音から作るキャラクターアニメーション
自分の音声でタイミングをとり、アニメーションするやり方を検証したので、備忘録としてまとめておきます。
今回参考にしたのはこちらのアニメーターの動画です。
https://vimeo.com/239351534
1. キャラクターに何をさせるか考える
音声を使ってアニメーションのタイミングをとるために、まずはこれから作るアニメーションでキャラクターにどんなアクションをさせるかを考えます。いわゆるプランニングです。今回は、ホップ、ステップ、ジャンプのイメージでジャンプはだんだんと大きくなり三回目のジャンプでは回転して手足を広げ着地。勢いあまって少しよろけ、最後に手を振るというアニメーションを考えました。
2. 完成形をイメージして音声を録音する
普段はある程度キャラクターの動きを考えたら、リファレンスを撮影してブロッキングに入るのですが、今回は音声を録音します。「ぽーん、ぽーーん、ぽーーーん」と徐々にジャンプが大きくなることをイメージしながら、心地よいタイミングになるように音声を収録しました。
※お聞き苦しい点はご了承ください。
3. シンプルなオブジェクトでブロッキング
さて、ここらは3DCGソフトを使ってアニメーションを作っていきます。今回は、いきなりキャラクターリグを使ってアニメーションするのではなく、まず単純な形のものでタイミングをとるアプローチを試してみました。ジャンプの踏切のタイミングと音のなるタイミングを合わせています。
タイミングはほとんど録音した音声のままです。
続いて、このオブジェクトのTranslate X, Y, ZとRotation Y(軸はYアップ想定)をキャラクターリグの腰にコピーします。キャラクターの身長に合わせて、腰の高さや移動量を調整し、体全体にアニメーションをつけていきます。
これは僕の欠点なので今後の克服課題ですが、スプライン状態でブロッキングをするとコンピューターに補完されたアニメーションによって頭の中でイメージしたポーズが溶けてしまうため、一度ステップに戻して作業しています。この時点でもタイミングは音声のままです。
4. スプラインにしてポリッシュ
再度スプラインに戻して腕の遅れや、体にスクワッシュとストレッチを加え、指や表情、髪の揺れなど調整をして完成です。
5. まとめ
今回の検証でわかったことは、あらかじめ音声によって心地よいタイミングをつかんでいたことで、ブロッキング段階でタイミングに対しての不安感が少なかったです。また、簡単なオブジェクトを使って動きの確認ができていたことで、ステップからスプラインに切り替えた時の印象のずれもほとんどありませんでした。
一方で、完成されたアニメーションを見てもわかる通り、キャラクターの移動距離が大きく画面の端っこまで行ってしまいました。音声だけでは画面上の移動距離まではイメージできなかったので、距離を伴うタイミングを音声で作る際にはブロッキングと録音を交互に行って調整する必要があるかもしれません。
音から作るキャラクターアニメーション、僕としてはかなり有用なアプローチなので今後も積極的に使っていこうと思います。