【2025年新春企画】みんなが考える! 最強の沖縄の街
さまよう蟹(94年生まれ 西原町出身)
こんな街があったらいいな……誰もが一度は空想する(かもしれない)テーマ。街歩きが好きな私は、自分が考えるだけにとどまらず(もはや考えすぎて)、他の人の理想の街も聞いてみたくなった。そこで、あなたの沖縄コラムメンバーが考える「最強の沖縄の街」を聞いてみることにした。あなたの沖縄のLINEグループで参加者を募り、12月某日に開催された忘年会でも回答を募集した。
今回は、デイリーポータルZさんのこちらの記事を参考に企画を実施した。
あなたの沖縄版のおおまかなルールは下記のとおり。
忘年会に参加した7名は紙で回答。最初は「え〜どうしよっかな〜」「全然思いつかない!」と笑いながら考えていた面々も、最後にはああでもない・こうでもないと、ごはんそっちのけで真剣な表情でスポットを選定していた。その後各自の回答用紙を回覧し、「その手があったか!」「このお店いいよね〜」と驚いたり共感したりと、それぞれの街のよいところや珍アイデアを共有し、初対面のメンバーばかりだったにもかかわらず大盛り上がりとなった。
参照元では参加者全員での投票など行なっていたが、今回はコラムメンバーがそれぞれの回答の感想などを語らう形式にした。それでは、それぞれの「最強の沖縄の街」を覗いていこう。
◆あなたの沖縄版! 最強の沖縄の街
◎さまよう蟹(94年生まれ 西原町出身)
まずは私の街から紹介。「飲食店で腹ごしらえ→本屋さんで本漁り→昼から本を読みながらはしご酒」という理想の日常を実現させられるお店を抜かりなく配置。酔い覚ましに歩ける海も無理やり入れた。また、私の実際の日常に欠かせないジャーマンケーキが調達できるよう、ジミーもしっかり導入。普段の入り浸っている街・屋富祖を街ごと取り入れることで、毎日飽きずに飲み歩きできるようにしたのがポイント。
回答を見たコラムメンバーからは、「屋富祖を入れることで、かなりの酒場を呼び込むことができるのは、画期的だと思った!」と、街ごと取り込んだアイデアを評価する声が。また、西ティ(サンエー西原シティ)については「西ティは西原大好きな蟹さんなら必ず入れるだろうと思った。」と納得の声が挙がった。「家の両端が酒関係なあたり、何よりも酒が大切なんだな、西ティより……。とにかく酒が多い。」と、心にグサッとくるご指摘も。
とまけんさんが「地上最強タウン作る自信あります!」と意気込むなど、私の回答を見たコラムメンバーは火をつけられた様子だった。
さまよう蟹さんのコラムはこちら!
◎とまけん(91年生まれ 那覇市宇栄原出身)
「パートナーがいるとして」と仮定し街を作成してくれたとまけんさん。自宅周りは1人で楽しめるスポットを、それ以外はパートナーと楽しめるスポットを配置。ミスタードーナツをこよなく愛する彼は、沖縄の海や夜景など、同店でテイクアウトした商品を楽しめるスポットを複数用意。ミスドを通して沖縄を楽しむ点が、他の回答者との視点の違いを感じさせる。
回答を見たコラムメンバーからは、「ギターとBBQ設備は、自宅じゃなくて知人宅にあるのがいいんだ。」との声が。「無限に選択肢がある中で本部の海洋博周辺が全体の2割になっている。やんばる好きなんだろうなあ。」との指摘も。実はやんばる好きだったりして?
また、この回答を見た山里晴香さんと彼との2人で熱いミスド談義が始まり、その結果山里さんはミスドを回答中に追加していた。
とまけんさんのコラムはこちら!
◎たまよ(93年生まれ 那覇市出身)
あなたの沖縄ZINE vol.2の台湾企画に参加してくださっているたまよさん。「読書、友だち、ランニング、動物とのふれあい、海」をキーワードに街を作成してくれた。自宅横にプライベートビーチを、左下にサンセットビーチを贅沢に配置。シェーキーズやブルーシール本店など、意外とグルメもしっかり選定。どのスポットも友達と一緒でも楽しく過ごせそうな場所ばかりで、心身ともに健康的な日常を満喫できそうだ。
回答を見たコラムメンバーからは、「他の街は欲望まみれだが、この街なら心も身体も健康に過ごせそう。」との声が。また、「この街に住んだらほっこりしそう! チルを感じるし、本当の最強の街はここなのかもしれない。」と、健康で文化的な街づくりを評価する声も挙がった。
たまよさんが参加しているZINEはこちら!
