っている高さが低くなります。

左のイラストに、キャンバー角が付いています
左のイラストに、キャンバー角がついています

だから何?…

そう思って人いませんか?


🎯キャンバー角をつけるメリット

そうすることで、以下のようなメリットがあります。

・まっすぐ進みやすくなる
・左右のブレを防ぎやすくなる
・小回りが利きやすくなる
・ケガをしにくい
・衝撃に耐えやすくなる
・転倒しにくくなる

ケガをしにくい理由は、狭い道を通ったり近くに人がいても、壁や人に手(指)をぶつける可能性が減るからです。

そんなにメリットがあるのなら、どの車いすでも角度を付ければいいじゃないかと思いませんか?


🎯キャンバー角をつけるデメリット

そうすることで、以下のようなデメリットがあるため難しいのです。

・横幅が広がってしまう
・車いすを漕ぐのが重苦しくなる

まず横幅が広くなってしまう点ですが…

下手したら2台分のスペースを必要とする状態は、狭い日本にとって台数が増えれば増えるほど大きな問題になってしまいます。

それ以上に問題なのが2点目…

力が思うように出せない人や、車いすに乗り慣れていない人は、一漕ぎするのも一苦労になるのに進む距離が短くなってしまうことが、死活問題になりかねません

なぜ重く感じるようになって進む距離が短くなるのか?

多分ですが…角度がつくことで、床に接地するタイヤの面積が増えて抵抗が増すためではないかと思います。

この問題は(生活全般を車いすに乗って完璧に近いくらい行える)プロ車いすマンでも同じこと!

一漕ぎ(ワンストローク)だけならまだしも、日に何度も何度もハンドリムを回すわけですから、塵も積もれば…ってやつです。

ですから、生活用の車いすにキャンバー角をつける人は少ないと思います。(力のある人でも、日常生活では、その利点よりもデメリットのほうが上回るため)

生活用車いすにはキャンバー角をつけない人が多いです
生活用車いすにはキャンバー角をつけない人が多いです

ただし、スポーツ用の車いすほど角度はつけませんが、若干キャンバー角をつける人もいます。

この生活用車いすはキャンバー角が3度です
この生活用車いすはキャンバー角が3度です

🎯キャンバー角をつけるのは、主にスポーツ用車いす!

これまで書いてきたデメリットより、メリットが上回るのは、主にスポーツ用の車いすです!

項目①で紹介した物も含みますが、以下の車いすにはかなりキャンバー角が付いています

・車いす(ツイン)バスケットボール用
・車いすテニス用
・車いす陸上用(レーサー)
・車いすラグビー用
・車いすバドミントン用

✅⑥ 「絞りを入れる」ってなんのことだかわかりますか?

🎯「絞りを入れる」をとは?

車いすを前方から見たとき、左右に細長いパイプのようなものがありますね。これも左右の大きなタイヤのように、通常は地面と垂直でまっすぐ…1本の柱のように見えると思います。

この細長いパイプのようなものですが、地面に行けば行くほどカタカナの「ハ」の文字を180度回転させたような形にすることができます

このことを、「絞りを入れる(フレームを絞る)」というのです。

絞りを入れていない状態
絞りを入れていない状態
絞りを入れた状態
絞りを入れた状態

だから何?…

そう思った人いませんか?


🎯絞りを入れることでのメリット

そうすることで、以下のようなメリットがあります。

・体(主に下肢)が左右にブレにくくなる
・走りやすさが向上する
・関節拘縮などが原因で、足がまっすぐ下におろせない状態を抑制できる
・前輪に足置きの台や足(くるぶしなど)が当たりにくくなる

左右にブレにくくなるのは、体(下肢)と細長いパイプの間に隙間がなくなることによって、余計な動きを抑制する効果があるからではないかと僕は思っています。

また、前輪については画像を見ていただければ一目瞭然ではないでしょうか?

前輪に当たりにくくなる
前輪に当たりにくくなる

※前輪については、以降に詳しく書いています。

メリットが多そうでしょ?

それなら、どの車いすでも絞ればいいじゃないかと思いませんか?

いや~それがですね…


🎯絞りを入れることでのデメリット

そうすることで、以下のようなデメリットがあるため難しいのです。

・転倒などして地面から乗車する際に、上半身のほうが左右のパイプより幅があれば大変になる
・オプションとしての場合が多く、追加料金が発生する

万が一、車いすユーザーが転倒してしまったとします。

ユーザー自身が、車いすに背を向いた状態で、腕の力を使い地面から這い上がって乗車する場合は、大半の人は上半身のほうが横幅が広いと思いますから、絞ってしまうとかなり大変ではないかと思います。

また、介助者が抱え上げて座らせる場合も、難易度は上がると思います。

ですから、以下のような人は絞りを入れないでも良いと僕は思います

・転倒をしやすく、その時自分で這い上がらなければならない
・転倒をしやすく、その時介助者にサポートをお願いするが、介助者の力が弱い
・万が一転倒した時のことが気になってきた
・走りやすさや見栄えは求めていない
・お金がもったいない

🎯僕の場合

一台だけ絞りを入れましたが、確かに見た目はスリムになってカッコよかったです!ただ、それ以外にあまり魅力を感じなかったので、それ以外の車いすに絞りは入れていません。

✅⑦ 各パーツの紹介(タイヤ・スポーク)

🎯タイヤの形状

床との接地面が、スタッドレスタイヤのように凹凸があるものから、溝があまり深くないものまで幅広くあります。

アウトドアスポーツを楽しんでいる車いすマンのタイヤは、溝がとても深かった記憶があります。


🎯タイヤの種類?

