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ヒプステは、続くのね〜3行日記番外(2024.9.9〜10)

ヒプステBOP2023から1年経ったのを機に、ずーっと思っていたことをことばにしてみました。亡霊のたわごと。長いです。

去年の9月9日、横浜にいた。
娘と『舞台ヒプノシスマイク(以下ヒプステ) Battle of Pride2023』を観ていた。
熱気のこもった舞台。2.5次元の人気の高さは聞いていたが、ここまでレベルが高いとは。50代後半の女、圧倒された。
だが次の日9月10日、ヒプステは全キャストの卒業をもって幕を降ろした。2次元から飛び出し、舞台の上に確かに存在していた山田一郎は、2次元の絵の中に還っていった。
もう1年前のことになってしまったねぇ。

最終公演の前日にハマるというまことにオタクらしいタイミングの悪さでヒプステに沼ったので、今後新しい供給は全く望めない哀しみの中、我々母娘はこの1年、過去のステージの円盤をちまちま集め(まだ全然揃ってない)鑑賞、そしてそれに飽き足らずレンタルしては1週間ぐるぐる見倒すという日々を送った。
ラップとダンスの融合。
ダンスも歌もお芝居も、演者全員レベルが高い。
2次元キャラという現実にはなかなかいない髪色や髪型や美麗な顔のつくりを、メイク・衣装・そしてそれぞれの役者さんの創意工夫と努力で可能な限り寄せていた。
また舞台のみに登場するオリジナルのキャラたちも、既存のキャラに『寄せる』こととは別方向のベクトルで、敵役をすごく魅力的に作り上げていた。あんまり人気がありすぎて、オリジナルキャラたちだけのライブまで公演しちゃったもんね。あの公演、とってもよかった。演者も観客も熱量が半端なかった。
どの公演を観ても、何度観ても感嘆する。世界に通用するレベルだ(個人の見解です)。
だからこそ、終わってしまったのがほんとうにもったいない。

推しは新宿麻天狼。
寂雷先生鮎川さんのあの凛とした高貴な立ち姿、美しい白衣の裾捌き(宝塚のよう)そして先生そのものの冷静かつ流麗なラップ。現地参加前に過去作で娘に履修させられた時からKOされた。完全に降参、好き。
ひふみくんの新木さん・独歩くんの井出さんはかつて子ども番組で拝見していたことのある方々。20年ぶりくらいの再会だった。素敵な大人になられていた。ご活躍のご様子で嬉しい。
いつも先生が2人を守るようにバトルしている麻天狼だけど、ナゴヤVSシンジュクの回を観たら、いつもと真逆の関係性ーー自分の事になると滅法弱腰の姫先生を一所懸命守ろうとする騎士(ナイト)のひふみくん独歩くんーーを見せられた。あーこれ、どストライクだ。どっちの3人も好き過ぎる。箱推し確定の瞬間だった。今年の誕プレは娘にナゴヤVSシンジュクの円盤を買ってもらった。

2024年の年明け、新しいキャストによるヒプステが公演されることが発表された。
やっぱりね。予想はしてた。そうやってキャストを変えながらずっと続いている2.5次元の舞台があることは知っている。ひとりのひとが長く同じ役を続けることのしんどさや弊害もあるのだろう。ひとつの舞台を卒業し、それを足がかりにして様々な場所でさらに活躍している方もたくさん知っている。正しいやり方なのだろう。
ただ、どうしても忘れられない。
去年の9月9日に現地で目の当たりにした、推し由来の色やスタイルで精一杯のオシャレをしてヒプステに臨んでいた、たくさんの可愛い&美しいひとたち。
最終日、当日券のために集まったとんでもない人数の方々。
最後のステージを観ることが叶わなくても、できるだけ近くでその時を迎えたいと思ったひとが、そこにはたくさんいた。
彼女たちの母くらいの年齢の私は勝手に我が子目線で見てしまって、その光景に愛おしさと感動さえ覚えた。
この舞台と、それを作り上げたひとたちがどれだけ愛されていたか。
そしてそんなにも好きになったものとさよならしなくてはならなかったその喪失感を思うと、ぎゅーっと切なくなる。辛い。

かくいう我々母娘も、卒業をすんなり受け入れることはできなかったし、正直今もできてない。
新キャストでの公演も、その後の展開(中王区)も、配信で観た。
新しいキャストの皆さん大変だろうな、と勝手に推察している。
なぜなら初代キャストのひとたちが試行錯誤して作り上げた最適解が出来上がっているから。まったく同じようにやればいいわけじゃない。作り上げられたものを大切にしつつ、自分の色も出してゆかねばならない。匙加減が非常に難しい、たいへんなことに挑戦しているし、いいね! と思うところも楽しめた部分もたくさんあった。
ただ、どうしても前キャストと比べてしまう。
ひな鳥が卵から出て最初に見たものを母親だと思うように、私にとっては、実際に目撃したBOP2023がオリジンであり出発点なのだ。だから誰がどんなふうに演じても、その時の彼らの姿がチラついてしまう。たぶんこれから先もずっとこのままなんだろうなぁ。ごめんなぁ。どうしようもない、不可抗力なのだよ。

余談になるが、先日舞台『弱虫ペダル』通称ペダステが10年間続いた公演を終えた。
こちらも実際に劇場には行ってないけど、第1作から全作観ている。
自転車のハンドルと傾斜と段差だけというシンプルな道具で自転車のロードレースを再現した舞台。斬新なアイデアがたくさん詰まっており、演者のみなさんの汗だくの熱演がそのままリアルなロードレースの迫力と激闘に重なる素晴らしい作品だった。
ペダステもヒプステも、世界に打って出ても勝負できそうな舞台なのに。終わってしまうのがほんとうにもったいない。まぁでも培われたノウハウはきっと次世代の舞台に生かされていくのだろうけど。

ヒプステ、行く末はこれからも観ていようと思う。今後の展開で、こちらを驚かせてくれるようなすごいものを魅せてくれることを期待している。
同時に、ヒプステで知ることができた全ての演者さん、ダンサーさん、作り手の方たちの新しいステージでの活躍も、チェックしていこう。次のステップに進むみんなにいいことがたくさんありますように!
そしてたとえ亡霊と言われようとも、BOP2023の彼らを、これからもずっと、何回でも観続けていく。しょうがない。好きなんだから!
乱文御容赦。失礼しました。


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悠(you)
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