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#YourChoiceProject 男性メンバー座談会 前編

 こんにちは。ライターのたけです。
 #YourChoiceProjectは多くは女性メンバーによって運営されている団体ですが、男性もこの団体で活動をしています。今回の記事では、彼らがどんなことを考えて#YCPの活動をしているのか、親睦を深める意味も含めてオンラインで対談してみました。
 会話形式ならではの面白さを感じながら、彼らがどんなことを考えているのかが伝わったら嬉しいです。

メンバー

たけ…東京大学理科一類2年
S…東京大学理学部4年
やまこう...東京大学文科三類2年
しおん…東京外国語大学国際社会学部1年

大学入学時代から地方女子の問題を知っていた?

S…僕はこの問題は全く知らなくて、というのは僕の出身が関係しているんだけど。僕は東京出身で、中高も私立中高一貫男子校だから、何もこの問題に関係していないんだよね。むしろ真逆の状況で、本当にジェンダーには興味を持たなかった高校時代だったので、当然この問題は知らなかった。この問題を知ったきっかけは、この団体に入った経緯にもつながるんだけど、大学一年のとき、当時から#YCPのメンバーだった古賀さんと同級生だったんだよね。で、古賀さんと話しているうちに、彼女が「こういう団体に入ってるよ」みたいな話をしてて。当時は自分もそこに入るとは思ってなかったけれど、改めて話をした時に募集しているみたいな話を聞いて。自分が教員志望ということもあって、もともと教育系に興味があったんだよね。

やまこう...そうなんですか?知らなかったそれは。逆に知ってた?たけ君とか。

たけ...HPに書いてある情報ではあったね。

S…え、僕やまこうに話したことあるよ。

やまこう...すみません、記憶力が終わっているだけですね笑。

たけ...教員志望であることとこの問題にどういう関連性を見つけてここに入った感じなんですか。

S…いや、当時の僕は教育系って言葉に飛び付いただけなんで、深い理由は特になかったね。

たけ...古賀さんとこの団体について話したのはどういう経緯なんですか?いつ頃その話をしたんですか?

S…よく覚えてないんだけど、一年生のとき同じクラスに他にもこういう団体に入っている人が数人いたから、その流れでジェンダー系の話になったんだと思う。

やまこう...勝手なイメージで、理系の人たちってそういうジェンダー系・社会学系の方面に興味を抱く人って少ないかなって思ってたんですけど、割とそういう人たちがいたんですね。

S…僕の周りだとね。でもたまたまかも。実際、そういう活動に参加する学生は理系の方が少ないってのは体感で合ってると思う。

たけ...それは悲しいなぁ。理系からジェンダーギャップを考える話もしてみたいんだけど。

やまこう...多様性確保のためにね、絶対いた方がいいんだけど。なかなか入ってこないよねぇ。

たけ...割と理系に女子少ないのがマンネリ化しちゃって、理系の女子たち本人も「うん」って感じなところもあったりする。

やまこう...当事者がその問題を「そういうもんだよね」みたいな感じで受け入れちゃってるみたいなのも聞きますね。

たけ...そんなに意識している人がいたのは「おお〜」って感じかもです。理系的には。
 しおんさんはどんな感じです?

しおん…そうですね、難関大の女子比率に関しては正直認識はしてなかったですね。

たけ...いつ頃から認識するようになったんですか?

しおん…川崎さん(※#YCP代表)のシンポジウムで気づいたって感じで。

たけ...そこで初めて気づいた感じなんですか?

しおん…自分の大学は7割女子なので、かつ自分が知ってる東大の友達も地方女子(#YCPでは「地方」を一都三県を除く地域と定義し、「東京の大学に実家から通えないこと」を意味しています。)という感じなんですよね。つまりは自分の接してきた友達がそういう境遇に当てはまっていなかったので、その事実を認識する機会がなかったというか。
 私は元々ジェンダー全般に興味があったんですね。それで教育というのもジェンダーギャップ指数の分野の一つですから見てみたんですけれども、2023年まではそこまで低い順位ではなかったんですよね。でも2024年くらいから急に高等教育の順位が下がったんです。

たけ...今年から急に下がったんですか?

