見出し画像

nol kyoto sanjo 【京都の新しいホテル】

 京都市営地下鉄 烏丸御池駅に近い nol kyoto sanjo は、京都・伏見の日本酒造「キンシ正宗」が販売所として使っていた京町家を活かすようにアーティストたちへ依頼して作られたホテルです。
 フロントでチェックイン手続きすると、最後に「お風呂には檜葉ひばが乾燥して割れないように少し水を張っています。その水を抜いてからお湯を溜めてください」と説明があります。
 檜葉風呂もこのホテルの楽しみの一つです。

 手前の建物がフロントのあるリノベーションされた2階建て。後ろが宿泊棟の5階建ての建物です。壁が黒く際立っており、周りの建物とは違うことが遠くからでもわかります。2階の壁に右側から書かれている「キンシ正宗」の看板も目印に。さらに暖簾には「nol」の文字があります。ホテル名を大きな文字の看板にはしていませんが、この暖簾で目的のホテルであると確信できます。
 ちなみに nol とは、 naturally(自分らしく、自然体で)、ordinarily(普段通り、暮らすように過ごし)、locally(その土地の日常に触れる)の頭文字を合わせたもの。「自分らしく、普段通りに、その地域を楽しめるホテル」を目指して nol kyoto sanjo をホテル名にしたとありました。
 開業は2020年11月。私は昨年2022年の6月と8月に宿泊しました。


 説明の順番が逆になってしまいましたが、フロントは暖簾の入り口を入って右側になります。そして左側には写真のような宿泊者専用の「町屋ラウンジ」がありました。奥には日本酒のサーバーとコーヒーメーカーが置かれています。キンシ正宗の日本酒と、京都・長岡に本店があるコーヒーロースター「Unirウニール」のコーヒーです。日本酒は6〜7種類あり、飲み比べできるように準備されていました。他にソフトドリンクやおつまみも用意され、ご自由にどうぞということです。私が宿泊した当時は部屋に持ち帰って飲食する形でした。


 宿泊棟の水を張った中庭には、日本では八丈島だけで生産されているというシェフレラの木が植えられていました。台湾、中国南部を原産とする常緑樹で、風水上、人の気持ちを落ち着かせる作用があると言われているそうです。この目の前にエレベーターがあり、部屋に向かいます。


Hibaburo Deluxe

 広さ39㎡の Hibaburo Deluxe です。宿泊棟は5階まであり、この時は4階の部屋に泊まりました。このあたりは隣の住居などが近いのではないかと心配していたのですが、この高さだと陽が遮られることが少なく明るい印象でした。

 右側の壁に作られている細長いテーブルは奥のソファーの位置で畳める仕組みになっています。ソファーが3人目のベッドになるようです。

 洗面台のほかに水道とシンクがありました。高い位置に電子レンジも用意されており、ミニキッチンとして利用できます。

 食器類だけでなく、IHクッキングヒーターも用意されています。デパ地下やコンビニで買ったお惣菜を温め直して、食器に盛り付けるだけでも気分は変わってくると思います。もし、包丁が必要であれば、お願いすれば持ってきてもらえるようです(数に限りがあるそうです)。


 洗面台の奥に檜葉風呂がありました。洗い場でシャワーも使えます。

 ドアを開けると檜葉のいい匂いがします。水は数センチだけ張ってあり、写真でも底が濡れているのがわかると思います。これだけでも割れを防止できるのですね。


 洗面台とその奥のお風呂を2枚のスライドドアで仕切ることができます。また、左側奥にはドラム式の洗濯・乾燥機があり、スライドドアを移動すると現れます。

朝食は…

 ホテルにレストランはありません。朝食を部屋で食べるか、外に出かけるかになります。私は朝食を仕出しで用意してもらえるサービスを利用しました。

 仕出しにはサンドイッチやお弁当を頼んでもらえます。どの朝食を選ぶかで宿泊プランが別れており、予約の段階で選ぶ形になります。私は湯葉丼とおばんざいのセットをお願いしました。原則として朝にフロントへ取りに行くのですが、この湯葉丼は重くて運ぶのが大変なのか、部屋まで持ってきてもらえました。
 なお、現在の予約ページを見ると、朝食付きプランの無い日が結構あるようです。予約限定数がはけてしまったのかもしれませんし、その日にサービスを休止しているのかもしれません。早めにウェブサイトを確認してください。


イノダコーヒ本店が近くにあります。


 別の日、私が朝食のため外出した時にホテルのすぐ前から撮った写真です。横切っている道路が三条通り、その先にイノダコーヒ本店が見えます。すぐそこの距離です。イノダコーヒでは朝の時間帯に「京の朝食」というクロワッサンのモーニングセットがあり、他にトーストやサンドイッチなども用意されています。


 ここが三条通りとの角です。屋根から吊り下げられている提灯が目印のそば屋「大鶴」です。朝食はやっていませんが、朝早くイノダコーヒへ向かおうとここを通ると、出汁を取っているいい匂いがしてきます。お昼もこの近くに用事があれば、ぜひ立ち寄りたいお店です。

アクセス

周辺の概要


 最寄り駅は市営地下鉄 烏丸御池駅で、公式ウェブサイトによると徒歩5分の場所にホテルがあります。
 烏丸御池駅は地下鉄烏丸線の京都駅寄りの改札がショッピングビルの新風館に地下でつながっており、新風館のエスカレーターやエレベーターで地上へ上ることができます。
 新風館の北側を通る姉小路通りを鴨川方面(東方向)へ向かい、2ブロック先を右に曲がると nol kyoto sanjo へ着きます。ただ、このルートは目印が少ないので、私は南側の三条通りのルートを利用しました。

 新風館のショッピングモールを抜けて右側(南側)へ曲がると左手に郵便局があります。趣のある中京郵便局です。その角の東西の道路が三条通りです。左(東方向)に曲がると今度は左手に赤レンガ造りの建物が見えてきます。いまは京都文化博物館別館として使われている旧日本銀行京都支店で、国の重要文化財に指定されています。その先にフランスの有名パン店 PAULの京都三条店もあります。そこからさらに1ブロック先、そば屋の大鶴の角を左(北側)に曲がると nol kyoto sanjo に到着します。少し遠回りになりますが、こちらの方がわかりやすいでしょう。

六角通りにも近いホテル

 三条通りのさらに南側の六角通りには面白そうなお店があります。スポーツ用品のコロンビアやザ・ノース・フェイスは京町家風の店舗を構えていますし、梅酒のチョーヤが体験専門のお店を出しています。その先は寺町通り、新京極につながっています。このあたりを散策する拠点としてホテルを利用するのも面白いと思います。


チェックアウトは12時まで

 nol kyoto sanjo を運営しているのは 東急不動産系の東急リゾーツ&ステイ です。東急ステイは、ここと同じように部屋の中に電子レンジや洗濯乾燥機を備えたレジデンスタイプのホテルチェーンです。
 チェックイン時刻は15時、チェックアウト時刻が12時です。12時まで部屋を利用できるのは高級ホテルと同じ。私は朝早く外出してお寺を巡ることがあり、その後で少しゆっくりしたいという時にはありがたい時間設定です。
 一方で、標準的な宿泊プランだと宿泊日の7日前からキャンセル料がかかります。私の場合、直前のスケジュール変更が多く、約1週間前に旅行スケジュールを確定させるのが難しいため、なかなか予約に踏み切れませんでした。2020年の早い時期にこのホテルのことがわかっていて泊まってみたかったのですが、実際に宿泊できたのは昨年2022年になってしまったのは、このあたりの事情がありました。

(2023年5月3日)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?