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その27 僕は、あなたの「針刺し練習用マネキン」じゃないんだから・・・声掛けくらいしてほしいんですけど~~~

僕が言う「ちょっとした悲劇」

それは、手術室へ行く前にやっておかないといけない点滴だ(針刺し)

輸血?
輸血?

「辛島さ~ん、そろそろ点滴をしたいのですが、ベッドに寝てもらえますか?」

昨日見たスケジュール通り…11時頃病室にやってきた若い看護師さんがそう言ってくる。

「あっ、もうそんな時間なんですね。わかりました」

僕が車いすからベッドに乗り移って横になると、看護師さんは僕の手を見てこう言ってきた…

「あらら~辛島さんって血管が出ていないんですね…」

理由がよくわからないんだけど、若いころは何も意識していなくても血管が常時浮き立って見えていたのに、オジサンの今は内側に引っ込んでしまってまったくと言っていいほど見えなくなってしまっているんよね。

「そうなんですよ~若いころは常時見えていたのですが…何度も針を刺してきたから内側に逃げてしまったんですかね~」

「ははは…どうでしょうかね~(ペチペチペチ…)」

看護師さんは、そう言いながらゴムチューブで腕を締め付けると、軽く手で皮膚を叩いて血管を浮き上がらせようとしている。

「出ませんね…」

何度も手でさすりながら、見えないであろう血管の位置を模索する看護師さん。ところが脈の鼓動を掴んだのか?…

「難しいけど…じゃ~行きますよ~」

(ブスリ…)

(痛~~~~~~~い!)

「あら…辛島さん痛くないですか~?」

「ええ…かなり…」

「あれ~おかしいわね~じゃ~もう1回行きますよ~」

(ブスリ…)

(痛~~~~~~~い!)

「あら…辛島さん痛くないですか~?」

「ええ…かなり…」

そんな繰り返しが5,6回続くと、片腕は所々止血のガーゼとテープが貼られてしまい容易に針刺しが出来なくなってくる。

困り果てた看護師さんはヘルプを要請するみたいで…

「辛島さん、もう一人呼んできていいですか?」

「ええ…」

(私、失敗しないので!というくらい自信あふれる人を呼んできてくれ~という念を込めながら、病室を出ていく看護師さんを見つめる僕・・・

ただ、ルートキープの意味合いもありそうな点滴の針を、なかなか刺すことができない(針刺しがスムーズにできない)看護師さんを責めることはできない。

その理由は上記していることと併せて、彼女も僕を痛めつけようとして失敗しているわけではないから!

でもね…

「辛島さん、もう一人連れてきましたよ~」

どうやら、これまでいた看護師さんより経験豊富な先輩みたいだ!これは期待できる!

これじゃ~ダブルパンチだ…
これじゃ~ダブルパンチだ…

その後、先輩看護師さんが数回の失敗を経て何とか成功…と思いきや

僕は目をつぶっていたからそう思っていたんだけど、どうやら以下のようなことだったみたいで…

先輩看護師さんがこれまで針刺しをしていた腕(ガーゼでほぼ埋め尽くされた腕)を入念にチェックしたうえで、会心の一刺しによって一発で針刺しを成功させる中、なぜか別の腕で失敗を繰り替えす(これまでいた)看護師さん。(僕が先輩看護師さんが成功させるまでに何度か失敗しているものと思っていたのは、別の腕で針刺しをする看護師さんだったわけ)

「なかなか入らなくてごめんなさいね…今からこっち(別の腕)でも指してみますから…」みたいな声かけもなく…

僕は、あなたの針刺し練習用マネキンじゃないんぞ!声掛けくらいしてほしいんだけどな~)

結局、左右に傷跡が出来てしまった僕。

怒る気力もなく…その後はベッドで放心状態でありました。


ー つづく ー


いかがでしたか?

今回送った「僕からの手紙」が、何らかの形で、みなさんのプラスになれたら、とても光栄です!

読んだよ〜ってことで、スキを押してもらえたら、今後書いていく励みになりそうな気がします。

できましたら、これからもたくさん手紙を送りますので、どうか目を通してほしいです。

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