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セラピストの現場力を育てる一冊

前回のセラピスト向けおすすめ本の記事がなかなか反響があったので今回もおすすめ本を紹介させていただきます。

セラピストは常に勉強していかないとダメになってしまう生き物だと考えています。
なぜかというと勉強せずに今のままの知識でずっと施術していると必ず壁にぶつかり治せない患者がたくさん出てきてそれによってセラピストが病みます笑
僕はそういうタイプでしたので勉強していないと自分が潰れてしまうと思っています。
患者のためにも自分の為にも知識をつけていきましょう!

入谷誠の理学療法

伝説的な理学療法士として有名な入谷誠先生。
入谷先生亡くなられていますが生前、歩行を中心にみる治療で数多くの実績を残されてきた先生です。
特に有名なのが入谷式インソールです。入谷式インソールはスポーツ選手や芸能人など著名人の方も多く訪れたようです。

この本ですが、入谷誠先生の知識と弟子である園部俊晴先生が執筆した本になっております。

第一章

本の内容は第一章の仮説検証作業からはじまります。これはセラピストとして大切な治療概念で仮説を立てて施術をして検証する。それの繰り返しが治療であるという考え方です。

第二章


第二章はモーメントの考え方です。理学療法士の方々は馴染みがあるかもしれないですが、柔道整復師にはなかなか聞き慣れない言葉ではありますので初めて見た時はとても勉強になりました。
例えば歩行で踵がついた時どこの関節にどのような力が加わっているのかが理解できるようになります。

第三章


第三章では立位と足踏み動作の評価、足部や下肢の形態と可動域評価、筋肉の硬さと柔軟性の評価、歩行分析をわかりやすく解説しています。
この章ではここの筋肉が硬く柔軟性が低下している場合はこのような足の使い方をしているのではないかという仮説が立てられるようになります。

第四章


第四章では入谷式カウンター理論です。
下肢には骨盤、大腿骨、下腿、距骨、足根骨などがありますが動作を行う際に各関節で相反する力が働いているという考え方です。
わかりやすく言うと、膝の伸展を行う時、大腿遠位の後方移動と下腿近位の前方移動が生じているということです。
この考え方をもとに骨盤を前傾に徒手誘導し下肢に変化を与え歩行がスムーズになればそれが良好な誘導だとわかります。私自身よく患者に使うのですがびっくりするほどの変化が見られます。理解するのは難しいですが理解してしまえば素晴らしい武器となる理論だと感じています。

第五章


第五章では有名な入谷式足底板の作成方法です。
作成する前には評価が必要ですので、足底板を作るための評価もあるのが特徴です。
足底板を作る為には基本的にグラインダーが必要となるのですが、この本で紹介しているのは簡易的な入谷式足底板なのでグラインダーがなくても作成することが出来ます!
実際に作ってみて履いてもらうとこんなにも変化が出るのかとびっくりしたのを覚えています!

第六章


第六章では入谷式エクスパンディング・エクササイズについて解説しています。
エクスパンディング・エクササイズとは第四章のカウンター理論をもとに考えます。
骨盤を前傾が歩行に良い影響を及ぼした場合、骨盤を前傾にしていくようなエクササイズがエクスパンディング・エクササイズです。
患者に自宅で行えるセルフケアを指導する際にかなり使える章となっています。

第七章


第七章では入谷式皮膚誘導ついて解説しています。皮膚を誘導する事で下肢の使い方が変わり歩行がスムーズになる方法です。
誘導方向としては皮膚を上げたり下げたり横にずらしたり、引っ張ったり、押したりする事で歩行に影響を与えることが出来ます。

第八章


第八章では股関節や膝関節、足部足関節の疾患別問題点と改善方法を解説しています。
ケーススタディができるのでとても勉強になり、1〜7章の知識を駆使して改善していく解説なのでとてもわかりやすいです。

この本は私の今まで読んできた本の中でも1番衝撃を与えてくれた本です。
治療方法もそうですが、治療概念が1番心に刺さりこの考え方を基準に治療していこう思えました。

ぜひセラピストの皆様には一度は読んでほしい本です。

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