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MOGANA 【京都の新しいホテル】

 MOGANAもがな は京都市地下鉄二条城前駅と烏丸御池駅の中間、御池通りから小川通りを南に入ったところにあるホテルです。2018年12月にオープンし、私は2020年10月に宿泊しました。

 緑で目隠しされた静かな入り口です。MOGANA の名前を知らないと通り過ぎてしまいそうです。

 間口は狭いのですが…

 奥行きのある8階建ての建物です。


 入り口をくぐって振り返ると竹と盆栽で作られたお庭になっていました。


 自動扉の右側にカウンターがあり、予約していることを伝えると奥の待合スペースに通されます。2階までの吹き抜けには大きなスクリーンがあり、京都を紹介するビデオが流れています。
 しばらくすると係りの人がやってきて、ここでチェックインの手続きをします。チェックイン時刻は15時、チェックアウト時刻は高級ホテルと同じ12時です。室内でゆっくりと過ごせそうです。


 本棚にはファッションやアート関係の本が並べられており、左側通路を奥に向かうと客室階へのエレベーターがあります。この通路、最初に見た時は照明による目の錯覚かと思ったのですが、天井と左側の壁が実際に波打つように作られていました。通路の床はスチール製で、砂利道を歩くような不安定感をわずかに感じます。


デラックスバルコニールーム

 宿泊したのは広さ50㎡のデラックスバルコニールームです。小川通りに面した西向きの部屋で、私が入った時は部屋が太陽に照らされていました。
 ベッドから窓側の床は木で作られており、部屋履きに履き替えます。


 窓側にはソファーとテーブルがあり、右奥がお風呂になっています。天井は間接照明になるようデザインされています。


 テーブルには、青紫色の南部鉄器と山中漆器の茶器セット。この時は秋でした。色づいた葉っぱで もてなしてもらえました。


お風呂と洗面台

 部屋の右奥にあったお風呂はアフリカのジンバブエから持ってきたという黒御影石で作られています。オーナーご主人の こだわり だそうです。ホテルの人から「石も温めるようにお湯を熱めに入れてください」と説明がありました。

 写真では少し色が薄くてわかりにくいかもしれませんが、シャンプーやハンドソープはパリのオーガニックブランド SHIGETA です。ホテルの説明では、SHIGETA にはこれまでホテル向けアメニティは無かったのですが、MOGANA が何度も交渉してやっと作ってもらったということです。こちらはオーナーの奥様の こだわり ということでした。

他にもこだわりが…

 コーヒーのドリップセットも用意されています。京都のスペシャリティコーヒー専門店 AMANO COFFEE ROASTERS のコーヒーです。


 ほかにも、いろいろとこだわりの品々が用意されていました。

 でも、あらためてこの部屋を見渡すと何か足りないものが……。テレビがないのです。他のホテルだとベッドで横になった時に見えるように、ベッドの前に壁掛け式のテレビを置くと思うのですが、この部屋にはありませんでした。その代わりに、部屋の端に置かれていた iPhone とスピーカー で静かな音楽を流していました。
 ウェルカムドリンクをいただこうと2階のカウンターに行ってみました。オーナーの奥様が対応してくださいましたので、そのあたりを聞いてみたところ、デザイナーさんが MOGANA の部屋の雰囲気にテレビはあわないとしてつけなかったそうです。

 部屋の端に置かれていた iPhone で室内の温度調節ができます。また、ベッドの枕元にあったタブレットでフロントと連絡できるようになっていました。


朝食はお部屋でいただきます

 朝食はお部屋でいただきました。パンにジャムやはちみつ、バター、岩塩、オリーブオイルが用意され、コーヒーと紅茶の両方を持ってきてもらえました。半熟たまごがのせられたクミンが入ったトマトペーストはシャクシュカと呼ばれるイスラエル料理。食材は淡路島から取り寄せているそうです。
 聞くと 「和食もありますが、初めてのお客様にはまず洋食を食べてもらうようお勧めしています」 ということでした。
 ちょっと量が多いように感じたのですが、チェックアウトは12時。ゆっくりと食事していたらいつの間にか平らげていました。




