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僕が始めて出会った車いすマン!(※僕が勝手に言っている車いすマンの定義とは、車いすに乗って身の回りのことが自分でできる人)

今回は学生のころに開頭手術を受けたころの話です。

手術後2週間が経過したころ、ようやく病状が安定して観察室から一般病棟へ移ることになった僕。

「辛島さんが戻ってきましたよ~」

ベッドを押していた看護師さんの一人が、病室にいる患者さんに向かってそう言われています。

(へ~Aさんが同室なのかな?)

Aさんというのは、術前の僕を知っている患者さんの事です。

起き上がって久しぶりに挨拶をしたいところですが、術後に左半身麻痺になり体が思うに動きませんでしたし、まだまだ声が出しづらくて…

(くっそ~~~)

そんな自分を不甲斐なく思っていると、先ほどとは別の看護師さんが誰かと話をしているのに気がつきます。

「Bさん、今日はもう車いすに乗ってコーヒーを買いに行ったのですか?」

(車いすに乗ってコーヒー?どういうことなのかな?)

当時の僕は、足を骨折して一時的に歩けなくなった人や、高齢で足腰が弱ったおじいちゃんおばあちゃんが、後ろから誰かに押してもらうために利用するしか用途がないのが車いすと思っていましたから、看護師さんが言われた言葉をイマイチ理解できません。

病室に入り終えてから、看護師さんがベッドの足下にある「金具?」をクルクルと回すと、頭の方が段々と浮き上がってきます。(ギャッジアップ?)

「しばらくはこの大勢で頑張ってみましょうね!」

そう看護師さんは言われると、病室から出ていかれます。

ベッドの頭側が起き上がったことで、前方の様子が見えるようになったのですが、僕の前にあるベッドの患者さん(男性)は柵をしていない右側に車いすが置かれています。(先ほど看護師さんが言われていたとBさんというのは、どうやら彼のようです)

彼は、ベッドの足側に置かれた掛け布団に寝転がって、右手だけで雑誌を見ていましたので、僕の方から見たら右手と雑誌しか確認できない状態…

(あの人、なんで車いすをベッドのすぐ隣に置いているんだろう?看護師さんとか邪魔にならないのかな~)

そう思いながらしばらくじ~と見つめていると、彼は突然むくっと起き上がり停車中の車いすへ器用に乗り移ってこちらを向いたんです!

(ぎょえ~~~~~)

脳が半分くらいない?
脳が半分くらいない?

寝転んでいるときにはわからなかったのですが、右側の脳が削れてほとんどないように見えました。そして、団員が敬礼をするときにするポーズと言えば良いのでしょうか?左手がしっかり握られ(グーの形)心臓のあたりに当てられたままになっています。

病衣を整えた後、看護師さんお手製の帽子をかぶった彼は、床頭台の鍵を開けて財布を取り出すと、左足を右手で持ち上げて車いすの足置き台に乗せ右手でハンドリムを回し地面を右足で蹴って病室を出来ていきました。

(な、なんだ、あの人…)

しばらくすると、カップのコーヒーを車いすに取り付けたドリンクホルダーに入れた状態で病室へ戻ってきた彼。

辺りは一気にコーヒーの香りが漂います!

(あの人って…一体何者なんだろう?車いすって押してもらうようじゃなくて、自分で動かしてコーヒーを買いに行けるのか~)

このように?初めて、車いすを運搬のためではなく、生活の足として使う人を見た僕は、これまでの偏見というのか?すごく衝撃を受けた瞬間でした。


いかがでしたか?

今回送った「僕からの手紙」が、何らかの形で、みなさんのプラスになれたら、とても光栄です!😊

読んだよ〜ってことで、スキを押してもらえたら、今後書いていく励みになりそうな気がします。🔥

できましたら、これからもたくさん手紙を送りますので、どうか目を通してほしいです。🙇

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覗き方?の参考になればうれしいです!

伝えたいメッセージをみなさんへ~✨

僕が書くすべての記事(手紙)は、長い時間かけて継続して書いてきた記録や、そうでなかれば得られないであろう考え方や貴重な体験を基にしています。いただいたサポートは、その評価だと捉えさせていただき、それを糧に今後も多くの記事を書いていきますので、どうかよろしくお願いします。