#12-3 サガン鳥栖2021シーズン全選手通信簿 FW/育成型期限付き移籍 編
こんにちは、ユースケです。
いよいよ今回で最終回。
GK/DF編、MF編に続きFW/育成型期限付き移籍 編です。
備考ですが、育成型期限付き移籍組に関しては鳥栖で出場したリーグ、ルヴァンの全試合と移籍先での試合も見てコメントしています。
また、鳥栖での出場が無かった通常の期限付き移籍の金珉浩と安在、完全移籍した松岡、林、豊田は割愛しております。
それでは早速いってみましょう!
FW
山下 敬大 【No.9】
■リーグ
35試合 / 先発19試合 / 1707分 / 9G 0A
■ルヴァンカップ
4試合 / 先発1試合 / 125分 / 0G
今期ジェフ千葉から加入。間違いなく序盤躍進の立役者。
ボックス内で勝負するタイプのFWである山下はスペースメイクに長けた林とのコンビで得点量産。鳥栖の決して多くないチャンス数での9ゴールはボックス内の準備の良さと決定率の高さを証明している。
守備では背中でボランチへのパスコースを切りながら相手DFへプレスをかける役割を担う。林も山下もこれが非常に上手く、二人の前線の守備には後ろの選手たちも助けられ、序盤無失点行進の一助となった。
相方である林が移籍した夏以降、他チームの対策も進みチームのチャンス構築率が低下すると共に自身も失速。
しかし裏を返せば周りのチャンス構築の質が上がれば上がるほど、もっとゴールを奪えるはず。そういう意味でいくつかのメディアで代表へ推す声が挙がっていたのは頷ける。
ちなみに今期のJ1敵陣空中戦ランキングはパトリック、ウェリントン、フアンマに次ぐリーグ4位。日本人No.1であることも付け加えておく。リーグ後半でゴールが無かったからと言って決して侮ってはならないポテンシャルの持ち主である。
【12/23】FC東京への完全移籍リリース
酒井 宣福 【No.15】
■リーグ
29試合 / 先発17試合 / 1516分 / 8G 2A
■ルヴァンカップ
2試合 / 先発1試合 / 109分 / 0G
J2大宮を契約満了となり不退転の決意をもって鳥栖入り。7月にはJ1の月間MVPと月間ベストゴールをW受賞するなど、自身の価値を内外に知らしめる大活躍。
開幕戦に左WHで出場したように当初はサイドで使われる予定だったが(本人インタビューより)CF起用で眠っていた才能が開花。元々FWの選手だったため開花というと大げさかもしれないが、鳥栖で大きな花を咲かせたのは疑いようのない事実。
またこれまでの経歴でWBやSBをやってきた事の産物なのか、サイドに流れてからのクロスが凄く上手い。しかも利き足の左足だけでなく右足でも。
複数のチームを渡り歩き様々なポジションを任される度に努力してきた姿が容易に想像できる。
眠っている才能を見抜き大きく飛躍させる強化部と監督の手腕を証明する選手の一人となった。
【12/21】名古屋グランパスへの完全移籍リリース
岩崎 悠人 【No.29】
※8/12期限付き移籍加入
■リーグ
13試合 / 先発5試合 / 562分 / 1G 0A
■ルヴァンカップ 出場無し
アンダーカテゴリーの代表常連で東京五輪代表の立ち上げ当時には小川航基に並ぶエース候補だった岩崎。
京都時代こそコンスタントに出場していた彼だが2019年に札幌に移籍してからは出場機会をなかなか増やせず伸び悩んでいた。
今期J2のジェフ千葉にレンタルされていたが、そこでも結果を出せずにいたところ鳥栖が目を付けた。
加入直後から出場機会を掴み10月に入るとスタメン起用されるようになる。35節川崎戦では先制点も奪い走行距離13.5km、スプリント40回の驚異的なスタッツを記録。
スピードとフィジカルに加え豊富なスタミナも見せるなどアスリートとしての基本性能が超ハイスペック。それでいて足元のテクニックも兼ね備えておりFWとしての潜在能力の高さを見せつけた。
【12/28】期限付き移籍期間延長リリース!
