三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺【京都の新しいホテル】
阪急京都線の京都河原町駅近くに三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺があります。京都高島屋と同じブロックの寺町通り沿いに位置します。ですので、寺町京極アーケードの南側と覚えておくとわかりやすいかもしれません。
浄教寺の敷地内にホテルが建てられ、その一部が新しいお寺になっています。浄教寺はもともと平清盛の長男、平重盛が建立した鐙籠堂。移転していく過程でお寺として再興され、今に続いているということです。
京都高島屋の四条通り側の出口から通りに沿って歩いていくと反対側の2番目のアーケード寺町京極が目印になります。歩いている側には藤井大丸があり、その手前で左に曲がります。藤井大丸の前を通ったら行き過ぎと思って引き返してください。
寺町通りには駐車場への道路やファミマがあり、その先に写真のようなホテルの看板があります。写真の右側奥には小さいですが「おにぎり」ののぼり旗が見えます。「まんぷくおにぎり米都」というおにぎり屋さんで、そこまで行ってしまうと行き過ぎです。
お寺の石碑もありますので確認できると思います。奥にはお寺とホテルが一緒になった建物があります。
ホテルの玄関です。
玄関の先にお寺があります。チェックインの時には閉められていました。
ホテル玄関の反対側に鐙籠があります。浄教寺の由来になった鐙籠を示しているようです。お寺の正式名称は 多聞山 鐙籠堂 浄教寺 です。
さらに鐙籠のお寺側には「平重盛の碑」が見えました。
ホテル玄関を入ると通路の先にロビーがあります。
ロビーには毛筆によるアートが掲げられていました。墨象作家の宮村弦さんの作品ということです。
手前にはお寺が所蔵する木鼻も飾られていました。
ロビーへの通路には小窓があります。この時はカーテンで遮られていたのですが、カーテンが開いていればそこからお寺の本堂が見えるということです。
ロビーの先にチェックイン機とカウンターがあります。チエックイン時刻は15時で、その直後は機械式がストップされ、並んだ順番にフロントカウンターで対応していました。私は前日に送られてきた宿泊確認メールに従って事前のQRチェックイン手続きをしていたのですが、特に優先されることはありませんでした。いったん外出して戻ってきたときにはチェックイン機が動いていましたので、チェックインが始まった直後は混乱を避けるためにカウンター対応に統一していたのかもしれません。
なお、チェックアウト時刻は11時です。
モデレートツイン
宿泊したのは広さ24㎡のモデレートツインです。障子は開くのですが、その向こう側のガラス窓は開きません。私は部屋の中を明るくしたいほうなのですが、窓の向こう側にはお寺のお墓が見えて気になったので障子はそのまま閉めておきました。
部屋の中には円柱を変形した形の置物があります。手水をイメージした洗面台でした。部屋の広さを有効に使うための工夫なのでしょうが、水回りがちょっとベッドに近いかも…。
バスタブは無く、シャワールームだけです。洗面台がベッドの近くだったのもシャワールームとトイレなどとの位置関係がありそうです。2階に大浴場があるので、お湯につかりたい場合は利用してくださいということでした。このホテルの場合、ほとんどの部屋がシャワーのみでした。
朝食は2階の僧伽小野で…
朝食会場は2階の僧伽小野です。三種類から選ぶ形です。紫雲が僧伽ちらしと冷やし蕎麦、光明が鯛と野菜天ぷらのお茶漬け、青蓮が鰻料理です。私は光明を選び、野菜天ぷらはそのまま食べ、鯛はお茶漬けにしていただきました。
僧伽小野はミシュランガイドに掲載されたことがある福岡の有名なレストランで、その2号店としてオープンしました。
食事の前に出てきたお茶は「目覚めの煎茶」です。京都のお茶かと思ったのですが、そうではなく、全国から季節によって良いお茶を厳選するということで、この時は静岡のお茶でした。
京都市観光協会のオフィシャルサイト 京都観光Naviによると、鐙籠堂は平重盛が東山小松谷の邸内に建てたもので、平家滅亡後しばらくしてから東洞院松原に移され浄教寺として再興されました。その後豊臣秀吉による洛中寺院の地所整理で現在の寺町通りに落ち着いたということです。
宿泊者限定で浄教寺の朝のお勤めや本堂見学に参加できますが、開催日が決められているうえ、直前に中止されることもあります。私は2022年3月に宿泊しました。事前にウェブサイトを確認して参加できる日に宿泊を調整したのですが、チェックイン手続きしている時に係の方から中止になったと伝えられました。事前の説明でそうなることがあるとわかってはいたのですが…、やはり残念でした。
なお、ホテルがオープンしたのは2020年9月でした。
このようにお寺の敷地にホテルを建設する動きは他にもあります。
京都ではなく大阪になりますが、今日(5月17日)朝7時のNHKテレビニュースでは大阪・心斎橋近くの御堂筋に面している三津寺が敷地内にホテルを建設し、その安定した地代を見込んで本堂を修復していると報道していました。完成予想図を見るとお寺を包み込むようにホテルが被っているような作りで、お寺の修復工事とホテルの建設工事が同時進行しているようです。
やはり大阪で御堂筋に面している南御堂(真宗大谷派難波別院)は御堂筋側に山門のような建物を作り、上層階を大阪エクセルホテル東急としています。(2019年11月オープン)
もともと御堂会館があった場所に新しく建設され、写真の右側(北側)にその御堂会館と1階の半分にスターバックスが入り、左側(南側)にホテルの入り口や駐車場、その他の店舗があります(写真は2021年11月)。
真宗大谷派は京都の東本願寺で、南御堂はその難波別院です。大きなお寺でさえこのような多角経営を考えるのですから、規模が小さいお寺はさらにいろいろと考えなければならない時代になっているようです。
NHKニュースでは三津寺の住職さんがインタビューに応えていました。そのなかで印象に残っているのが、檀家の人たちの収入が減っている中で、天井がたわんでしまった本堂の修復費用数億円をお寺から一方的に寄進として求めることはできないという話しでした。
私としてはできたホテルを利用することでしか協力できないのですが、清潔で便利なホテルであればぜひ利用してみたいと思っています。そして、できれば三津寺を見学させてもらえないかな……と期待しています。
(2023年5月17日)
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