昨年の KYOTOGRAPHIE 2022

 宿泊したときに、KYOTOGRAPHIE (京都国際写真祭)に参加していると聞いたものですから、一年半後の昨年2022年4月に京都へ寄った際にMOGANA にも来てみました。そのときは 高木直之さんの 祈り、Pray というお寺などを撮った作品が展示されていました。待合スペースの大きなスクリーンには作品に関連する映像が流れていました。この時はちょうど、お寺の屋根を支える肘木が映ったところだと思います。

 1階の突き当りは会議室としても使用できるイベントルームがあります。ここにも高木直之さんの写真が展示されていました。やはり、色鮮やかな肘木や屋根と柱の構造が映った写真だったように記憶しています。


 2階のバーカウンターです。ここの壁にも作品がありました。また、写真の右側奥は吹き抜けにつながっており、上からもスクリーンの映像を見ることもできます。
(今年2023年の KYOTOGRAPHIE ですが、私は京都へ行く機会がなく見ることができませんでしたので、ウェブサイトで会場リストを確認したのですが、 MOGANA の名前は見つかりませんでした。ちょっと残念)


アクセス

MOGANA 周辺の概略図


 京都市地下鉄の二条城前駅と烏丸御池駅の間にあり、どちらからも徒歩6、7分になります。距離的には二条城前駅の方が少し近いようですが、大きい交差点で待たされるかもしれません。御池通りは南北の通りの名前がはっきりと表示されています。どちらの駅からでも小川通りの標識があるところで南方向へ曲がってください。少し歩くと左手に冒頭写真の入り口があります。探してみてください。

 部屋に滞在できるのが15時から翌日の12時まで。テレビはないのですが、ホテルのこだわりが多く、黒御影石のお風呂に入ったり、ベッドの上で寝そべったりしながら、そのこだわりを楽しんで部屋の中でゆっくりと過ごすのも良さそうです。次に MOGANA に泊まるとしたら……。私なら河原町通りにある丸善本店で本を2、3冊購入してからホテルにチェックインし、じっくりとその本を読んでいたいと思います。私が宿泊した当時は夕食が無く、一度は外出しなければなりませんでしたが、最近ではディナーを部屋に用意してもらえるオプションもあるようです。一日ぐらい京都でお籠もりしてもいいかもしれません。



 テーブルの茶器セットの横にあった袋。「友永」と書いてあります。何かわからずそのままにしておいたら、朝食を持ってきた係りの人が教えてくれました。「私たちのおすすめのお菓子なのでぜひ食べてください」というので開けてみました。


 餡子を砂糖で固めたお菓子でした。旅館だとお饅頭が器に置かれているのが定番ですが、京都だとこのような おしゃれなお菓子になるのですね。これも MOGANA の こだわり のようです。係りの人はお店も紹介してくれました。

 そこで…

 そのお店、亀屋友永へ行ってみました。地下鉄丸太町駅から京都府庁方向にあります。

 玄関を入ると目の前にお店の商品が並べられていました。値段はもちろんこの写真を撮った2020年10月当時のものです。今いくらになっているかは実際にお店で確かめてください。

 ホテルのお茶菓子に出してもらったことを話すと、たぶん「三色松露しょうろ」ではないかとのこと。袋に小分けすることもできるというのでおみやげ用に数袋お願いしました。
 入り口左側には縁側のようなスペースもありました。

 その横に「松露」の看板が…。壁に埋め込まれた六角形の飾りも気になります。これも聞いてみたところ、お菓子の型を集めて壁に埋め込んだということです。私はもったいないと思ったのですが、「もう使わないから」と言ってました。このお店の歴史が埋め込まれたアートと考えれば すばらしい作品ですし、このような形にしておけば長い間ずっと残すことができるとも考えられます。でもやはり、埋め込んでしまうとは…、思い切りがいい。(お店の人の了承を得て、カメラに収めました)


※MOGANA宿泊と亀屋友永は2020年10月
 KYOTOGRAPHIE 2022 は2022年4月
※MOGANA は古語の「~もがな」、~だったらいいな という意味の言葉から取ったということです。

(2023年7月5日)

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