真珠腫性中耳炎 入院手術日記 手術当日前編

真珠腫性中耳炎、手術入院日記「入院当日2」の続きです。


手術当日の話です。

特に体調に変わりなく、4時頃起床。(これも普段とそれほど変わらない)

もぞもぞと体を動かし、普段と同じ体操を行う(ヨガみたいなもの)


それから、歯を磨き、瞑想。これもだいたいいつものパターン。

特別緊張や不安は感じていない。

予定通りの禁食禁水で、朝を過ごす。

8時頃には、長病衣に着替える。弾性ストッキングも装着。
そんなころ妻が到着。


手術時の姿勢は仰向け。

このくらいの髪の長さだと今回の手術では、髪を切ったりしなくて良いそうな。

画像1

生え際が手術する場所に近いと、剃らなきゃだめらしいです。

生え際のところにスペースがあれば問題ないとのこと。



尿の管が入った状態で帰ってくるのはいいとして、抜く時が嫌だなぁ、とか

麻酔の感じってどんななんだろう、とか

想像が膨らむ。



それも全て経験できる。

8:25くらいに看護師と一緒に手術室へ。

妻も付いてくる。

入り口で妻とは別れ、手術室の中のスタッフと本人確認。



手術室に案内され、入ると、執刀医、麻酔科医、看護師、などなど準備が進められていた。

「こちらに仰向けになってください」
と手術台へ。結構狭い。

血圧、酸素飽和度を計測。
名前の確認。
手術部位の確認。

それらについて聞かれるので私が答える。

本人の理解度の最終確認でしょうか?


看護師が本人確認、医師と術式、手術部位の確認。

呼称している。

話しかけてくれるスタッフは、マスクをして、帽子をかぶっているので、目しか見えない。

だからなのか、終始にこやか。

目で安心させようとしていることが伝わる。



「手が冷たいですね。緊張していますか?」

と看護師に聞かれた。


指先が冷たかったらしい。知らないうちに緊張していたのかも・・・?

交感神経優位だったかもしれない。

心電図の電極が貼られ、麻酔の為の点滴が入る。


麻酔科医が言った通り
「薬が入っていっているのが、実感として」わかる。
すごい薬だ・・・


それと一緒に、頭がぼーっとしてくる。

「これ、すごいですね。薬が入ってくるのがよくわかる、ラリってるってこういう感じでしょうか?」

そのセリフを最後に、私の意識は落ちた。



次に意識が戻ったのは。
「福田さん、終わりましたよ」
という医師の言葉だった。

「ありがとうございました」
と、言ったつもりだったけど、酸素マスクはしてあるし、なんだか舌が回らない・・・。

病室へ戻る途中、妻の声が聞こえる。。。

病室へ戻ってきて、医師が私の父に何やら説明しているのが聞こえる。


「大きな真珠腫でしたが、取り切ったと判断します。」
の声が聞こえた。そうか、大きかったか。


「本人も見たいだろうから、置いていきますね」
ボクの好奇心を気遣ってくれて、摘出した真珠腫を部屋に置いてくれたけど、見ることはできなかった。


なにしろ、左手には点滴が繋がれている。

尿の管が左側に出ている。

右耳には分厚いガーゼが当てられ、グルグル巻き、酸素マスク、心電図、パルスオキシメーターが付いている。

体の自由はきかない。

予定では3時間後に心電図などのモニターが外れ、4時間後にうがい、引水の許可が出る。

本日は、体を起こすことができず、ベッドのギャッジアップのみだ。(電動なので便利)

15時〜15時30分のあいだに父が家に帰った。

そのあと、モニターが外れる。酸素マスクも取れた。


16時過ぎにベッドを起こして、うがいと飲水。

なんだか、ベロが変な感じ。

何回かうがいを試みて気づいた。

ベロが麻痺している。

右側だけ。



飲み込んでも、ムセない。

嚥下機能に問題はない。

全身麻酔で、挿管してあったせいか、喉が少しヒリヒリするけど、大きな問題はない。

手足の動きにも問題はない。

ただ、耳が痛い。耳が痛い。耳が痛い。


腰も、背中も痛い。

起きることは許可されていない。
許されたのは仰向けと、左向きと、ギャッジアップ50度くらい。



それを繰り返し、痛みに耐えていたら、夕方、妻と娘たちが現れる。

「怖がるだろうから連れてこないでいい」

と術前に話していたけど、「見たい」といったらしく、娘たちを連れてきたみたい。

なにか話しかけられているんだろうけど、聞き取りにくいうえに、こちらは舌が回らず話しにくい。

話すのも億劫なので、早々に帰ってもらった。

お見舞いは、本人がある程度元気になってからの方が、いいと思う。

そこから、長い夜が始まる。

つづく。


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フクダヨウスケ
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