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バスキア展はSNS投稿を意識した会場造りをしていた。

初めまして。芸術家の笠井祐輔です。ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の日本初の大規模展覧会「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」が11月17日まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されている。

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前澤友作ZOZO前社長が所有する作品「Untittled」をはじめ、絵画やドローイング、立体作品、映像作品など初公開のプライベートコレクションを含む約130点を展示している。そのうち11作品が撮影可能です。

写真撮影厳禁が普通だった美術館で、撮影可能の背景にはスマートフォン(スマホ)の普及で、カメラで撮影しSNSで発信する人が増えたことが背景にある。

撮影を制限することで得られるメリット

今回私が注目した点は、130点の内11点が撮影可能ということは約10点に1点くらいの割合で撮影が可能なんですが、「撮影可能」のピクトサインを見つけた来場者は、結構な割合でシャッターを押すんです。写真スポットみたいな感じで。

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しかもそれが会場内均等に11点続くんですよ。なので展示を見終えたお客さんのカメラ(スマホ)にはほぼ11点の写真が残っていることになるんです。

もちろん撮影可能を11点という数にしたのは作品の劣化を進行させない為や作品の所有権、他にも様々な理由はあります。ただ結果として10分の1の割会が絶妙だなと。
例えばこれが全130点を撮影可能にすれば希少価値は薄れ、結果として制限をかけていた方がお客さんが撮る写真は多いと思います。

まとめると、現在ではSNSの普及もあり、運営側も「可能なら、全ての作品を撮影可能にした方が来場者に優しいよね」と一件考えてしまいそうですが、美術館の撮影厳禁というネガティブ要素をうまく利用していて、さらに規制を設けて人の行動をデザインしているなぁと感じました。

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