・空気を補充する必要があるタイヤ

タイヤの内側に入っているチューブに、空気を補充する必要があります。車いすは、このタイプのタイヤが主流です。

・ノーパンクタイヤ

タイヤの内側にチューブが入っていなくて、全てゴムなどの素材で出来ています。そのため、空気を補充する手間がいらず、バンクの可能性がなくなります


🎯圧を一定に保つ方法

・空気を補充する必要があるタイヤ

自転車のタイヤと同じで、英式や米式のバルブが付いていますから、手押しの空気入れがあれば簡単に入れることが出来ます

ただ、車いすマンが行うには注意が必要です。

車いすマン→手押しタイプは不向き
車いすマン→手押しタイプは不向き

その理由ですが…

①ケイソンやセキソンは腹筋を使えない場合が多いこと
②手押しの空気入れは、足で押さえておかないといけませんが、車いすマンは上肢の力だけで、上下の動作を力強く続けなければならないこと

以上のことなどから、手押しの空気入れでは満足に入れることが出来ない人が大半ではないかと思います。

そこでお勧めは、「自動車のタイヤに空気を入れるときに使う電動コンプレッサー」

施設に入所していたときは、大型の電動コンプレッサーがあって、車いすマンは必要時にバルブに差し込むだけで、ベストの空気圧になっていました。

ただ、それは高額で設置場所がある程度なければなりません。

そこで、数千円から数万円で購入できる小型タイプの電動コンプレッサーで十分だと思います。

🍡空気の補充だけを考えたら十分なんですが、小型ゆえなのか?けたたましい音がするわりには、なかなか空気が入らず時間がかかる機種があるので注意してください。

🍡僕は使ったことはありませんが、携帯して持ち歩いて、いざという時は使える小型の空気入れ(電動コンプレッサー?)があるみたいです。

🍡空気圧ですが、明確な決まりはありません。手で触りながら補充していき、手頃な固さになったらOKとするなどでもいいと思います。

🍡ケイソンやセキソンについては以下を参照ください


・ノーパンクタイヤ

補充の必要はありません。

ただし、車いすを使っていくうちにタイヤがすり減っていくと、空気を補充するタイプのようにはいかず術がない事から、買い換えが必要です。

更に、空気を補充するタイプより重いこと(漕ぐのが疲れる?)はハードユーザーや上肢の力が出せない人にはネックではないでしょうか?

そのため、砂利道などがある野外で、休む暇なく動き回っている人には向かず、室内で平坦な道ばかりの空間に、あまり動くことなく常時いる人には適しているのかもしれません。

パンクに注意!
パンクに注意!
ノーパンクタイヤは全てゴム素材
ノーパンクタイヤは全てゴム素材

🎯タイヤの交換時期について

空気を補充するタイプ

使っていくうちに、地面に接するゴムがすり減ってきます。中のチュープが損傷していなければ、そこを交換することで、これまで通り使えるようになります。

目安としては、内側のチューブが見えるまで、すり減った状態で車いすを漕いでいたら危険ですから、外側のゴムがあるうちに、最低でも交換するべきではないかと僕は思っています。

どれくらいの時間で交換しなければならないのかですが、以前書いた車いすの使用状況と大きく関係性があるため一概には言えません。


色が変わってきたら変え時?
色が変わってきたら変え時?
このくらいかな?
このくらいかな?

・ノーパンクタイヤ

先ほど書いた通りです。


🎯スポークは多彩

中心(軸)から床との接地場所近くまで放射線状に伸びている針金みたいなもの?をスポークと言います。

スポークがなぜあるのかはよくわからないのですが、なければタイヤとして機能しないのかなとは思っています。

このスポークは、通常の車輪に50本くらいあるでしょうか…すいません、これも良くわかりません。

ただ、数は決まっていないと思います。

僕がこれまで使ってきたスポークの一部を以下の紹介します。

もっと少ないでしょ?
もっと少ないでしょ?

🎯僕の場合

①使うタイヤ

・家で使う車いす

あまり激しく漕がないため、補充の必要がないノーパンクタイヤを使っています。おそらく4~5年は買い替えていません

・外で使う車いす

ノーパンクを使うと不経済ですので、空気を補充するタイプを使っています。


②空気を補充する方法

・家で使う車いす

以前書いた通り、補充方法はありません。

・外で使う車いす

単身生活をする今は、小型タイプの電動コンプレッサーを常備しています

僕は集合住宅に住んでいて、以前使っていた機種はガガガガガ~という巨大な補充音や振動で苦情が来ないかいつもヒヤヒヤしていました。

数年前に機種を変更してからは、ずいぶん静かで使い勝手が良くなっています。

🍡手押しの空気入れはおススメしません!

車いすマン→やっぱり電動がいいよ!
車いすマン→やっぱり電動がいいよ!

③交換する間隔

・家で使う車いす

以前も書いたように、交換したことがまだありません。(4~5年以上そのままです)

外で使う車いす

1年に1回あるかないかくらいの間隔で交換します。

🍡若いころは数ヶ月に1度くらい変えていましたから、オジサンになった今の僕は、それだけ昔は動き回っていた(今は動かなくなった)のかもしれません…

✅⑧ 各パーツの紹介(足を乗せる台)

以前、車いす自体が折りたためるか否かを書いたことがありますが、今回は足を乗せる台(呼び方はいくつかありますが、以下はフットプレートと表記します)について書きたいと思います。

🎯跳ね上げ式

ホームセンターで売られている車いすの大半は、フットプレートを底から押し上げる(跳ね上げる)ことで、中央部分から左右に分かれ、車いす本体フレームに密着させることができると思います。

これを、「跳ね上げ式」のフットプレートと呼んでいます。

「跳ね上げ式」のフットプレート
「跳ね上げ式」のフットプレート

そうすると足を床につけることができますから、本当の椅子のような座り心地になりますし、立ち上がりがしやすくなると思います。

日本にある車いすは、この跳ね上げ式が多いように思います。

🍡跳ね上げ式は、プレートが跳ね上がると左右のフレームに密着するような形になりますが、そうすると結果的に、左右の間隔が少し狭くなって立ち上がる時にぶつかる可能性があります。そこで、プレートを左右のフレームの外側にスイングできるものもあるみたいです。これなら左右のフレーム間は変わらないですね!


🎯固定式

底から押し上げ(跳ね上げ)ても、中央部分から左右に分かれないフットプレートもあります。

これを、「固定式」のフットプレートと呼んでいます。

「固定式」のフットプレート
「固定式」のフットプレート

「跳ね上げ式」は、起立歩行できる人には向いているのですが、できない人は、乗り心地が増す「固定式」のフットプレートを使う人が多いように思います。

なぜ、「固定式」のほうが「(跳ね上げ」よりも乗り心地が良くなるのかは、車いす自体が折りたためるか否かで説明した件と同じようなことです。(ユーザーが座ったときに横ブレや振動を感じることが少なくなります

🍡ホームセンターなどで売られている車いすの大半が「跳ね上げ式」なのは、足を床につけることを望んでいる人(足が自在に動いたり、立ち上がったり、起立歩行できる人)人をターゲットにしているからではないかと僕は思います。


🎯フットプレートの調整もできます!

標準のプレートは足の半分もない長さで、平行なのですが、もっと長くしてみたり、角度を付けたり、前後の位置を調節することができます。これにより、無意識のうちにプレートから足が落ちてしまうのを防ぐことができます!