しおん…去年は47位だったのが72位まで下がっていますね。これは日本が下がったんというよりは周りが上がったんですよね。

たけ...あぁなるほど。周りがどんどん男女共同参画を進めていった結果か。

しおん…ジェンダーギャップ指数って1がマックスじゃないですか。1を超えるとカンストするんですけど、そういう国が増えたんですよ。G7諸国と比べてもほとんどカンストしているので、周りが改善して日本が変わっていないだけなんだろうなってのもあって、見落としていたって感じです、高等教育だけが異常に低いってのは。事実中等教育までは1位ですし。そっちに目がいってしまって高等教育だけが以上に低いことを見落としていたというのは正直ありました。

たけ...確かに平均されて出るから一見すると気づかないんですよね。日本ってそれだけ遅れているんですね。それ聞いてびっくりしました。他がどんどん進んでいるのに日本だけは止まっているという......。

しおん…そうですね。まぁこの本(書籍名:共同通信社会部ジェンダー取材班編「第1章 ジェンダー・ギャップを可視化する―世界の中の日本、そして地域へ」『データから読む都道府県別ジェンダー・ギャップ あなたのまちの男女平等度は?』岩波書店、2024年)とかには詳しいことが書いてあるんですけど、だいたい2006年まではフランスとかイタリアのような国も総合の指数が日本と変わらなかったんですよ。でもそこからが政治分野でクオータ制とかを導入して今では世界トップに君臨するくらいのジェンダー平等を実現していて。一方で日本は現状維持で指数が変わっていないという現状があるんですね。

たけ...なるほど。

しおん…もうちょっというとジェンダーギャップ指数レポートって4分野あるじゃないですか。経済と政治と健康と教育。日本は政治と経済が低いのは自明だと思うんですけれども、教育はちょっと前までは高いと思われていたけど実際はそうでもない。健康は確かに高いんですよ。でも算出方法が出生時の男女比と健康寿命で求められるので、リプロダクティブ・ヘルス/ライツのような大事なところが含まれてない。なので、要は健康もいい感じだと認識してしまう錯覚に陥ってしまう仕組みになっているんですよ。こんな感じで日本がいかに進んでいないかっていうのを認識しづらい現状は教育に限らずあるんじゃないかなって思います。

たけ...大学入学時からこの問題を知っていたのか?という問いからすごい学びが......。母体保護法がいじられたら健康もひっくり返りますもんね。健康も上位を保てるか怪しいということですか。

しおん…健康も項目が変われば落ちると思いますよ。正直今の健康って我々の想像する健康とは違うので。

たけ...どんどん定義も変わっていますもんね。熱く語っていただきありがとうございます。最後にやまこうお願いします。

やまこう...大学入学時からっていう点で言うとまぁ知っていたと言うか実感はしていたというのがあって。僕は静岡県の浜松というところ出身で、バリバリの地方って感じなんですけれども、女子の方がなんか男子に比べて安全志向だなというか、体感実力で言うと東大C判かB判出そうだな、自分とも遜色なく、むしろ僕の方が負けてるかなって人が他大に流れる。その意味では知っていたと言えるんですけど、モヤッとするなぁくらいの感じで東大に入って。
 で、競馬サークルに入ろうと思ってたんだけど、競馬サークルが今ひとつしっくりこなくて、(中略。やまこうの競馬トークが1分くらい続きました。)「このままだとノンサーだな、やばいやばい」ってなってサークルを漁って、それで「地方女子か〜、あれこれって自分の違和感に一致しているんじゃないか?」という予感がして、りおんさんに話を聞きにいったと。そう言う流れになりますかね。

たけ...やまこうの周りの女子は東大でCやBとか取ってたけれどってこと?

