おすすめnote詩「東京36.0」
まずは形式的な点からこの詩の感想を書いていきたい。自分は専門家ではないので、まずはネットで拾い読み。
定型詩「音数に一定の形式やリズムをもつ詩」
自由詩「音数に一定の形式がない詩」
散文詩「散文形式で書かれた詩」
ということなので、この詩は「散文詩」ということになるのではないかと思います。
一連目。ここは導入にあたる部分であり、この詩の背景が書かれている。おそらく時期は「夏」で、また主人公は高校を卒業してからそれほど年数が経っていないのではないだろうか、ということが連想されます。
二連目~四連目。ここでは「選んできたもの」に対する後悔や諦めなどが書かれています。
少し言葉に焦点をあてます。「白いTシャツ」「塩素の匂い」「僕たち」「大人」「大人のフリ」「呆れたように笑った」これらの言葉、どこかしら青春だったり、失われていったものだったりを思い起こさせるのはどうしてなんでしょう。言葉のイメージの不思議さ。多くの人が共通に持つイメージ。それらの言葉の配置によって、この詩がどこか切ない、失われつつあるもの、人生におけるどうしようもないもの、どちらにしてもここに辿りつかざるを得なかったこと、誰のせいでもないこと、そういうイメージが作られているのだと思います。
最終連。「なんだか東京にいるみたいだ」に主人公の気持ちがよく現れています。二連目~四連目までの葛藤を一言で言い表しているのだと思います。
と、勝手に「東京で夢見る若者」を想像してますがどうなんでしょうか。
東京。学生の頃、夢もない頃はただの汚い街だった。ずいぶんと歳をとり、まだ人生をやり直せるんじゃないかと思って夢を持つようになってから行く「東京」は確かに魅力的だと今さらながら思ってます。
歩けば誰もかれもが自分と同じように夢を追ってるように見えてくる。あいつには勝ってる、あいつには負けてる、という意味のない比較、不安と焦り。本当にこのままでいいのだろうか、という葛藤。今日も東京は暑そうですね。あ、来週、東京に行くんだった。
今日のメモ↓