このタイプは角度や前後の調整が可能
このタイプは角度や前後の調整が可能

🎯フットプレートそのものがない車いすもあります!

立ち上がって歩行するのがメインの人は、このタイプの車椅子を検討してみてはいかがでしょうか?


🎯僕の場合

どちらのタイプも使ってきました。

跳ね上げ式は、トイレや入浴時に便利な時があります。あと、床に足を置く(つける)ことができるので椅子のような感覚を味わえると思います

ただ、僕の経験上、使っていく中で左右のフットプレートの高さが平行ではなくなり、各プレート単体でも左右の高低差が出てくるようになりますし、前後にプレートがずれてくるように思います。(その場合は、業者さんに直してもらえばいいのですが…)

固定式は、車へ積み込んだり出したりするときに、跳ね上げ式のようにフットプレートを手で押し上げなくてもいいので、「しやすさ?」が優れているように思います。そして乗っている間に、先ほど書いた跳ね上げ式のようなプレートの劣化?がないので乗り心地が良いです。

難点は跳ね上げ式の利点を味わえないところだと思います。

✅⑨ 各パーツの紹介(グリップ)

グリップ(別名で、押し手:ハンドルなど)も、1種類ではありません。

🎯r(アール)型タイプ


真横から見たとき、背もたれ部分よりも若干浮き上がって英数小文字の「r」のような形状をしたグリップです。

日本で一番多いタィプではないかと思います。

誰かが後ろから押す場合、グリップの素材や長さ・角度の調節が可能ですし、位置的に掴みやすいので便利ではないでしょぅか?

また、介助時にグリップを持ったままブレーキをかけられるようにすることもできます。

r(アール)型タイプ
r(アール)型タイプ

🎯直角タイプ

真横から見たとき、背もたれ部分よりも上には出ていなくて、英数大文字「L」を逆さまにしたような形状をしたグリップです。

r型よりもグリップの存在感がないため、車いすの見た目が、すっきりした印象?ではないでしょぅか?

これも、グリップの素材や長さ・角度の調節が可能です。

直角タイプ
直角タイプ

🎯グリップそのものをつけない場合も

押してもらうことを必要としない・拒んでいる・自家用車の出し入れがしやすいなどが理由で、グリップ自体取り付けない人がいます。


🎯僕の場合

両方とも使った経験があります。(どちらも一長一短かな?)

車いすの後ろにリュックサックなどを掛けることが多い人は、掛けやすさ・掛けられる量(袋の数?重さ?)がr型の方が優れているように思います。

また、自分が別の車いすに乗っていたり、ベッドやトイレにいる状態から、引き寄せたり回転させる機会がある人は、やりやすいかもしれないので頭に入れておいてください。ですから、自家用車の出し入れの必要がなく、誰かに押してもらう機会が多く、見た目もそこまで気にならないなら、r型をお勧めします!

直角タイプは、なんと言っても、自家用車の出し入れがしゃすいのがメリットだと思います。r型だと、背もたれの高さよりもグリップが高くなるため、車内の天丼にぶつけたりするのですが、直角タイプは、それがまずありません。ですから、自家用車に乗る人はこのタイプのグリップか、あえてつけない方が無難かもしれません。(誰かに押してもらう機会がある場合は、押しづらいと言われるかも?)

✅⑩ 各パーツの紹介(ブレーキ)

ブレーキ(生活用車いす)は、いくつか種類があります。

🎯タイヤの前方にある留め具付きスティックを、手前に引き寄せることでて密着させるタイプ

このタイプが一番多いブレーキではないかと思います。

留め具と繋がっているスティックを手前に引き寄せてタイヤと密着させると、以降タイヤの動きが止まります

通常時
ブレーキング状態
ブレーキング状態

スティックは長さや太さが変更できるので、手を伸ばしにくい障がいのある人は長めで、掴みにくい人は太めのスティックであればブレーキングが容易ではないかと思います。

ですから、自分好みのブレーキにしやすいのが利点ではないでしょうか。

弱点は、走行中(ハンドリムを回す動作中)に指をぶつけてケガをする可能性があることや、デザイン的?見た感じ?が、最後に紹介するタイプより劣るところなのかもしれません。


🎯タイヤの前方にある留め具付きスティックを、前方に押すか手前に引き寄せて密着させるタイプ

タイヤ側にスティックを引き寄せるだけではなく、前方に押す(タイヤとは逆方向)ことでもブレーキングが出来るタイプで、押しても引き寄せてもブレーキングが出来るので便利です。

通常時
通常時
ブレーキング状態
ブレーキング状態
ブレーキング状態

このタイプも、スティックは長さや太さが変更できるので、手を伸ばしにくい障がいのある人は長めで、掴みにくい人は太めのスティックであればブレーキングが容易ではないかと思います。

ですから、自分好みのブレーキにしやすい利点も考えられますし、車いすの前方にいる人が手前に引けばブレーキングができるのため、以下のような場合は楽ではないかと思います。

・サポートする家族や知人が、車いすの前方にいる
・車いすマンの知人が、車いすの前方にいる
・別の車いすに乗っている本人が、車いすの前方にいる

弱点は、先ほど紹介したタイプと同じで、走行中(ハンドリムを回す動作中)に指をぶつけてケガをする可能性があることや、デザイン的?見た感じ?が、次に紹介するタイプより劣るところなのかもしれません。


🎯留め具が、座っているお尻の下に左右あって、それらをタイヤの前方に動かして密着させるタイプ 

これまで紹介してきたブレーキとは、形状と取り付け場所が異なります。(シザ―ブレーキと呼んでいます)

留め具が走行時にタイヤの前方にない状態なので、ハンドリムを回すときに指が当たる心配がありません。安全でスムーズなハンドリングが出来ます

弱点は、それらを動かしてタイヤの前方に密着させるための力やコツが、先に説明したタイプよりも必要なところではないかと思います。

通常時
通常時
ブレーキング状態
ブレーキング状態


🍡どのタイプのブレーキも、タイヤの動きを止めた状態(ブレーキング状態)を解除するときに「ポンッ!」と甲高い音がします。

僕は、
かしこまった場所?や職場・静かな場所にいる時など、この音がが非常に気になるんです。(おそらく、車いすユーザーの大半は気になる時があるのではないでしょうか?)