◎ゴクツブシ(92年生まれ 神奈川県出身)
横浜出身のゴクツブシさんは、主に「自然・静養・買い物・文化」の4軸でバランスのよい街を作成。「天然温泉アロマ」「榕樹書林」といった他の回答にはないディープなスポットが光る。特筆すべきは「RBC」(iラジオ)。自分の街では放送局がなくても勝手にテレビもラジオも放送されてるものだと私は思っていたが、彼は心配して念押しで入れたのだろうか? コラムでも熱く語るほどラジオが大好きな彼ならではの回答が微笑ましい。
回答を見たコラムメンバーからは、「海外に住んでた時も聞いていたぐらい、RBC iラジオのヘビーリスナーだと知っている。改めて、彼にとってラジオは生活での重要度が高いんだなと実感した!」「ラジオ好きすぎるだろ!」と、彼のラジオ愛を強く感じる声が続出。また、「西ティをより最強にしてくれてありがとう!」「ワーホリしていたニュージーランドでいい出会いがあったんだろうなあ。」との声も。
ゴクツブシさんのコラムはこちら!
◎鼻黒犬(93年生まれ 大阪府出身)
大阪府出身の鼻黒犬さんは、居住地の沖縄と故郷の大阪、大学時代を過ごした山口という3府県のオススメスポットを入れた街を作成。特筆すべきは「手頃な山」。登山が趣味で、やんばるに赴いて山登りを楽しむこともある彼としては、「家の近くで気楽にふらっと登れたら最高」とのこと。飲食店だらけの街で異彩を放っている。また、マクドナルドを「マクド」と表現するところに大阪人の矜持を感じさせる。
回答を見た宗利さんからは、「この回答で、自分の街に銭湯を入れ忘れたことを思い出した。県外出身者として痛恨のミス!」と何故か反省していた。他のコラムメンバーからは、「粉もんのお店があったり、『マクド』の表記などに関西人を感じる」「山に登らない人間からしたら、山に『手頃』というサイズ感の概念があることを初めて発見した。」との声が。また、「山の隣にいとまん道の駅あるのが面白いし、ここだと山の幸も海の幸も食べられていい!」と、回答者本人が想定していなかった捉え方も出た。
鼻黒犬さんのコラムはこちら!
◎山里晴香(93年生まれ 那覇市泊出身)
現在関東に住んでいる山里さんは、都内との二拠点生活を想定して街を作成した。ブロックごとにそれぞれモードを設定し、彼女が考えるこだわりスポットを配置してくれた。他の回答と違うのは、架空の腐れ縁の幼なじみの家がある点。「仲良くないが、ここぞと言うときにいいアドバイスをくれる」人を想定してるらしく、スポットだけでなく人間関係まで作り出してしまった。
忘年会では特に、架空の幼馴染の件で「そんなのアリ!?」と驚きの声が上がった。また、「おしゃれな場所ばかり取り上げてるのに、居酒屋だけ雑なのが気になる。」「さまざまな生活のモードを設定してあるあたり、そもそも街づくりがうまい。」との声が。「あなたの沖縄の拠点、ほしいよね!」と、当プロジェクトの活動拠点を設置したことを評価する声も挙がった。「仕事のことを考えなくていい!って言ったのに、仕事モードがある。お仕事が好きなんだなあ。」と、彼女の仕事愛を感じ取ったメンバーもいた。
山里晴香さんのコラムはこちら!
◎豊島鉄博(94年生まれ 那覇市小禄出身)
豊島さんは「ボクが一番リラックスできる街」を作成。リラックスのために、自宅の横にまだ見ぬ「ラーメン二郎那覇店」や、元出向先・福岡の飲み好きの憩いの場で、オリジナリティーあふれる麺類が並ぶ「つどい那覇店」を作ってしまった。また、「あの頃の」瀬長島や沖縄そば屋、「埋め立てが進んでいないカーミージー」など、昔彼が親しんだであろうスポットの数々に、開発や変化を惜しむ彼の気持ちが滲む。
忘年会にて回答用紙を配った際、「3つくらいしか書くところがないなあ。」と悩んでいた彼だったが次第に熱中し、最後には「全部入らない、どうしよう…。」と迷う様子も。由良は彼の回答を見て、開南の喫茶店「ローズルーム」を自分の回答に書き足していた。
他のコラムメンバーからは、「昔の瀬長島にはなかったであろうサウナを自宅の隣に置いているあたり、今の瀬長島にも好きなところがあるんだろうなあ。」「サウナでチルって二郎を食べて家で寝るのかな? 休日の過ごし方がわかりやすい。」との声が。
豊島鉄博さんのコラムはこちら!
