「良い会社」と「働く上で良い会社」は違う
前回の記事に続いて、個人のキャリアについて思うことを書きます。
前回、キャリアアップを保証する会社にしたいと書いたのですが、タイトルにある通り、「良い会社」 = 「キャリアアップに繋がる会社」とは言えないなと考えています。
良い会社とは?
「良い会社」と聞いて、どういう会社を思い浮かべるでしょうか。
ざっと思いつくのは以下あたりでしょうか。
・安定している
・年収が高い
・福利厚生がしっかりしている
・成長している
・将来性がある
上記全てを備えている会社は少ないかもしれませんが、現在のビジネスが堅調(巨大)で、さらに成長性や将来性を有している会社が「良い会社」という評価を受ける場合が多いと思います。
そう考えると、やはり大企業(というか超大手)に目が行きがちになりますが、最近の新卒向けの記事ではそういう大企業の影に隠れた優良企業を進める記事も良く見かけるようになりました。
例えば、BtoB企業なので一般にはあまり知られていないが、独自の製品(サービス)を持っていて差別化できており、毎年成長している企業などが良く例として挙げられます。
確かに上記のような企業も間違いなく「良い会社」です。
そう簡単に現状のビジネスは崩れないですし、製品(サービス)の競争力もあるので、利益率も高く社員の給与も高いという場合も多いと思います。
投資家にも評価される会社だと思いますし、おそらくその会社に生涯勤める人やあるいはその経営幹部になるのであれば、とても良い会社だと思います。
一方でその会社に生涯勤めない人にとっては少し違う意味を持つこともあるかと思います。
働く上で良い会社とは?
「働く上で良い会社とは何か?」これも人によって価値観は異なると思いますが、一旦「キャリアアップ」という視点から考えると、「良い会社」に勤めることが成長機会を失うことに繋がることもあると感じています。
良い会社は極端に言えば、「社員の能力にそこまで左右されず成長できる会社」とも言えます。
素晴らしい製品(サービス)があるので、そこまで創意工夫がなくても売れる。業界で圧倒的な存在感を築いているので、そもそも競合が不在という場合もあるかもしれません。
投資家や経営者目線で考えると、社員が入れ替わる度に会社の成長性が変わっていたのでは不安です。そこに左右されない堅牢なビジネスモデルを構築し、社員は普通に働いてさえくれれば、確実に成長していく会社の方が良いでしょうし、多分、そういう会社の方が株式市場的には評価されます。
でもそうなると、社員の創意工夫によって変動する幅が小さくなりますので、比較的ルーティンな仕事が多かったり、例えば営業担当であれば製品が強いので勝手に売れてしまい、営業力が養われないということもなります。
そう考えると、もちろん個々の会社によって異なるとは思いますが、就活生にBtoBで素晴らしい製品(サービス)を持っている会社を勧めるのも、ちょっと怖いかなーという気がしています。
個人のキャリアップや成長を目的とするなら、必ずしも大企業よりもスタートアップが良いという訳ではないのですが、少し混沌としていたり、成長が踊り場を迎えている会社の方が案外面白いかもなーと感じています。
CodeCampでも転職に特化したプログラムを運営していますが、多くの人は「良い会社」に入りたがりますが、その人の成長や将来的な人材価値向上に繋がる会社は必ずしも「良い会社」ではなかったりするかなと思います。
ですので、就職や転職の際には、その会社が「良い会社」かどうかも大事ですが、「働く上で良い会社かどうか」も考えると良いという話でした!