しかしですね〜、このシザーブレーキは、バネ?を調整することで音が出なくなるようにできるみたいです!(その他のブレーキも調整可能なのかはわかりません)


🎯メーカーによってブレーキも様々(かも)


車いすメーカーも、車と一緒で数社あります。僕がお世話になっているるメーカー以外では、今回紹介した以外にも便利なブレーキがあるのではないかと思います。


🎯僕の場合

どちらのタイプも使ってきました。

若いころ(車いすをガンガン漕いでいた時期)は、留め具がお尻の下にあるタイプを使っていましたが、ハンドリムを回しやすくてストレスフリーでした。

オジサンになった今は、押しても引き寄せてもブレーキングが出来るタイプで、スティックは掴みやすいよう太くしています。

✅⑪ 各パーツの紹介(キャスターとサスペンションについて)

以前、後輪の大きな2つのタイヤについて書きましたが、今回は前輪の小さな2つのタイヤについて書きたいと思います。

🎯キヤスターと言います

先ほど、「前輪の小さな2つのタイヤ」と書きましたが、正しくはキャスターと呼んでいます。

空気で圧を補充するようなタイプではなく、後輪で言うところの(中にチューブが入っていない)ノーバンクタイヤと同じような状態です。


🎯キャスターの幅

標準は幅が2cmあるかないかくらいです。

標準の幅
標準の幅
幅が広いタイプもあります。

🍡幅を広くすると、安定感は増しますが、漕ぐときに力が必要になる(重く感じる)ため、特に車いすに乗り慣れていない人は、幅をどうするのかをよく検討した方が良いかもしれません。


🎯キャスターの(直径?大きさ?)


3~8インチ程度で選択できます。
大きいほど漕ぎやすく、小さいほど小回りが利くのかな
と思うのですが、ここはよく分かりません。通常は4インチくらいではないでしょうか?


🎯カラーバリエーションなど

走行するとキラキラと光り輝くものや、いくつかのカラーバリエーションががあります。


🎯交換のタイミング


すり減ってきて走行するのに不便を感じるようになったら交換すべきと思います。(写真)こんなふうに中心が割れてしまうとガタガタして不便です。

ここまでになる前に交換しましょう…
ここまでになる前に交換しましょう…

🎯キャスター上げが出来ると、車いす生活の質(QOL)がグッと上がります!

キャスターをハンドリムにかかる指・体の動きやバランス感覚で宙に浮かせることを「キャスター上げ」と呼んでいます。(一輪車に乗るようなものでバランスがとても重要!)

右のイラストのように、後輪のみでバランスを取ります
右のイラストのように、後輪のみでバランスを取ります

こうすると、後輪の2本のタイヤのみが地面に設置していることになるのですが、この状態を維持して車いすを移動させることができれば、多少の段差を下りたり上ったりしやすくなるため、車いすマンには(障害程度が許されるならば)習得してほしい技術です。

🍡ユーザー自身でキャスター上げが出来ない場合は、後ろで押す人がグリップと足を使ってキャスターを上げることができます。ここでの説明は、うまく出来ないため省略させていただきますが、興味がある人は調べてみてください。


🎯サスペンション機能をつけて乗り心地をUP!

サスペンション機能というのは、走行中にキャスターが凸凹したブロックタイルや点字ブロック・マンホールなどを通過するときに、上下に動くことで振動を抑制し衝撃を最小限に抑えることです。

これによって、乗り心地が格段に上がって、疲れにくくなり集中力の持続も期待できます

🍡この機能は、作成時点でのみ対応可能(機能が付いた車いすを購入する必要がある)というわけではなく、機能付きのキャスターと交換するだけでも効果が得られるようです。


🎯僕の場合

以前、横の幅が標準タイプ(2センチくらい) のキャスターを使っていた時に、道路わきにある排水溝の溝にスッポリとはまってしまった苦い経験があるため、現在は幅が広いタイプ(4センチくらい) のキャスターをつけています。高さは4インチです。

🍡車を運転したり外出の機会が多い人は、幅が広い(4cmくらい?)タイプをつけている人が多いようの思います。

また、サスペンション機能はつけたことがないのですが、どんなものなのか体験したい気持ちがあるので、次回作成するときは検討しようかと思っています

✅⑫ 各パーツの紹介(ハンドリムについて)

車いすを動かすためには、タイヤについているハンドリム(駆動輪)を回す必要があります。

🎯タイヤとハンドリムの隙間

車いすにあまり乗ったことがない人で、ハンドリムを握りしめるような感じで漕いでいるのをよく見かけました。

僕だけではないのですが、車いすを使う機会が長くなってくると、段々漕ぎ方が変わっていきます。あっ…漕ぎ方というのか、ハンドリムの回し方というのかな?

うまく説明できないのですが、僕は人差し指と親指の内側を主に使って前方に押し出すようにハンドリムを回しています。(回しているというのか…前にプッシュし続けているといったほうが良いかも?)

障がいの程度にもよりますが、ハンドリムを握りしめるような感じで漕いでいる車いすマンは少ないと思います。

そうなってくると、タイヤとハンドリムとの間(専門用語では ツメ というそうです)がそこまで長くなくても良くなるんです。

🍡車いす作成の時などに、通常1.5~2.0cmに対して、1.0や0.5cmなどに変更することが出来ます。

おそらくですが…左の間隔は1.0、右が.5
おそらくですが…左の間隔は1.0、右が.5

間隔を狭くする手指が挟まって危ないんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、僕の漕ぎ方で挟まることはまずありません

🍡プロ車いすマンの中には、ほとんどハンドリムを使わない(タイヤ自体を回している?)強者もいるくらいです。


🎯ハンドリムを満足に回せない場合

⭐️常時後ろから誰かに押してもらう
これは、サポートしてくれる家族や知人がいるなら検討できるかもしれませんが、どうしても漕ぐことが難しい場合を除いて、残存機能を失わないためにも、車いすマンなら考えない方が良いと思います。

⭐️電動車いすに乗る
手元にある、ゲームで使うジョイスティックのような操縦装置を押したりして車いすを動かすことが出来ます。ただし、これに乗るか否かは、通常の車いすを手動で漕ぐこと(自走)できない状態であることを医師から告げられた場合に検討するべきであり、まだそれが出来る残存機能がある場合は、考えない方が良いと思います。

⭐️手袋などをつけてハンドリムを回しやすくする

滑り止めが付いていない手袋
防寒用には適していますが、ハンドリムを回すには滑って不向きです。サポートしてくれる家族や知人がいるなら検討できるかもしれませんが、自分の力で漕ぐのなら考えない方が良いと思います。

滑り止めの付いた軍手
値段も手頃で意外と使えます。若干滑るのでタイヤ自体を握って汚れたら使い捨てにするなどが良いかもしれません。ただし、使い続けていくうちに、所々擦り減ってきます。

滑り止め付きの軍手は、意外に使える!
滑り止め付きの軍手は、意外に使える!

