今回のロンドンは15年前、バックパッカーで放浪していた時の事を時折思い出します。当時2人の友人がイギリスの学校へ通っていたという事もあり旅のスタートの国でした。
1人はファッションデザイナーを目指す友人がロンドンのセントラル・セント・マーチンズと言う大学でファッションの勉強をしていて、
もう1人はタイタニックが出航した街として知られるサザンプトンの船の学校へ通っていました。
現地ついてから友人に連絡して遊びに行ってやろうと、突然に近い感じで遊びに行き、
その後は大阪の家具ブランドgrafがロンドンのデザインウイークに展示会をするという事で現地の作業のお手伝いさせてもらったりもしました。
それからヨーロッパをユーレイルパス
(日本で言う新幹線からローカル線までを所定のエリアで所定期間、乗り放題のパス)
で気ままにまわりました。
例えば、ドイツではユースホステルにあった『地球の歩き方』と言う本で開いたページへ行こうと決めて、開いたページの場所が始発から乗り継いでギリギリ終電といった事もあったり。
そこはリューデスハイムと言う小さな街でしたが、たまたまワインの収穫祭があり、良い思い出になりました。
フランスのニースでは気に入ってしまって一日滞在のつもりが一週間程過ごしてしまったり。(笑)
何処にいる時も空気感は感じて来たつもりです。
僕は、外的見解に対してはブランド志向や理論派ではありませんし、万人が知っていたり、理解出来る要素に対しては狭く浅く派なのですが、非言語的要素、空気感は理屈が足らない分、意識はしているつもりです。
今は亡き、僕の数少ない建築家の恩師に出発前に良い言葉をもらいました。
「建築に向き合う時に写真を撮って満足していたらいけない、建築を感じろと。街や人の空気感も感じろ」と。
言い換えれば、
「写真でも言葉でも表せないない部分に注目しろ」と。
当時モヤモヤしていた状況がスカッと晴れましたし、ずっと問い続ける事となる言葉です。今も心に刻まれていますし、糧になっています。
僕はプロジェクトを理論やノーレッジで責めないタイプな分、芯にこの言葉があるので自分なりにブレずにやれてこれている気がします。
恩師 橋本健二さんありがとうございます。