やまこう...それは正直体感かな。一緒に同じクラスで勉強してて、「こいつの頭の回転、俺よりすごいんちゃうか」とか。客観的に指標として出てるわけではないけど。

たけ...でも普段一緒に勉強しててってことか。


今の部署にいる経緯とは

たけ...皆さん揃ってライターかPRのどっちかにしかいないんですけれど、今の部署にいる経緯についてお願いします。
 僕から行こうかな。僕は元々は「ジェンダーギャップの中にいる女子学生に直接アプローチをしたい」と思ってメンタリングコミュニティにいたんですけど、Sさんと同じく首都圏男子なこともあって、なかなか良いアプローチができないことに悩んでいた末に、やり方をシフトしようとなって社会的なアプローチをとるライターに移行した感じです。ツッコミどころのない経緯になっちゃいますけど。他のお三方どうでしょう。やまこうはずっとPRやってきたイメージあるけど。

やまこう...ああそうだね、はっきり部署の概念が確立されてない頃からいる気がするけど、ずっと対外的に何かPRしたいなというのは思ってて。この問題の難しさってそもそも地方女子が難しい状況にさらされているっていうのを社会に知ってもらうのが第一の問題としてあるわけで。貧困とか女性の社会進出とかはみんな問題だとわかっていると思うんだけど、「地方女子」って聞いて「それ問題だよね〜」って返せる人はそんないないと思うから。そこから知ってもらうために何かできることはないかと考えてましたね。その結果がSNS運用。Xやインスタなら不特定多数の人にアプローチできるとこかなと思ってずっとやらせてもらっている感じですかね。まぁツイ廃というのもありますね。

たけ...PRの裏にも深い理由が......。僕もこのくらい考えてPRコミットしたい。座談会は「ツイ廃」みたいなジョークも入れられると面白いんだけど笑。

たけ...じゃあ先月入ったばかりのしおんさんはどうでしょう。

しおん…実は元々政策提言に入りたかったんですよ。というのもジェンダーの問題は一人一人の固定観念で生じるので、より多くの理解者が増えることが解決の1番の近道であって、それをするには国が主導となって動かないとあまり変化が起きないかなと思って、具体的な制度面とかを提案したかったんですけれど、スケジュールが厳しくて、入ることができないということになりました。川崎さんといろいろ相談していたら、ライターという形式で世に発信していくのが政策提言に近いんじゃないかということで、とりあえずライターとして始めてみようかという段階です。

たけ...ライターでこんなこと書きたいなみたいなのは決まっているの?

しおん…やはりより多くの人に日本にとって最も重要な問題の一つであることを認識していただきたいので、問題の争点化に関わる記事を書きたいなぁっていうのがあります。あとジェンダーの問題で重要なのは各国との比較だと思うので、日本単体の問題として捉えたら解決できないと思うので、そういう国際的な視点も大切にして書いていきたいなとは思っています。

たけ...さっきも「大学入学時点でこの問題を知っていたのか」の質問でもすごい色々答えてくれてたし、各国との比較とかもすごい詳しく語ってくれそう。これは期待大ですね......!

しおん…ありがとうございます。尽力していきます。

たけ...最後に白倉さんお願いします。

S…んー難しいなぁ......。僕もよくわかっていないんだよなぁ。僕が入った一年生の頃は部署とか特になくて、全員がライターで全員がメンバーみたいな状態だったんだけど、その時も記事は少しだけ書いていたんだよね。その時に文章を書くのが面白いと思っていたのは確か。そんなこんな続いて、3年生の時に急に大事な仕事(※支部作成とライター統括)をやることになったんだけど、たけ君両方いたっけ?

たけ...支部作成の方にはいましたね。なかなかうまく進みませんでしたけれども。

S…そうだね。それで3年の後期に、支部作成とライター統括はやめることになって、ライターに落ち着いたって感じなんだよね。だから特に理由があったとかはあんまりないかもしれない。でも、やっぱり文章を書くのは今でも楽しいって感じてる。


まとめ(感想?)

 ところどころ雑談も混ざった座談会でしたが、真面目なところでは各々の課題意識をしっかり共有できて、私たちのやる気にも繋げることができた座談会ではないかと思います。新たに加入したしおんさんがジェンダーの領域にとても詳しく、新たな学びもありました。
 このノリの座談会は後編に続きます。後編は「男性がジェンダーギャップの問題に関わることについて」「男性がこの問題にコミットできることとは」の2テーマです。

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