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買収でなく投資
日本製鉄によるUSスチールの買収についてトランプ、石破、政府の、なんかよく分からない発言です。今、分からないまでも想像の範囲で考えてみます。
買収と投資
買収、M&A(企業の合併・買収)のひとつの手段で、他の企業の経営を支配するために対象とする企業の過半数の株式を取得すること。 子会社化と同じ意味です。
投資、利益を得る目的で事業などに資金を出すこと。比喩的に、将来の利益のために多額の金銭を投入すること。
明らかに、意味が違ってきます。
子会社化の意味
何よりも子会社化をしないのに日本製鉄はUSスチールの手綱を握れるのかは極めて怪しい。そもそも資金繰りが悪いUSスチール経営陣は経営権を手放さないままでは設備投資をしても経営難を変えることは出来ない事はわかりきった話でしょう。
今回の買収案の最初。USスチールの凋落は設備の老朽化ではなく、経営陣の力不足と販売能力が無いため、設備投資に回す資金がなく、雇用の喪失になったのだと見ています。
USスチールが資金支援だけ受けたいと思っているなら、それは企業整理の時間を延ばしただけだし、日本製鉄も損失をだし、本体に打撃を受けてしまうのではないかと思う。
政治の思惑
トランプは自分の手柄にしたいのだろうし、石破も日本製鉄の買収を投資に変えたことで外交をアピールしたいのだろう。
内容が語られ無いまま、何故、日本政府が日本の企業の足を引っ張るのか、呆れてしまいます。
その上で
今の現状でこの交渉で得たものは
日本製鉄は、大統領令と言う勝ち目のない裁判をせずにすむ。訳のわからない違約金を払わなくて済む可能性が高い。子会社化🟰買収 とするなら、経営陣に入り一定の発言権を持つことが出来るし、今後の株式比率をあげて、実質子会社化を睨むことが出来、アメリカ市場に食い込んでいける。
日本政府は企業に対する、アメリカの横ヤリを阻止したと言うことが出来る。
トランプは全米鉄鋼労働組合との顔を立てながら、海外投資によるアメリカの復興を実績に出来る。バイデンに対する優位を示せる。
腹が立つが早期の展開を見据えた段階では良手ではないが、悪手までいかない。
ただし、日本製鉄がタダ金を出すバカらしい展開にならないことが前提です。
その場合は、日本製鉄は裁判による賠償を避けただけになるので、早めに手を引くことをおすすめします。