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2秒で消えるxweet。 |俗なサピエンスの生態観察日記 #74



(https://x.com/kyom0sukoyakani/status/1872982207163469895?s=46 より)


Xのアプリを開くと、途端になんか面白いxweet(ズイート)が目に入った!!いやまだだ、面白いかどうかはまだわからない。だってまだ、読んでないんだからな? でも、なんか面白い気がした。(そう、脳は無意識のうちに情報を高速処理し、意識には遅れてからその一部が浮かんでくる仕組みだ)。読みたい!

────そこで、どれどれと文字を意識的に追おうとした次の瞬間、シュルルルルル・・・・・・・・・・・・!といきなりタイムラインが更新されて、読みたかったxweetが消え失せてしまうというクソ現象が発生する。な、なぬう?!?!き、消えた?!どこいった?!!!

消えちまった。うぐううッッ・・・・・・!!



Xあるあるだ。

もはや毎日毎日体験しすぎてこのお馴染みのマイクロストレスにも耐性がついてきた感はあるけれど、それでも当初は発狂しそうなほどイラついたものだった。

これほど不満の声が多く上がっているにもかかわらず(いったい何百万ポストされているんだろう?)、いまだにこの「バグ」が修正される気配はない。X社いい加減にしろよ。把握してないとは言わせないぞ? 日本だけでなく海外ユーザーもシットシット言いまくっているんだからな?

なんでこんなユーザーエクスペリエンス(UX)を大きく低下させるようなバグ(欠陥)を、エラー(誤り)を、そのままの仕様で放置しておくんだろう。

X社はバカなのか。無能なのか。イーロンマスクがクビを切りすぎて人手が足りていないのか。



・・・・・・うん?仕様?


これはバグじゃない。フィーチャー(製品の特徴)だ!」とでもいうのか?


オレはそうじゃないかなあ、と疑っている。

気になる投稿がSNSの海のなかに消えることで、ユーザーは「おい、いまのどこにいった?」とTLをしばらくスクロールすることになる。

SNSを運営するビッグテックたちは、1分1秒でも長くユーザーをSNS空間に留まらせることで利益を生み出している。だからユーザーが求めているものをすぐには差し出さず、TLのなかに隠すわけだ。



おまけに、消費者が指でその操作をしているとき、〝探索脳〟(The Seeking system) が活性化する。好奇心/関心/期待といった情動を生み出すこの脳回路は、ドーパミンに駆動されている。ドーパミンは〈LIKE〉じゃなく〈WANT〉の神経伝達物質だってことは聞いたことがあるかもしれない。

動物の探索脳=ドーパミン回路は、近くに食べ物がありそうな手がかりや気配を感じると活発に発火し、実際に食べ物を見つけると活動停止する。そう、ドーパミン回路がアクティブになるのは、モノを獲得した後じゃなく、モノを "探しているあいだ" なんだ。ドーパミンの快楽とは〈探索〉にある。形容詞で言うなら「ワクワク」だ。

関連>ワクワク感情はなぜあるのか〜「世界を探索したい」というヒトにとって基本的な欲求 #wktk


これはヒトも同じだ。「何かいいもの」(=Goods)を探しているあいだにドーパミンはドバドバでる。ショッピングが楽しいのはそれが主な理由だし、TLをスクロールして「何かいいツイート」を指で探しているあいだにもドパる。

それが楽しくて────うーん、ほんとうに楽しいのだろうか? SNSだけを見て日が暮れていく休日。本当にこんな時間の過ごし方を自分はしたかったのだろうか?でも、悔しいけどドーパミンがドパっているのは事実だ。だから、中毒になってやめられないんだし──── ユーザーはXを眺めているのだから、X社としてもその需要と期待に応えてあげるのが優しさってもんだ。

「ほら!これでしょ!」と消費者が求めているものをすぐにあげちゃったらつまらない。だって、それだとワクワク感情を司る探索回路が発火しないから。だからX社は、俺たち消費者を楽しませようと、宝物探しゲームを開いてくれている。さあ、海賊になったつもりでTLの海に漕ぎ出そう。わあ、楽しい。この狭い部屋の中、親指一つでできる冒険だ。絶対に見つけてやるぜ。



・・・・・・・。


SNS中毒の俺たちはいかにじぶんがマヌケな罠にハマっているか、ハメられているか気づかなきゃいけない。宝箱の中身がクソツイだなんて、そんな人生はまっぴらごめんだぜ。



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