見出し画像

道徳:モラルジレンマの授業はこうする!

 今回のテーマは「モラルジレンマ」を扱った内容に関してです。私なりにモラルジレンマについて学んだ内容を個人的見解を付け加えながら執筆していこうかなと思います。何か参考になる部分があれば幸いです。

①モラルジレンマとは?

 モラルジレンマとは、ある場面において究極の二択を迫られた時、その人の心に起こる葛藤を指します。道徳の授業にて、道徳的な葛藤から内容項目への理解をはかっていく方法です。例えば「自分の息子を助けるために、お金を盗むしかなければ、愛する息子を救うために盗むのか」「万引きをしている友達を見つけた。警察に告げれば自分がいじめられるかもしれないが、伝えるか」など、どちらの立場をとっても一定の理解を得られる2つの選択から授業を通して道徳的な見解を前提に内容項目に迫っていきます。もちろん、道徳の授業上の話なので内容項目に迫っていくのはもちろんですが、その特性上様々な内容項目にまで話が進んでいく可能性もあります。

②基本的な授業の流れ

 私が何度かモラルジレンマの授業を行った中で見つけた理想的な流れを紹介したいと思います。

1:教材文の配布
 (2人で1枚の教材文)
2:教師の範読
3:話し合いの約束を確認
 (自分の立場と違う人をせめない 相手の意見を強く否定しない など)
4:明確な2つの立場を提示する
5:どちらの立場を選ぶか理由を込みでワークシートに記入する
6:グループで理由を紹介
7:机間巡視で見つけた少ない方の意見から指名発表
8:それに対する多い方の意見を自由発表
9:全体で話し合う
10:自分なりのまとめを行う

このような流れで基本的に授業を行いました。やはり議論がヒートアップすると相手のことを否定しようとする流れになる場合もあるので、あくまでも道徳的な理解を深めてくために授業をしているという前提は約束として確認しておくことが大切だと思います。教科書の内容よりある意味「過激」なものばかりなので盛り上がり・議論は起こりやすいものであると感じました。また、うまくいくと教科書教材では味わえないような授業を行うことができます。


③モラルジレンマの注意点


モラルジレンマの授業における注意点をいくつか挙げてました。特に教材の選定とそれが半数ずつ程度の選択になる難しさを感じました。また、子どもたちは圧倒的に「良い行い」の選択をする傾向にありました。優等生の選択と言えるかもしれません。しかし、現実的にそこまで「良い選択」ができるわけでがありません。いろいろな立場や社会的な要因によって必ずしも誰もが良い選択をできるわけではないのです。その葛藤が小学生段階では難しいのかもしれません。しかし、高学年程度になればそれなりに意見が割れて面白い展開に進んでいくこともあるかと思います。また、意見が2つの選択に限ってしまうのでC案・D案の考えを拾いきれない難しさがありました。その選択を認めてしまえば「なんでもあり」になりかねないと感じました。ここも、難しく感じたところです。

④理想的な授業

 どのような点に留意すれば理想的な授業に近づくのか考えてみました。これは道徳の授業だけでなく、教師の非常に高い授業力が問われていると思います。その中でもモラルジレンマの授業で言うのならば・・・
①相手のことを否定しない学級経営
②ファシリテーターとしての教師の力量
③教師の子どもの意見をつなぐ言葉がけ

が必要になってくると思いました。もちろん、これは教師としてどの教科にも必要な能力です。しかし、特にモラルジレンマをするのであれば、磨くべき力なのかなと思います。逆に言えば生半可な気持ちや教師の力量で挑めば痛い目に合う可能性も多いにあると感じました。実際、私も痛い目にあったこともあります。そんな危険性も、もちろんあるのだと思います。

⑤終わりに

 色々なことを述べましたがまずは「やってみる」ことが必要です。その中で課題や改善点を見つけていくようにしましょう。きっと新しい気づきも生まれてくるかと思います。その気づきや課題を学びに変えていく力が教師には求められているのだと思います。モラルジレンマの授業は子どもに大きな学びをもたらすのは事実です。少しずつ、自分なりに取り組んでいきましょう!

いいなと思ったら応援しよう!