作業用手袋
ホームセンターなどで購入できます。ハンドリムを回すときに滑らないのでお勧めです!ただし、軍手と同じく使い続けていくうちに、所々擦り減ってきますし、やや高値です。

作業用手袋
作業用手袋
消耗してきたら買い替えを!
消耗してきたら買い替えを!

車いす用グローブ
車いす販売業者などから購入できます。ハンドリムとの設置場所が皮やゴム素材で出来ているため、抜群の漕ぎやすさがありますし、デザイン的にも優れています!ただし、作業用手袋よりかなり高値で、使い続けていくうちに、所々擦り減ってきます。

⭐️ハンドリムの形状や素材を変えてみる
・掴みやすいよう凸凹したハンドリム
・ビニールなどでコーティングをしているハンドリム
・通常より太くなっているハンドリム
・通常の素材ではない「チタン製」などのハンドリム
・上記したものを掛け合わせたハンドリリム

⭐️電気の力を借りてハンドリムを回しやすくする
これは電動車いすのことを言っているのではありません。通常の車いすに、充電式のバッテリーを取り付けることで電気の力を借りて、少しの力で回すことができるようになります。(電動アシスト自転車をイメージしてください)これならば、電動車いすより安価です。ただし、定期的に充電が必要ですし、やはり自分の力で漕ぐことができるのであればお勧めはしたくありません


🎯僕の場合

⭐️タイヤとリムの幅
最初は2.0で、しばらくは1.5cmでした。オジサンになった今は1.0cmです。

⭐️ハンドリムの素材など

昔は、ビニールコーティングをしているハンドリム・凸凹したハンドリムを使っていましたが、今は標準のハンドリム(アルマナイトという素材?)を使っています。

⭐️ハンドリムを漕ぐとき
昔は、車いす用グローブを使っていた時期があります。

それだと平坦な道はとても回しやすかったのですが、坂道を下っていると段々素材が熱くなってしまうこと・素材がタイヤや手に密着しすぎて?逆に下りにくくなってしまうことがありました。

そういうこともあって、今は素手で漕いでいます。寒い時期や悪天候時は、作業用手袋をつけます。見た目を我慢すれば、防寒手袋にもなって重宝していますよ!

✅⑬ 各パーツの紹介(背もたれやクッション・アクセサリなどについて)

🎯背もたれ(バックシート)

素材はいろいろあります。

標準の背もたれでは、長く乗っていると段々背中が痛くなってくるため、背中と背もたれの間に座布団などクッションになるものを挟むと少しは良いかと思います。

オーダーメイドでは、素材を厚く背中の痛みを軽減できる素材へ変更できると思いますのでお勧めします。

厚みのあ流背もたれなら、背中の負担軽減につながります!
厚みのあ流背もたれなら、背中の負担軽減につながります!

高さですが、業者さんに任せて大きな間違いはないと思いますが、高ければ高いほど首が支えられて初めて車いすに乗る人は良いかもしれません。ただ、そうすると漕ぎやすさが低下してしまいます。また、自家用車での出し入れが必要な場合は、車内の天井や運転席ドア上部などを強打する可能性が高まるため、出来るだけ低い方が良いかと思います。

低くするのも困りごとはあります。それは左右前後に体がブレてしまい、きちんとした姿勢を保持することが難しくなるのも一つだと思います。(詳しくは、車いすシーティングの項目を参照ください)

また、低すぎると今度は背中が痛くなったり疲れやすくなると思いますから、作成・購入の際は注意してほしいです。

🍡オー大メイドの車いすであれば、オプションとして「背折れ」という機能をつけることができます。これは、通常はある程度高くて背中を支える面が広範囲であっても、車の出し入れなどで低くしたい場合は、手動で可能になるというものです。これなら、両方の利点を味わえそうですね!


🎯お尻に敷くクッション

たまにですが、車いすにクッションを乗せずに座っている(直に車いすに座っている)人を見ます。その場しのぎであればそれでも良いかもしれませんが、それではお尻にケガをする危険性が高まるので最低でも座布団のようなものを敷いてください。

車いすに乗る機会が増えてきた場合は、専門業者などに問い合わせて、車いす用のクッションを手に入れてほしいです。

どんなクッションも、何度も繰り返し座っていると凹みが生じるのですが、車いす用であれば凹み方が緩やかになるのではないかと思います。

素材はウレタンなどが多いように思いますが、風船のように空気や液体やジェル素材で膨らませたものもあります。

値段は数千円から数万円と言ったところです。

ウレタン素材
ウレタン素材

🎯座ったときの下半身の高さ

これも、業者さんに任せて大きな間違いはないと思いますが、下半身の力があれば、真横から見たときに英数大文字の「L」を左右逆にしたような姿勢になっていれば良いのではないかと思います。

ただ、下半身の力が使えない・使いにくい・車いす操作のしやすさを一番に考えたい場合は、真横から見たときに英数大文字の「V」のように、膝が若干高くなるような姿勢が良いかもしれません。


🎯アームバー(肘・前腕を置く台)

これは、走行時以外に腕を休ませる時・プッシュアップと言って腕の力でお尻を浮かせる行為をする時などにあった方が楽と思います。

ただ、作業時や停車(走行しないで止まっている)時間が長くなると、逆に邪魔になることがあるかもしれません。

固定式アームバー
固定式アームバー

🍡オー大メイドの車いすであれば、跳ね上げ式(バーを持ち上げて背中の方に動かせる)のアームバーもあります。先ほど書いたメリットとデメリットを参考に、気になる場合は、検討してみてください。

跳ね上げ式タイプだと、この位置から以下の画像のように跳ね上がります!
こんな感じ!
こんな感じ!

