見出し画像

韮崎という町の未来を 青少年育成プラザMiacis

「ミアキス」は、約6500万年前に生息していた動物の名前。

中高生も、ミアキスのように
自分の選択次第で何者にも進化できるし、世の中にその選択肢は無数にある。

画像1

どのような年齢層を対象にされていますか。

 13歳から18歳の中高生が対象です。

 韮崎市の中高生の利用が中心ですが、利用者の半分は韮崎市外から来ます。施設が韮崎駅から徒歩2-3分でアクセスがよいので(韮崎市民センター地下1階)、平日は学校帰りの高校生が多く来館します。利用割合は、中学生3-4割、高校生6-7割となっており、土日は中学生(徒歩圏内の子)の利用が多いです。

画像2

どのようにして施設ができたのですか?

 韮崎市は子育て支援には非常に熱心に取り組んでおり、0歳~6歳までの未就学児の学童などには力を入れていました。しかし、就職や進学を機に地元を離れてしまう中学・高校生への支援はあまり行われておらず、人口流出も深刻でした。

 「韮崎市まち・ひと・しごと総合戦略」の各部門の審議員として入っていた母親世代が「若者への支援がないと、町としての未来はないのではないか」、という井戸端会議的なことをしていたところ、たまたまそこに市長が通りかかりました。その場で市長に話すと、プレゼンしに来てくれないかということになり、その後、話がうまく進み、2016年10月にミアキスがオープンしました。

画像3

どういう空間を目指していますか、またどんなことができますか?

 地元にいるときの自分の満足度や、地元への満足度が上がれば、たとえ進学、就職で離れても、自然と結婚や転職のタイミングでまた地元へ戻ってきます。中高生たちが地元にいるうちに地域に関われたり、大人と関われたり、自分のことを新しく知ったりするきっかけが生まれる空間があったらいいな、そのための、まずは拠点をつくろう!ということでミアキスが誕生しました。自分や地元に対しての満足度を上げるための空間を生み出すことを目的として作られました。

親でもない、学校の先生でもない、第3の大人である20代の大人のスタッフが常時3-4名いて、進路や学校の悩みなどの相談ができる状態をつくっています。

同世代との交流や、地域の大人を招いて地域の仕事などを知れるようなイベントを開催しています。

画像4

施設の設置や運営をしている貴団体についてご教えてください。

 施設自体は公共の施設ですが、委託のNPO法人河原部社のスタッフ(3名)が運営しています。

 河原部社はほかにも韮崎地域協力隊のコーディネート業務の委託もしている関係で、韮崎地域おこし協力隊もミアキスのスタッフ(3人)として在籍しており、河原部社の活動と並行しています。

 そのため現在は河原部社の社員が3名、地域協力隊が3名、大学生インターン1名の合計7名がミアキスにてかかわっています。

中高生委員会や、中高生自主企画(中高生の主体的な活動)はありますか。また中高生の意見をどのように運営に反映されていますか。

 2年前は、中高生が受付をしたり、お菓子を販売して活動費にしたりという中高生をにぎわすような活動が多かったのですが、1年間という長いスパンで中高生スタッフとして活動するのは中高生にはとても大変です。5年間くらいは立ち上げの時期なのでいろいろ試して、振りかえりを行い、今後の作り方、場の回し方を考えていくというのを決めようとしている段階であるので、中高生スタッフを取り入れて中高生による運営をやってみたりしました。しかし、現在は運営はいったんスタッフで引き取り、中高生が本当にやりたいことをできる場にしようという形でやってみようとしています。

 半期で一度振り返り、取組を続けるか?やめるか?中高生とどうかかわるかなどブラッシュアップしています。振り返りの結果、昨年は中高生スタッフ制度自体もやめて、Miacisにもっと来てもらえるような仕組みを提供していくことに注力しました。

 今年どうするか?を考えた時、中高生にとって年の近いスタッフや大学生の自分らしく頑張ってる姿を見せて、ああいう大人になりたい、あんな大学生もいるんだという発見があるのもいいのですが、同世代の中高生が、自分のやっていることやがんばっている姿を見せ合えた方が、中高生にとってはよりいい刺激になるし、影響を受けやすいのではないか?と思い、今年は中高生スタッフを復活させることにしました。

 今年は中高生スタッフの活動は3か月単位で行います。10月9日(オープン記念日)の企画を中高生スタッフのテーマとして募集することにしました。コロナの影響もあるので、大規模なイベントはできないでしょうが、それを逆手に取って、もっと楽しく、オンラインで100人200人規模のものもできるだろうし、発想の柔らかさは中高生の方があるので期待しています。

画像6

地域や学校との連携ではどのような活動をしていますか。

 地域の大人を招いて、その人の生き方を中高生がインタビューする様子をミアキスで公開収録し、それを中高生に向けてYouTubeに載せるという「大人図鑑」を予定しています。将来的には動画素材として、給食の時間に流してもらうなど学校と連携したいのですが、とりあえずは多くの中高生に見てもらえる機会をつくりたいと思っています。

 中学2年生で職場体験を行いますが、韮崎では親の紹介などから職場体験を行っています。2年前から、河原部社が地域の企業をピックアップし、合同企業説明会のようなイメージで、「韮崎仕事展」という地域の企業と中高生が出会える場を職場体験より前に行っています。実際に話を聴き、会うことで、中学生にとって職場体験が楽しみになります。企業側にとっても、中学生を職業体験に受け入れるにあたっての不安などがあるので、そこに河原部社が入り、企業と連携して全体をプロデュースしていき、職場体験をよりよくしていく取り組みをしています。

画像7

概要

取材日 2020年7月15日

いいなと思ったら応援しよう!