備中神楽
私が住んでいる地域で昔から祭りの時期に、備中神楽という神楽舞が神社で奉納されます。今年も神楽が舞われてそれを見てきました。
昔は一晩中かけて神楽が演じられ、布団を抱えて見に行ってということを聞きます。稲刈りを終えてその年の豊穣を祝うという意味や、今年一年の農作業の疲れを癒すという意味合いはあったのだと思います。
いろいろな地域で神楽は演じられますが、郷土芸能として残っているなかでも地域の担い手が舞う神楽としては独特のものだと思います。
備中神楽は江戸後期に高梁出身の神官で国学者の 西林国橋が神事であった荒神神楽を神楽大夫が舞う形で奉納する形にしたものです。
榊舞 白蓋神事 導き舞 猿田彦の舞 岩戸開きの能 国譲りの能 八重垣の能(ヤマタノオロチ) 吉備津の能 玉藻の前 五行幡割り 剣舞 託宣神事
と本来は一大スペクタルなんですが、最近は仕事があるなかで参加が難しい地域もあるので、少し短めな演目になっているようです。
全部を通して観たのは、自分が小学生のころですから、かれこれ半世紀前の記憶です。つまり、うとうとしながら観ていたのでピンポイントでしか記憶がなかったりします。
最近では芸人の「東京ホテイソン」のたけるが、備中神楽の担い手で、特技のなかに挙げています。漫才の最中に「い〜や、〇〇!!」と歌舞伎のような見得を切るので聞いたことがあるかもしれません。
神楽といえば、石見神楽や高千穂神楽のような煌びやかな方向が良く知られますが、備中神楽は温かみがあります。
時代の流れで、神官から民間にという流れと違い、里神楽を地域で神楽大夫という存在が舞うということを考えて作られたからでしょうか、地域の中で根差すように感じます。
神楽はその地域の神話を取り込んでいることが多いのですが、吉備津彦の命が含まれているのも特徴かなと思ったりします。
もし、見る機会があったらどこかの神社でやってたりするので、見て欲しいと強く薦めておきます。
※最後の写真、神楽大夫さんの顔が出ているのが問題があれば削除します。そのときはコメントに意見をくださると助かります。
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