ドゥンガ 【No.33】
■リーグ
9試合 / 先発0試合 / 86分 / 0G 0A
■ルヴァンカップ
4試合 / 先発3試合 / 232分 / 0G
来日できたのが3/31。そこから14日間の待機期間を経てやっと合流。キャンプに参加できなかったことと初めての日本で適応するのが難しかったと思う。
上背がある分、試合終盤などにターゲットとして起用される場面が多かったが、試合を見る限りヘディングの競り合いは得意そうではないので、多分使い方を間違っている。
オフォエドゥ 【No.25】
■リーグ
1試合 / 先発0試合 / 1分 / 0G 0A
■ルヴァンカップ
4試合 / 先発4試合 / 234分 / 1G
ドゥンガと同じく合流が遅れ適応が難しかったのだと思う。カップ戦ではゴールを上げたもののリーグ戦ではほぼ出番なし。
ドゥンガの方がリーグ戦での出場が多くなったが、カップ戦でのプレーを見たときはチコちゃんの方が試合に絡めそうに見えた。
もう少しプレーを見てみたかったが今期の鳥栖が躍進したこともあり序列を覆せなかった。
和田 凌 【No.18】
■リーグ 出場無し
■ルヴァンカップ
3試合 / 先発0試合 / 14分 / 0G
カップ戦での出場時間も短く、結局彼がどんなプレーヤーなのかを知ることすら叶わなかった。
上背はないが体つきは結構筋肉質なのでパワフルなシュートやゴリゴリとしたドリブルが得意なのかなと思うが全ては想像の域を出ず。
今期トライアウトからの加入で苦労人なので鳥栖でこそ輝いて欲しい選手。
育成型期限付き移籍
※背番号は全て鳥栖でのものです。
今掛航貴【No.28】
※7/29 水戸ホーリーホックへ育成型期限付き移籍
■リーグ 出場無し
■ルヴァンカップ
3試合 / 先発2試合 / 141分 / 0G
■水戸ホーリーホック
4試合 / 先発4試合 / 295分 / 0G0A
水戸では4試合出場、その全てで先発出場。レンタル加入当初はベンチにも入らない期間が続いたが秋口から試合に絡めるように。
鳥栖で出場したカップ戦では守備のところでまだ厳しいかなといった印象だったが、水戸でもそれは変わらず。
しかし攻撃面では興国高校出身らしい確かな技術とセンスを感じさせるので、守備さえ改善できればもっと試合に絡めるはず。
石井快征【No.19】
※6/15 愛媛FCへ育成型期限付き移籍
■リーグ
5試合 / 先発1試合 / 117分 / 0G 0A
■ルヴァンカップ
6試合 / 先発5試合 / 466分 / 0G
■愛媛FC
12試合 / 先発7試合 / 685分 / 1G 0A
2020シーズンには18試合に出場し3ゴールあげるなど自身の価値を証明し、今期更なる飛躍を期待する若手の一人だったがリーグ戦になかなか絡むことができず愛媛にレンタル移籍。
6/15に加入し直後の北九州戦で早速途中出場するもいきなりの負傷で離脱を余儀なくされた。復帰後8月に入ってからは先発出場が続き、9/12大宮戦では鮮やかなカウンターからゴールも決めた。
しかし先発出場が続いていた時期に出した結果はこの1ゴールのみとなり、結果として定位置を確保するには至らなかった。
潜在能力の高さは鳥栖サポ皆が認めるところではあるが、どうにも波があり継続的な活躍に繋がっていかない。少々悩んでいるようにも見えるが、きっかけひとつで爆発する可能性を秘めているはず。
どうしても2020シーズンの彼の姿が忘れられない。
快征もっとサッカーを楽しめ。
【1/8】育成型期限付き移籍先の愛媛FCより復帰リリース!
兒玉澪王斗【No.27】
※6/15 SC相模原へ育成型期限付き移籍
■リーグ 出場無し
■ルヴァンカップ
4試合 / 先発3試合 / 220分 / 0G
■SC相模原
16試合 / 先発13試合 /1183分 / 2G0A
育成型期限付き移籍組の中では最も活躍した選手ではないだろうか。
相模原では鳥栖でのカップ戦でも出場していたWBで起用される。(鳥栖では右。相模原では左)
加入直後の試合でいきなりゴールを上げたが、この試合で激しいアップダウンを強いられており壊されやしないか冷や冷やした記憶がある。
しかし高木監督が徐々に戦術を整理し初めると、そこに上手くハマりフル出場できるようになった。
同時期に同世代で技術のある選手たちがレンタル移籍してきて、後ろから繋げるようなチームに代わっていったので、相模原は兒玉にとって成長できる良い移籍先だったように思う。
【1/7】レノファ山口へ育成型期限付き移籍リリース
編集後記
はい、今回のFW/育成型期限付き移籍組 編で2021シーズン全選手通信簿は終了となります。
今期も新戦力がたくさん活躍してくれました。J1初挑戦の選手、他のチームではなかなか出番のなかった選手や若手選手たちが躍動するのを見れるのは鳥栖サポの特権ですね。
明輝さんも退任し例年より更に厳しいストーブリーグになりそうですが、そこは盤石のメンバーの強化部。当然悲しい別れもありますが、新しい出会いもあります。
大卒選手の加入発表が早かったこともあり、彼らの試合もたくさんチェックすることが出来ました。来期の陣容が固まり次第、昨年もアップした「新加入選手起用法考察」を書こうと思っています。
もしご興味があられれば参考までに昨年の考察記事もご覧いただけると嬉しいです。当たっているところもあれば、全然違うところもあって自分で見返してみても面白いです(笑)
それではまた。
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