🎯横の素材?(サイドフレーム)

体に合わせて作れば左右前後のブレは最小限に抑えられますが、多少は固い素材にぶつかってしまいます。オーダーメイドでは、布などを被せることで衝撃を抑えられると思います。

また、布以外にも、いろいろな素材があります。衝撃抑制以外にデザインや軽さを求めている人にも検討してほしい場所です。

布製のサイドカバー
布製のサイドカバー

🎯アクセサリ

走行には関係ありませんが、以下のような便利・おしゃれアイテムがあります。

ドリンクホルダー(ホルダーに、ペットボトル飲料や缶ジュース・コンビニで買ったコーヒーなどを入れたまま走行できます)

・スマートフォンホルダー(車いすに肌身離さずスマホを携帯しておけます

アンダーネット(車いすの底:お尻よりも下に1〜2kgぐらいまでの荷物を乗せることが出来ます

車いす用のバック類(お尻の裏面や背もたれ部分などに、ピッタリ取り付けられるので、安心して荷物を入れておけます)

雨の時に傘が立てられるホルダー(雨が降っていて傘を刺す場合でも、両手が塞がらないので車椅子を自走することができます)

杖が立てられるホルダー(普段は杖歩行な人で必要な時だけ車椅子に座る人は、これがあれば便利では?)

それ以外にも、キャスターやタイヤなどを、キラキラと光らせたりホイールにイラストなどを装飾できたりと、車いすのカスタマイズは多彩!

「世界に1台しかない」自分らしさ溢れるマイ車いすが作成可能です!


🎯僕の場合

自家用車での出し入れがあるので、背もたれは肩甲骨よりも若干低いくらいです。

そして仙骨部にケガをしやすいため、空気を入れて膨らませる小さなコブ?が繋がって出来たクッションを使っています。

アームバーは、どちらも使ったことがあります。跳ね上げ式は必要時に上に上げられるので便利ですが、移乗時などに誤って動かしてしまう危険もあるかなと思いましたので、そこは注意してほしいです。

横のプレートには布製のカバーを取り付けています

小さなコブがつながってできたクッション
小さなコブがつながってできたクッション

✅⑭ 車いすシーティングについて

🎯お詫びしたいけど、これだけは…

これまで、各パーツの話を中心に書いてきましたが、どうしても今の僕が紹介することは、自走する(できる)車いすマンを主に対象としてしまいがちで反省しています…😭

せっかく、このシリーズ?に目を通していただいているのに、期待外れだという人がいましたら心からお詫びしたいです…🙇

ただ、パーツの話に入る前に少し書いたように、「体に合ったサイズの車いすに乗ること」は、サポート・介護のために使う車いすであっても、ケガの予防や障がいの進行を抑制することに繋がりますので忘れないでほしいです。

この、「体に合ったサイズの車いすに乗ること」を別の言い方にしてみると、「車いすシーティングの考え方に基づいて、出来る限りオーダーメイドの車いすに乗る」ということになると思います。

正しい姿勢で座ることが大事!
正しい姿勢で座ることが大事!

🎯車いすシーティングって何だ?

車いすシーティングとは、以下のような考え方です。

車いすで生活するうえで、座位に関するデータを分析・管理して、それを有効活用する

車いすシーティングを心がけることで、先ほど書いた「ケガの予防や障がいの進行を抑制すること」以外にも、「漕ぎやすい・疲れにくさ」なども向上しますから、特に車いすを日常茶飯事利用するハードユーザー(車いすマン)は必須事項とも言えるのではないでしょうか?

ベストな座位の姿勢で乗れる車いすは、どのような用途で使おうと、ユーザーにとって利点が多いですよ!

たかが「車いす」…されど「車いす」です!

これはいわば、「将来の自分に対する備え」ではないでしょうか?

✅⑮ オーダーメイドの作成・レディーメイドの購入に必要な費用の助成や、介護保険を使ったりしてレンタルもできますよ!

僕はこれまで、自分の体に合ったオーダーメイドの車いすに乗ってほしいと書いてきました。

でもですね…

車いすは簡単に手が出せるような金額ではありません

僕がいくら、オーダーメイドがBESTだよ〜と言っても、「そうは言うけどな…最低限乗れれば良いんだから、一番安く手に入るのにするわあ!」と思っている人も少なからずらいるのではないでしょうか?

一番安いの…

ネットやホームセンターなどで購入しようかと思っていませんか?

以下に、自分の体に合ったオーダーメイドの車いすを作成する・レディーメイドの車いすをレンタルする金銭的に有利な方法を3つ紹介しますので、少し時間と手間がかかるかもしれませんが…ネットやホームセンターなどで購入する前に一度目を通してほしいです。


🎯社会福祉協議会から一時的に車いすを借り入れる

全ての社会福祉協議会ではありませんが、寄贈された車いすを市民のみなさんへ貸し出しているところがあるようです。(ただし、レディーメイド

期間は基本数ヶ月ですが、借り入れ料は無料かごくわずかだと思います。(介護保険が使える年齢だと利用できないなど、いくつか制約があるみたいです)該当する市町村にお住まいの人は検討してはいかがでしょうか?


🎯介護保険を利用してレンタルする

介護保険を利用できる年齢であれば、格安(月で数千円?)でのレンタルも可能なようです。(ただし、レディーメイド

僕はまだ介護保険非該当で、あまり詳しいことがわからないため、興味がある人は各自調べてみてください。


🎯身体障害者手帳を利用して(車いすが必要な障がいのある人として)、作成(オーダーメイド)・購入(レディメイド)する

車いすが必要な障がいのある人として国に認められていれば、作成や購入の助成がが受けられます。

👇以下に、身体障害者手帳を利用して(車いすが必要な障がいのある人として)作成・購入に対する助成金申請方法を紹介します。

😊身体障害者手帳を利用し(車いすが必要な障がいのある人として)、車いすの作成(オーダーメイド)・または購入(レディメイド)に関する助成を受ける方法

⭐️①手帳交付がまだな場合は、まず交付申請を行う必要があります!
(居住地の市町村:障害福祉担当課が窓口)
必要書類(提出書類)
・申請書類
・医師による診断書、意見書
など
医師は身体障害者手帳診断書の作成が可能な医師(指定医)に限ります!
※審査に合格すれば、1~2か月で手帳が交付されると思います

手帳が届いたら

⭐️②車いす作成に関する助成を受ける申請をします!
※補装具費支給制度を利用することになります
(居住地の市町村:障害福祉担当課が窓口)

必要書類(提出書類)
・補装具費購入支給申請書
・医師による補装具費購入支給意見書
・補装具業者(車いす販売業者)の見積書
・身体障害者手帳
・個人番号を確認できる書類
・印環
医師は身体障害者手帳診断書の作成が可能な医師(指定医)に限ります!
補装具業者(車いす販売業者)がわからない場合は、障害福祉担当課で尋ねるとわかると思います。
※助成されるか否かは、通常は身体障害者更生相談所側の書類判定で行われますが、場合によっては直接行く必要(直接判定)があるみたいです
※レディメイドの場合は、申請書類を市町村が見て書類判定するみたいです

⭐️③補装具業者(車いす販売業者)と契約します!

