「耳の中でグワングワンと音が反響する…」 真珠腫性中耳炎治療日記 手術後4年
真珠腫性中耳炎治療日記 手術後3年と9ヶ月の続きです。
診察を受けたわけではないのですけど、一応、手術後4年が経過したので区切りとして振り返ってみたいと思います。
痛みや違和感
痛みや違和感は全くありません。
思い返しても手術の前後で、もっとも痛みを感じたのは「真珠腫性中耳炎 手術入院日記 手術後7日目前編」に書いた通り、術後7日目の処置と、「手術当日の夜」でした。
あれは辛かった・・・
必要な処置なので、仕方ないのですけど、病気そのものとしても、治療としても、痛くて耐えられないのは、あの2回ですね。
手術前からあった「耳が塞がれている」ような違和感は、術後感じなくなっていましたし、今もありません。
チューブ留置がうまく機能しているのでしょう。
痛みがない病気
逆に痛みを感じない病気だから、発症や進行に気づけないのが、真珠腫性中耳炎のこわいところだと思います。
大きな問題は聴力の低下な訳ですが、ある時突然聞こえなくなるというよりは、徐々に聴力が落ちていって、気づいたら進行しているので、厄介ではあります。
痛みがあるからいいわけでもないですよね、、、
痛みは嫌です。
明確な症状が現れにくいという意味で、先手をとった行動は取りづらいです。
気になる自覚症状
「「耳の奥で拍動の音が聞こえる」のは調子が悪い時のサイン」でも触れましたが、体調によっては、手術した右耳から拍動のような「ドクドク」という音が今でも聞こえます。
(不完全右脚ブロックという不整脈の診断ももらっているので、ドク ドク (休み) ドク みたいな感じに聞こえます。不整脈を実感させられるので気分としては落ちますね・・・)
この「拍動が聞こえる」っていうのは、本当にわけわからなくて、体調がいいor悪いにあまり関係していない時もあります。
ドクドクという音が、突然聞こえるようになったり、聞こえなかったり。。。
コレステリン肉芽種という診断名ももらっていましたが、それは手術で取り除いた?はずです。
また育ってきたのでしょうかね(苦笑
術後4年経った右耳の症状はこんなところです。
むしろ気になり始めているのが、手術はしていない左耳。。。
耳の中で音が反響する
音が反響して聞こえにくいことがあるなあ、と感じてはいましたが、右耳の症状だと思いこんで気にしていませんでした。
ところが、ある時気づいたのですが、それは左耳で起きていました。
静かなところで、少人数で話していればそれは起こりません。
しかし、複数の人が同時に話している場だと左耳が「ウワ〜〜〜〜ン」となって途端に聞き取りにくくなるんです。
私の右耳は聴力が期待できないので、左耳でほとんど聞いているような状況です。
その左耳が、聞こえにくくなるわけなので、パニックになります。
これも、いつも起こるわけでなく、何かしらの条件下で起きているようでした。
2〜3人が同時に話しても起こらない。
2〜3人が大きな声で話しても起こらない。
2〜3人が狭い部屋で大きな声で話しても起こらない。
不特定多数の人間が同時に話しているような時に起こる。
屋外でも屋内でも同じ。
スポーツ観戦や、オーケストラなどの音楽鑑賞は、好んで出かけるのですけど、高い確率で聞こえにく状況が突然発生します。
そして突然治ります。
普段の生活ではほぼ起きないので、あまり気にせず生きています。
音が反響するおかげで減ったこと
普段の生活ではきにならないのですが、先ほどにもあげたような条件が揃うと高確率で、音が聞き取りにくくなります。
・不特定多数の聞き取り可能レベルの音が同時に生まれている環境
サッカーJリーグの試合をスタジアムに観戦に行くと、この状況が生まれます。(しかし、見たい気持ちが勝る時は関係なく出向きます!)
子供の演奏会でも起きますが、対処法を発見したのでそれを行いながら参加します。
この左耳の事情のために減ったのは、
居酒屋やホテルの会場などでの宴会
大人数が参加するイベント
とにかく大勢がいて、話しているイベント
への参加です。
聞き取りにくい状況で、聞き取ろうとするのは大変疲れますし、そもそもコミュニケーションが十分に行われません。
そういう関係が生まれるのもストレスですし、そもそも聞こえるはずの耳で音が拾えなくなるのは強いストレスです。
原因が特定できたわけではないですし、医療側からストップがかかっているわけではないですが、「宴会、イベント」関係への参加はめっきり減りました。
仕事の関係でやむなく出席する場合は、個室少人数の場所を選んでもらうか、話題に積極的に参加しない感じになります。
大勢で騒ぐのは得意な方ではないので、まあ、ちょうどいいのかもしれません笑
反響した時の対処法を見つけた
何度か経験していると、パターンみたいなのが見えてきます。
私の場合は、左耳が「音を拾う」ための主役です。
脳(聴覚野)は、左耳からの情報をベースに「音を感じる」状況になっていたのだと思います。
その状況で、不特定多数の音が突然入ってくると、情報処理が追いつかない感じになるのではないでしょうか?
実際に、音が反響した経験をすると疲労感を強く感じます。
脳に届く音の刺激量(情報量)が下がれば、脳は混乱しないで済むだろうから、音の刺激量を減らせばいいのではないか?と考えました。
簡単です。
左手で左耳を覆って、音が入るのを制限しました。
落ち着くのです。仮説は間違ってはいないかもしれません。
対症療法ではありますが、これでしのげているのは事実です。
ただ、主役であるはずの左耳を覆うと、音を拾う仕事で右耳をあてにするわけですけど、右耳は聴力が低いので、私が受け取る音刺激の全体量は下がります。
一言で言えば、会話にならないわけですね。。。
一番の対処法は、そういう環境に行かないことだと気づきました。
どうしても行く場合は、左耳を塞ぎまず。
そしてコミュニケーションを遮断します笑
聞こえなくても・・・
会話などでコミュニケーションが取りにくい状況が生まれても、それはごく短時間です。(いまのところ)
悲観的になる状況にはありません。
特定の環境で、一時的に音を介したコミュニケーションがとりにくくなっても、生活の中でどうってことはありません。
4年が経ち、手術をして本当に良かったと思いつつ、再発の可能性はいつも頭に入れています。
最近気づいた左耳の変化に対しては、「こんなにも左耳に依存していたのか」という発見と、「脳が行なっている音の処理」についての妄想が得られました。
生きていればこそ。
世の中には様々な病気があるでしょうし、治る症状治らない症状があるでしょう。
不安はどこまでも続く場合もあるでしょう。
それでも、今生きているという現実は疑いようがないので、そこにフォーカスして生きていようと思います。
続く
真珠腫性中耳炎の発見から、手術を経由して今に至る話は、全てこちらに記しています。↓