レインボー(新小岩)
こんにちは!
みなさんは予定が何も決まらなかった2連休はどう過ごしますか?
サウナ泊ですか。
私も同じです。
ということで、今回は泊まったサウナの話。
*
2連休。それはシフト制の職場で働く人々の多くにとって、特別な意味を持つ。なぜなら、2連休が頻繁にあるシフト制の職場は数少ないからだ。
私は社会人になってから2つそのような職場に身を置いたが、どちらも2連休は月に二度あるかないか、という程度だった。
そのため、2連休があるとわかった際は大抵の場合、前もってどんな予定をそこに入れようか思案し、実際に予定を建て、それが訪れるのを今か今かと待ち焦がれることが定石であった。
しかし、今回の2連休は違った。待ち遠しくはあったものの、どんな予定を入れようか全く思いつかなかったのである。11月に友人達との旅行を控えており、大きな出費を無意識に避けていた、ということも一因だろう。
だがこれではもったいないと感じた私は、何か抵コストで長時間楽しめるものはないかと考えた。
そこで思いついたのがサウナ泊だ。
白羽の矢が立ったのは、新小岩にある「レインボー」という施設。サウナ・カプセルホテル・食堂と三拍子揃った、時間を潰すには理想的な場所だ。
実はこのレインボーは本八幡にも店舗がある。私は以前そこを利用したことがあり、サウナのクオリティの高さとコストパフォーマンスの良さに驚き、新小岩にある別の店舗もいつか利用してみたい、と考えていたのだ。
アイディアが固まった私はレインボーの公式サイトでカプセルホテルの宿泊予約をとる。サウナ利用制限なしで、約4000円。本八幡店と同じく抜群のコスト・パフォーマンスだ。
*
レインボー新小岩店は、新小岩駅を南口に出て直進すると出てくる商店街の中に存在する。
多く並ぶ飲食店の中に突然、昭和のグループ・サウンズのシングル盤に書かれていそうなポップなロゴと二階入り口へ続く階段が登場する。
そこを登ると、商店街の一角に建てられた一商業施設ということを忘れさせるような、広々としたロビーにたどり着く。
チェックインを済ませ、フロントデスク左手通路を進むと更衣室・浴室があるエリアに出る。更衣室はこの手の施設にしては広く、ロッカーや洗面台の他にも椅子やソファ、テレビが揃った休憩所すら用意されていた。
そこで衣服を脱ぎ、全裸になった私は浴室に入る。
浴室はまさに昭和サウナといった感じで、古さが目立つ白いタイルに所々装飾が施された床面の上にカランや湯船などが設置されている。
また、湯船の縁に白いギリシャ風の像が置かれていたり、天井にはキング・クリムゾンのアルバムジャケットを想起させるイラストのステンドグラスがあったり、そこでも昭和の香りを強く感じさせる。
さて肝心のサウナはというと。
新小岩レインボーには三つのサウナが存在する。
一つは設定温度高め、湿度低めのいわゆる「昭和ストロング」系サウナ。
二つめはふくろうサウナ。自然の映像とヒーリングミュージックが真っ暗な室内で流れる、言うなれば瞑想サウナといったところか。
三つめはミストサウナ。温度はぬるめで、風を浴びることができる。
おそらくこの施設のメイン・アトラクションは一つめのドライサウナだろう。私が始めに向かったのもこのサウナだった。
公式サイトに設定温度「114度」と記載されていたのを見ていたが、確かにかなり熱めの熱がサウナ室内に充満している。サウナ好きには嬉しい温度感だ。
湿度が低いことから強く感じる肌のヒリヒリ感も、サウナに通いつめると心地よい。それを感じれば感じるほど、後の快楽を約束されているように思うからだ。
ただし、その二点(高めの温度・湿度の低さ)が揃っているということは、それだけ強力なサウナということと同等である。長く中に滞在することはできない。
実際、私はたくさんの汗とともに、その部屋を7分ほどで後にした。周りの人々もだいたいそれくらいの滞在時間だったように思う。
そして部屋を出て左斜め前の水風呂に浸かる。
設定温度はそれほど低くないものの、湯船の上にミストを放出するシャワーのようなものがあり、顔を常に濡らしながら身体を冷ますという少し変わった体験ができる。
その後はお決まりの休憩タイム。浴室にはオーソドックスな白い一人がけベンチがいくつかあり、中には深く背をもたれさせることができるタイプもある。私は迷うこととなくそのベンチに深く腰掛ける。
目を閉じ、まぶたに映される無限の宇宙を眺め、脈を強く感じることによって自分の体が無限に広がっていくような感覚を、ただひたすら受け入れていく快感。これこそがサウナの醍醐味だと感じる。
そして深いリラックス状態の中、私はふとあることに気がついた。
まぶたに広がる宇宙の中に、レインボー本八幡店の姿を認めたのである。
総武線の線路の響きが届く、新小岩より少し手狭な受付、そこを抜けると広がる浴室、同じく昭和ストロングスタイルのサウナ室。
それらを内包する、あのレインボー本八幡店が、整いの中で見た宇宙の中に現れたのである。
そしてあのときに整った自分と、今まさに新小岩で整っている自分とが重なり、一つになった。
不思議な感覚だった。整い方は違えど、どこかあのときと共通する感覚があったのだ。
私に一つの考えが湧き上がった。チェーンのサウナでの休憩の際に訪れるリラックス状態には、差はあるが、感覚的に似たものがあるのではないか、と。
ともかく。私は目の前の快楽に身を預けることに集中を戻した。先ほど湧き上がったこの考えを検証するためにも、まだまだサウナ巡りを続けなければならぬ、という想いを最後に残して。
*
レインボー内のポスターでおすすめされていた豚丼を食堂で食べました。絶品でした。
しかし、なぜか実物ではなくポスターのみ撮影していた失態。
またね。