市町村からもらう補装具費支給券を、補装具業者(車いす販売業者)に提出し作成・購入準備を進めます

車いすメーカーに発注してから完成するまでは、作成する車いすによって違いはあると思いますが、僕の場合はこれまで作成した車いすの平均が3ヶ月前後ではないかと思います。

⭐️④車いすが完成したら補装具業者(車いす販売業者)に費用を支払います!

支払い方法は2種類あるみたいですが、大半は「B」ではないかと思います。

🍣A
・購入に要した費用を補装具業者(車いす販売業者)に全額支払う
・領収書を補装具業者(車いす販売業者)にもらい、手持ちの補装具支給券と併せて、居住地の市町村:障害福祉担当課に行き提出(請求)
・購入に要した金額が支給される

🍣B
・購入に要した費用のうち、利用者負担額を支払う
・その領収書を補装具業者(車いす販売業者)にもらい、手持ちの補装具支給券を、補装具業者(車いす販売業者)に渡す
・補装具業者(車いす販売業者)が、手持ちの補装具支給券と「補装具の代理受領に関わる委任状」と併せて、居住地の市町村:障害福祉担当課に行き提出(請求)
・購入に要した金額が支給される

😭※利用者負担額は原則1割負担ですが、所得に応じて負担上限付き額が決まっています
生活保護や市町村民税非課税世帯:0円
市町村民税課税世帯:37200円

📢📢📢この助成を受けるには条件があります!

車いすには耐久年数が定められていて、それ以上時間が経過していなければなりません。(それより短い期間で助成を受けることは不可能ではありませんが、必要な書類が増えたりして簡単にはいきません)

耐久年数ですが、僕が初めて車いすを作成したころは4年だったと思います。ですので、2024年3月現在で6年になっているということは、国の財政が悪化している証拠なのかもしれません。

※耐久年数より短い期間で助成を受ける場合の例(成長の早い障害児、病気や事故により短期間で急激に痩せたり太ったり変形して今の車いすに乗れなくなった)

🍡一度、補装具業者(車いす販売業者)に作成や購入を依頼すると、これまで紹介してきた一連の作業?をサポートしてくれることがあるかもしれません。

✅⑯ 「身体障害者手帳を利用した修理申請方法」を紹介します!

🎯やっぱり面倒だという人はいませんか?

前回、車いすを格安で手にする方法を3つ紹介しました。

社会福祉協議会からの借り入れが一番楽そうです。(ただし、必ず借り入れできるかはわかりませんし、期限があるようですしレディーメイド…

介護保険を利用してレンタル方法は、担当の人(ケアマネ)にその旨を告げれば代行で手続きをしてくれると思いますから、年齢が該当すれば、ほかに困難なことは多くないと思いますがどうでしょうか?(ただし、レディーメイド

身体障害者手帳を利用する方法は、3つの中では一番厄介かもしれません。以下のようなお困りごとが出てくるのではないでしょうか?

1、申請が手間になりそう
2、完成まで時間がかかりそう
3、医師の診断書をもらうのが面倒
4、(現段階で)6年に1回しか利用できないという縛りがある

ほとんどの人が実質無料になるのですが、そういうことがあるからやっぱり作成は…と考える人は少なくないかもしれません。

ですが、僕は何とか我慢して作成してほしいんです!

1~3は我慢してですね…6年という長い時間に新たな車いすは作成できないとしても裏技があるんです!

それは…修理申請


🎯修理申請って何だ?

これまでお話してきたように、車いすにはパーツ(部品)が、いくつもあります。

そのパーツごとに消耗速度が異なるので、辛抱すれば何とか6年持つパーツだってあるんです!

逆に言えば、6年なんて絶対持たないパーツがあるわけです。

ということは~そんな持ちが悪いパーツを何とかしていけば、耐用年数をクリアできると思いませんか?

そうすれば、新たな車いすを助成を受けて作成することができます!

じゃ~どうやって、持ちが悪いパーツを何とかするのか?

それは、身体障害者手帳を利用して、パーツの修理・交換に必要な経費を助成することができる制度を活用すればいいんです!

そのことを「修理申請」と僕は呼んでいます。


🎯身体障害者手帳を利用し、車いすの修理に関する助成を受ける方法

※すでに身体障害者手帳を持っていると仮定して説明をしていきます。持っていない場合は、前回の項目(作成・購入方法)を参照ください。

👇以下に、身体障害者手帳を利用して(車いすが必要な障がいのある人として)修理に対する助成金申請方法を紹介します。(僕は車いす販売業者がほとんどサポートしてくれているので、詳しいことがよくわかっていませんが、おそらく以下のような流れではかと思います…ごめんなさい)

⭐️①車いす修理に関する助成を受ける申請をします!
(居住地の市町村:障害福祉担当課が窓口)
※補装具費支給制度を利用することになります。

必要書類(提出書類)
・補装具費修理支給申請書
・医師による補装具費修理支給意見書
・補装具業者(車いす販売業者)の見積書
・身体障害者手帳
・個人番号を確認できる書類
・印環

医師は身体障害者手帳診断書の作成が可能な医師(指定医)に限ります!
補装具業者(車いす販売業者)は、作成・購入したところと同じで良いと思いますが、変更したい場合は障害福祉担当課で尋ねてみると良いのではないかと思います。

助成されるか否かは、通常は身体障害者更生相談所側の書類判定で行われますが、場合によっては直接行く必要(直接判定)があるみたいです。

※レディメイドの場合は、申請書類を市町村が見て書類判定するみたいです

OKが出たら修理開始です!
(ここに関してですが、僕は全て業者任せです…)

⭐️②修理が完成したら補装具業者(車いす販売業者)に費用を支払います。

支払い方法は2種類あるみたいですが、大半は「B」ではないかと思います。


・修理に要した費用を補装具業者(車いす販売業者)に全額支払う
・領収書を補装具業者(車いす販売業者)にもらい、手持ちの補装具支給券と併せて居住地の市町村:障害福祉担当課に行き提出(請求)
・購入に要した金額が支給される


・修理に要した費用のうち、利用者負担額を支払う
・その領収書を補装具業者(車いす販売業者)にもらい、補装具支給券を補装具業者(車いす販売業者)に渡す
・補装具業者(車いす販売業者)が、手持ちの補装具支給券と「補装具の代理受領に関わる委任状」と併せて、居住地の市町村:障害福祉担当課に行き提出(請求)
・修理に要した金額が支給される

利用者負担額は原則1割負担ですが、所得に応じて負担上限付き額が決まっています。
生活保護や市町村民税非課税世帯:0円
市町村民税課税世帯:37200円

📢📢📢この助成を受けるには条件があります!

