オオイタは、競技スポーツだ!
以前、中村 裕先生の話を書きました。
先生は、「障害者スポーツの父」と呼ばれることもあるのですが、「大分国際車いすマラソン大会」を創設したことも有名です。(大分国際車いすマラソンは、親しみを込めてオオイタと呼ばれることがあります)
その第1回大会の話を今回はしたいと思います。
当時は、「車いすが必要な人が42.195km走るなんて危険だ!」という風潮がありました。
そこで、やむなくハーフマラソンとして大会を開催しようとするのですが、今度は…
「車いすが車道を走ったらダメだ!」
ということになって、運動場を周回する大会になってしまいます。
大会には、海外からの招待選手も出場します。
現在のレーサー(競技用車いす)は3輪(前輪1・後輪2)なのですが、当時は生活用車いすの2輪が主流であったみたいです。
大会は2人の外国選手の争いとなり、ゴールの白線が迫ったときは、ほぼ隣同士となります。
その時に、片方の選手が手を差し伸べ、2人は手を繋いでゴールテープを切ったのです。
いわゆる「同時通過」というのでしょうか?
それを見たメディアや観衆は、「すばらしい!感動の大会だ」と称賛するのです。
さて…あなたならどう思いますか?
大会責任者でもあった、中村先生はこう言います。
「オオイタは競技スポーツだ。厳正なる審査をして、完全に同着ではないのであれば、早い方が優勝に決まっている!」
そこでサングラス?をかけて走った選手が優勝、白人の選手は2位となったのです。
賛否両論あるかと思いますが、今の僕には以下のように先生が考えられていたのではないかと思うんです。
「障害者スポーツであるオオイタは、競技スポーツであって、健常な人が行うそれと同等の考えをすべきである。
そうではなく、ふれあいや感動や楽しみを重視した運動会のような捉え方でオオイタを見てしまうと、障がいのある人の競技スポーツなんて、所詮そんなものだと思われてしまいかねない。それではいけないんだ!」
それから30年が優に過ぎ…
国内外から強豪選手が集まって鎬を削るオオイタは、世界屈指の車いすマラソン大会として毎年秋に開催されています!
いかがでしたか?
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