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一聴したが最後のリピート怪異[オトノケ/Creepy Nuts]#1

Yushiです。
一発目の曲紹介記事!精一杯曲の魅力をお伝えしたいと思います。
宜しくお願いします!

ということで栄えある一回目ですが、Creepy Nutsの「オトノケ」を選びました。2024年10月期より放送中のアニメ「ダンダダン」のOP曲です。オカルトがテーマのアニメ主題歌ということで、歌詞の中身もオカルティック。

DJ松永があのモンスターヒット曲「Bring-Bang-Bang-Born」よりも「本命」と豪語した一曲、早速見ていきましょう!


1 ラップ怪異R-指定

R-指定。言わずと知れた日本を代表するラッパーです。
Rのラップには毎曲毎曲度肝を抜かれてるんですけど、オトノケが公開されたときの衝撃は凄かった。

まずこれは既出なんですけど、文脈が恐ろしいですね。
「オトノケ」というタイトルは「ヤマノケ」という怪談が元ネタです。1バース目の「ハイレタハイレタハイレタハイレタハイレタ」というリリックは、ヤマノケに取り憑かれた少女が発した言葉です。
他にも貞子(リング)や伽椰子(呪怨)、学校の怪談、八尺様などホラー要素を散りばめており、文脈お化けが本領発揮してます。
2バース目には、「ダンダダン」がジャンプ作品ということを踏まえてか、ジャンプ作品の要素が散りばめられてます。「鬼とチャンバラ」は鬼滅の刃、「the lyrical chainsaw massacre」はチェンソーマン、「渡る大海原」はワンピースなどここでも文脈お化けが顔をのぞかせてますね。

次に一曲通じて、「ダンダダン」のa(n)aa(n)で踏み続けるという。
「ダンダダン」だけでこんなに踏めるんですか?ってツッコミ入れたくなりましたね。
でも、2バース目に韻が踏めてない所が一か所あったんですよ。それが「積み上げてくTop of Top」という所。普通に読むと「トップオブトップ」(ououou)というようになりますよね。
しかし、ラップ怪異R-指定はこれを「タッパタ」と発声することで、あたかも踏んでいるかのようにラップしているんですよね。
この様に韻が踏めていない単語を、如何に踏めてるかのようにラップするかという所がR-指定のスーパーなところ。

2 「テン・ソウ・メツ」でリスナーを取り憑かせるDJ松永のトラック

テン・ソウ・メツ。これはヤマノケが唱える謎の言葉であり、漢字にすると転・操・滅らしいです。転(のりうつる)、操(あやつる)、滅(ほろびる)という意味があるらしく、正しくホラーって感じしますね。

松永が作った今回のオトノケのトラック、3つの要素に分解することができます。「諦めの悪い輩」~「お憑かれさまやん」のバース部分、「ハイレタハイレタ」~「痛みが重なったら」のブリッジ部分、「ココロアタマカラダ」~「メロディ、リズムに」までのフック部分の3つです。

バース部分では、キックが強めでジャージークラブの5つ打ちが前面に出されてます。それに海外でピクミンの声みたいと話題になってる音が裏に入っており、不気味さを演出。正にオトノケがリスナーに乗り移る部分がバース部分です。

そして次にやってくるのがブリッジの部分。バースとは打って変わってギター主体のメロウな雰囲気に。ここで聴いてる身としては「おや?不気味な感じで通さないんだ」と意外性に面食らう人もいるかも。その時点で、我々は既にオトノケに操られてるのです。

最後にトドメのフックです。ギターが爽やか且つオシャレなメロディを奏で、バッキングは少し哀愁漂うようなそんなイメージ、そして疾走感あふれるジャージークラブのキック。すべてが絶妙にかみ合わさって何とも言えない快楽を味わえます。オトノケによって身を滅ぼされると言っても過言ではない。もう抜け出せないですここまで来たら。

テン・ソウ・メツでリスナーに取り憑くDJ松永、彼が本当の「オトノケ」なのでは…?

3 リリックから見えてくるCreepy Nutsの音楽観

何度だって生きるお前や君の中
瞼の裏や耳の中
胸の奥に居着いてるメロディー、リズムに

オトノケ 歌詞 Creepy Nuts TVアニメ「ダンダダン」オープニングテーマ ふりがな付 - うたてん

ここのリリック、多分今まで人生で聴いてきたどんな歌詞よりも好きで、共感してるリリックです。
自分は日常的に音楽に支えられて生きている人間です。正に音楽に「取り憑かれた」かのような人間。そんな自分にとってこのリリックは、解釈完全一致と言いますか、図星を言い当てられたと言いますか、そんな気持ちになりました。
まるでオトノケが自分に対して「お前が生きている限り俺のメロディ、リズムはお前の中で生きているぞ」と言っているような感覚です。

この曲を聞いて自分少し想像してしまいました。Creepy Nutsがこの世から無くなった時の事を。
アーティストはいついなくなるか分からない。解散するかもしれないし、活動をやめるかもしれない、或いは亡くなるかもれない…。すべてのコンテンツにはいずれ終わりがやってきます。しかし、例え本人たちがいなくなっても、「オトノケ」を含めた音楽は世に出された瞬間から永遠に生きる。CDやMV、mp4やwavなどの音声ファイル、サブスクなど姿かたちを変えて生きる。そして、リスナーの耳や目からその人の中でも生きる。

このように誰かの心に何度でも何度でも生きる楽曲を生み続けていく。それがCreepy Nutsの音楽観ではないでしょうか。



ここまでご覧いただきありがとうございます!
自分がずっと思っていたことをなるべく読みづらくない文量で書いたつもりですが、いかがでしたでしょうか?(長かったらすいません…。)
Creepy Nutsの新曲にして、個人的に一番好きな曲に躍り出るかもしれないそんな一曲を紹介しました。
皆さんも取り憑かれましょう!!!()


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