修理申請が可能なのは、各パーツごと年間で1回ではないかと思います。
ただし、若いころ年に数回タイヤ交換をしていたように、特例として認められるケースがあるのかもしれません。

ネットやホームセンターなどで、申請前に購入しているものに対しては、助成対象にはならないので注意してください。

※何度か補装具業者(車いす販売業者)に修理依頼すると、これまで紹介してきた一運の作業?をサポートしてくれることがあるかもしれません。

知らないと損をすることもあるかも?
(制度というのは誰もが教えてくれるわけではないですよね)
知らないと損をすることもあるかも?
(制度というのは誰もが教えてくれるわけではないですよね)

✅⑰ サポートするときの心がけについて


車いすを押してあげたり…ユーザーのサポートをする機会があるんだよという人はもちろんですが、その機会が突然みなさんにも訪れることがあるかもしれません。

そこで、今回は車いすユーザーをサポートするときに心がけてほしいことを、ユーザーの立場から書いてみたいと思います。

🍡これから書いていくことは、サポートする側の人間が考えることとは相違点がある(僕が車いすマンであるからそう考えてしまっている)のかもしれませんが了承ください…


🎯サポートしてもらうことって、うれしいことばかりなのかな?

僕は以下のように思っています。

車いすマンの全てが、自らがお願いもしていないことをサポートしてもらうことを望んでいるわけではないということ

サポートすること全てが正義ではないということ(そうすることが、必ずしも車いすマンのためにはならない)

車いすマンは、自分ができることなら極力サポートを受けるべきではないこと

僕は学生のころに受けた開頭手術後、左半身が麻痺して声が一時的に出せなくなったとき、(早くみんなと同じ健常な状態になりたい!)と思ってリハビリを積んでいました。

その後、残念ながら車いすが必要と告げられたときは、ショックで落ち込むことがありましたが、車いすに乗っていても、自分で出来ることを少しでも増やしていきたいから頑張ろうと考え方を修正し、「僕が考える自立した生活(単身生活をしながら車を運転して仕事をすること)をしてみたい!」と夢見るようになりました

そんな今の僕は、プロ車いすマンです!

自分が出来ることは、時間がかかったり見栄えが悪かったりしてでも、自分でやり遂げてみたいですし、どうしても出来ないことは自分からお願いするようにしています。(そうすることが当然のことだと思っています)

それなのに…僕が「望まないサポート」をされてしまうと、ありがたい気持ちよりも不愉快…というのか「ある意味屈辱」を味わっているのかもしれません…

ま~僕はかなりひねくれていますから…

そのように感じない人もいるでしょう。
サポートしてもらうのが当然だと思う人もいるかもしれません。

僕が言えることは、先ほど書いた通りです。

ただですね…サポート側の気持ちはわかっているつもりです。ですから常に感謝の気持ちは忘れていないつもりです。


🎯大事なことは、サポートする前の声かけでは?

車いすユーザーは、人それぞれ何を考えているのかわからないと言っても良いのかもしれませんね?

  • サポートを好意的に受け止めている人

  • サポートを当然の義務のように捉えている人

  • サポートを拒んでいる人

ですから、サポートしたい、したほうが良いのかなと思ったときに、まずは声掛けをしたらいいんじゃないかと僕は思います。

  • 何かお手伝いしましょうか?

  • 困っていることはありませんか?

  • あそこの物、私が取りましょうか?

  • 坂道が続くから車いす押しましょうか?

など

そこで、車いすマンが必要ないと意思表示したのなら、サポートせずに場を離れるか、見守る…

お願いしますと言えば、快くサポートする…

そうすることで、どちらも嫌な気分にはならないのではないかと僕は思うんです。


🎯一つだけお願いがあります!

僕は介護や医療の現場で、実際に車いすを押した経験がないので、間違ったことを書いてしまうかもしれませんが…

ユーザー(押してもらう立場の人間)として一つだけお願いがあります。

それは…

「押す自分の目線ではなく、車いすに乗っているユーザーの目線(車いす前輪の位置)を意識しながら押してほしい」ということです。

その参考になりそうな記事がありますので、以下のリンクを参照ください。

何か威張って書いてしまいましたが、どうかお許しください。


🎯障がいのある人(車いすユーザーを含む)を理解するのはとても難しい…

障がいのある人の気持ちを理解する方法って、どうすることだとおもいますか?

僕は、「一番の方法は同じ体験をすること」だと思っています。

次に、「同じ釜の飯を食うというのか…一定の時間一緒に生活を送ること」(と言っても1~2時間ふれあいの場に参加したくらいでは意味があまりありませんが…)

ま~そのどちらも、現実的にはかなり難しいですよね~

ですから、僕もどうするのが本当に良い方法なのかがまだ分からず、今は模索中なんです…

いつかみなさんに、自信をもってその方法をお伝えできる日が来るといいなと思って日々生活しています!


🎯最後に一言

さて…長らく書いてきましたが、今の僕がみなさんへ伝えたかった「車いすについてのエトセトラ」はもうありません。

25年以上になる僕の車いすマン人生で培った経験が、みなさんのプラスに少しでもなれましたでしょうか?

口を酸っぱくして?何度も書いてきて「うんざり」かもしれませんが…

サポート・介護のために使う車いすであっても、体に合ったサイズの車いすに乗ることは、ケガの予防や障がいの進行を抑制することに繋がりますから、出来る限りオーダーメイドの車いすを検討してほしいです。

それでは…

最後になりますが、これまで書いてきた記事に、少しでも目を通していただいた人には感謝です。そして、車いすユーザーが少しでも快適な日々を送れるよう願っています!

ありがとうございました。🙇

車いすに乗って快適な生活を!
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ヨワヨワマン辛島
僕が書くすべての記事(手紙)は、長い時間かけて継続して書いてきた記録や、そうでなかれば得られないであろう考え方や貴重な体験を基にしています。いただいたサポートは、その評価だと捉えさせていただき、それを糧に今後も多くの記事を書いていきますので、どうかよろしくお願いします。