おすすめnote詩「未知の方角へ」

詩に取組む姿勢、詩に対する考え方、と同時に「きみ」に対する賛美が語られているのだと思いました。

全体は五連構成だと思われます。一連目から五連目まで理路整然とそれぞれの連が意味を持って配置されています。言い換えると、導入があり具体例がいくつか並べられ、小まとめ。最終連で、一連目をひっくり返えします。それゆえに最終連が強調され、ここがこの詩の核かな、と思いました。

一連目が導入であり、またある意味で結論でもあるように読みました。詩を書くうえで大切なのは「どれだけ世界を新しく見ることが出来るか」と言うのが二連目から三連目にかけて書かれていますが、なかなかそうは見ることが出来ない。だから「結局辿りついてしまうから/わたしは臆病なままだ」という事になる。

でも、それを覆すことが出来るのが「きみ」なのだと思います。では「きみ」はどんな凄いことをするのでしょう。日常ではおいそれと見ることの出来ない特別なものでしょうか、「すみかを転々」としたり「旅するように生きて」などのように主人公が時間をかけたり、苦労して手に入れてきたようなものでしょうか。ちがいます。「きみ」は笑えばいいのです。その笑顔は主人公にとって「見たことのない角度で笑う」ことであり、そのことで「世界はあたらしい」ように見えるのではないでしょうか。


ところで、言われてみると最近「迷子」になっていないなあと思いました。どこか知らない街に行っても心のどこかで「辿り着ける」という余裕があります。ああ、海外の出張先でひとり、レンタカーで真夜中の移動中にカーナビが壊れたときの不安感。どこに向えばいいのかわからなかったことがありました。あれは「迷子」に近かったかもしれないなあ。


今日のメモ ↓

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