◎S(92年生まれ 長崎県出身)
長崎県出身で、社会人になってからの数年間を沖縄で過ごしたというSさんは、オススメの沖縄グルメを中心に街を構成。「お惣菜のクーブイリチーを毎日食べたいから」と自宅横に天久りうぼうを配置しており、相当なクーブイリチーじょーぐーと思われる。いろんなものがそこそこ揃うりうぼうの右下に「生活用品すべてそろう」としてメインプレイスを入れているあたり、もしかして天久りうぼうはクーブイリチーの調達のみに使う可能性が…?
他のコラムメンバーからは、「コンビニの中でファミマが1番沖縄色強いイメージだから、ファミマを選んだことに納得感がある。」との声が。また、「どこのクーブイリチー・サーターアンダギーでもいいのに、特定のお店を指定しているあたり、食のこだわりが強そう。『なんでもいいや!』があまり感じられない。」とグルメに対するこだわりの強さを感じ取るメンバーも。「食べ物のお気に入りをいっぱい見つけながら、沖縄で過ごしてたんだろうなあ。」と、彼女が沖縄で過ごした時期に思いを馳せるメンバーもいた。
Sさんのコラムはこちら!
◎宗利風也(95年生まれ 東京都出身)
東京都出身で、唯一沖縄に住んだことがない宗利さんの街は「ここ以外なくていい」と豪語する自信作。高円寺という、他の回答にある屋富祖や栄町のような場所とは比べ物にならない大きさの街を丸ごと配置。右中のスーパーは「沖縄のスーパーは生鮮食品高い…安いやつがいい」とのことで、新たなチェーンの出現が待たれそう。「人の幸せをみて和みたい」「うわ、何だっけって散歩を楽しみたい」と、行くと気持ちが動くスポットがあるところもポイント。
他のコラムメンバーからは、「住んだことない割に沖縄に対する解像度が高い!」との声が挙がったが、それは彼が何度も沖縄を訪れたり、当プロジェクトなどで沖縄について触れ続けた結果なのかもしれない。また、「しょっちゅう店が潰れる場所は、いろんなお店が現れるから楽しそう。他の回答と違って変化がたくさんある街に感じる。」「スーパーのコメントを読むと、宗利さんが沖縄に住む日も近いように感じる。」との声も。
宗利風也さんのコラムはこちら!
◎西由良(94年生まれ 那覇市首里出身)
現在東京で暮らしている由良は、県外の店舗を取り入れるだけでなく、まさかの国外の土地ごと引っ張ってくるという大胆さを見せた。他の回答者は街中に自然を取り入れる際に公園・緑地などを思いつくことが多かった印象だが、彼女は留学経験のある北欧国の森ごと導入。さらになぜか「かなこの家」(かなこ=さまよう蟹)まで設置してくれた。私は彼女の街では北欧生活を楽しむことができるらしい。地球規模で好きな場所を考えるという視野の広さが、他の回答にはない味を出している。
他のコラムメンバーからは、「由良さんの回答を見ずに自分の回答を書いたが、やはり銭湯はほしいよね!」と銭湯を設置したことに共感する声がちらほら。また、「これまで何度も学童の話を聞いてきたが、これほどまでに好きな場所だとは思わなかった」「みんなサンエーを入れているのにコープを入れていて、首里の人間だなあと感じた。」との声も。
西由良さんのコラムはこちら!
◆みんなで考えよう! 最強の沖縄の街
2025年最初にこの企画を投稿したのは、読者の皆さんはじめ、ぜひ多くの方にも「最強の沖縄の街」を考え披露してほしいからだ。今度の三連休、または新年会で知人・友人と会った際、余興としてぜひこの企画を行なってみてはいかがだろうか? 生まれた年や場所、ライフステージなどが違えば、今回の我々の回答内容とは違うスポット・アイデアが出てくるかもしれない。どんな団体でやっても盛り上がること間違いなし!
ぜひ、下にある白地図をコピー・共有して、皆さんで楽しんでほしい。そして、SNSにて「#あなたの沖縄」のハッシュタグを付けて披露してくださるとさらに嬉しい。
可能性は無限大!多くの皆さんのご参加をお待ちしております!