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女性は2億円宝くじを手放している⁉瀬地山角先生無料講演会レポート

みなさんこんにちは。特定非営利活動法人ハッシュタグYourChoiceProjectは、2024年10月27日に、東京大学教授でジェンダー論の専門家である瀬地山角先生による講演会を開催しました! 会場は東京大学駒場キャンパス、対面とオンライン両方での実施で、全国から高校生たちが集まってくれました。
当日は、まず#YCP代表の川崎と江森による団体や著書の紹介から始まり、瀬地山先生による講演、そして現役東大女子学生による座談会・質疑応答、と続きました。地方女子高校生の抱える課題を明らかにし、彼女たちを鼓舞するとても充実した内容でした。本記事では、当日の講義内容や座談会の様子をお伝えし、参加できなかった方にもその中身をお届けします!

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なぜ地方女子は東大を目指さないのか

イベント冒頭では、#YCPの代表2人が登壇し、2024年8月に光文社新書から刊行された著書、『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』の簡潔な紹介を行いました。調査のきっかけとなった問題意識、実際の調査結果のデータを示したうえで、この本を通じて伝えたかったことを語りました。

「地方女子高校生には、本の中で取り上げられているような課題を自分たちが抱えていることをマイナスに捉えるのではなくて、まずその現状があることを知ってほしいです。そして、それらを大学進学の選択肢を増やすきっかけとしてほしいと思ってこの本を書きました。地方の女子学生の背中を推せる有益な情報を本の中に載せているので、それらも活用してほしいと思っています。また、地方女子高校生でない方に対しては、これらの課題があるということを知っていただきたいというのが一番の思いです。そして、この課題を解決するにはどうしたらいいかという議論を周りと進めていくうえで、この本をきっかけにしてもらえたらうれしいです」(川崎)

「高校生のみなさんは目先の大学受験が一番の関心事で、大学に受かることにどうしても目が行ってしまうとは思います。ですが、どの大学を受けるか選ぶ時点で人生の岐路に立っていることを自覚していただき、自分の人生についてもう少し考えるきっかけにしてもらえたらうれしいです。今自分が将来これをやりたくてこの学部に行きたいと思っていることが、本当にそれしか選択肢がないことなのかを考えて、#YCPを含む、より多くのキャリアや進学の選択肢を知ってもらうための情報発信をしている団体をたくさん利用していってほしいです。」(江森)

著書の詳しい内容については、こちらをご参照ください。

女性は宝くじを手放している⁉︎

続いて、東京大学の教授でジェンダー論を専門とされている瀬地山先生から、講演「笑って考えよう!ジェンダー論番外編~ジャンボ宝くじを確実に当てる方法!?~」を行っていただきました。この講演は、東京大学で前期教養学部生向けに毎年行われている「ジェンダー論」の授業を、高校生向けにわかりやすくしたもの。「ジェンダー論」は「東大で最も人気な授業」に選ばれたこともあるほど、好評を得ている授業です。
教授はまず、女子高校生の誰もが、「ジャンボ宝くじの2億円くらいの当たりくじを持っている。ところが、半数以上がそれをどぶに捨ててしまう」と説明します。これはいったいどういうことでしょうか。
女性が正社員として、人口30万人くらいの都市や、政令指定都市、県庁所在地などで働くとします。この場合、30代前半で年収がおよそ400万円、定年まで働けば2億円ほどを一生のうちに稼ぐことができると計算できます。
しかし、現在の日本では、男性の家事時間が女性と比べて非常に短く、出産後に女性がフルタイムで働き続けることが難しい状況です。第1子の出産後も継続して働いている女性は全体の半分ほどで、こうして就労をやめたり非正規になったりすることで、当たりくじを手放してしまっていると言うのです。
一方で、夫が家事をした場合、その家事の時給は非常に高くなります。男女の家事時間のデータを使って、男性と女性が同じだけ家事に時間を費やすとすると、1人1日3時間、年間で1000時間と推測することができます。この家事時間が女性のフルタイムでの労働を可能にすると仮定すると、夫の家事の時給は妻の年収を1000で割った数字になり、前述の400万という数字を使えば、時給は4000円ということになります。

以上が講演タイトルに沿った簡単な要約になりますが、実際の講演では、男性の家事時間が少ないことの社会的な問題点や、いくつかのCMに含まれたジェンダーステレオタイプの考察など、その他さまざまなことが語られました。

地方出身女子東大生の本音トーク

最後に、地方出身の現役東大女子学生が3人登壇し、座談会と質疑応答を行いました。
司会者からの「東大に入る前には、東京に対してどのようなイメージを持っていましたか」という質問に対して、「『東京に行ったら全員が泥棒だと思いなさい』と家族に言われていた」と回答する登壇者も。彼女は続けて、「実際にはそんなことはなかった」と否定します。他にも、「東大の進振り制度の利点」や「受験勉強はどんな感じだったか」等について語られました。
最後には、東大受験にハードルを感じたり、尻込みをしてしまうという参加者からの質問を受けて、登壇者全員から心のこもったアドバイスやメッセージが送られました。

まとめ

#YCPでは、地方女子高校生の学習やキャリア選択を助ける伴走型コミュニティ#MyChoiceProjectのほかにも、今回のような単発的なイベントも行っています。今回は参加できなかったという方も、今後のイベントに参加して、自身の進路選択やキャリアについてのイメージを更新するきっかけとしていただけるとうれしいです!

#YourChoiceProjectのホームページはこちらから↓
https://yourchoiceproject.com/

#YourChoiceProject代表著書『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』はこちらから↓
『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』

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