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サウナで観るテレビは王様だ。
サウナ室で観るテレビは面白い。
私が幼少期の頃にはまだインターネットも無かった。
テレビが時代を司る。
情報源はテレビ一択だった。
月曜日の21時になれば街から人は消えたものだ。
テレビからは木村拓哉演じる瀬名秀俊がマンションの3階からスーパーボールを落としてはそれを華麗にキャッチする。
小学生だった私は当時マンションに住んでいた。
翌日からマンションの3階に行ってはスーパーボールを力強く地面に叩きつけ、それをキャッチしようと試みたものだ。
情報源が少ないということは人々を盲目にする。
今思えば不便なあの頃こそ人間らしく素敵な時代だと思える。
現代は便利になり過ぎた。
それにより何が正解なのかが分からない。
選択肢が多すぎる。
これ以上の人類の進化は不要だ。
そんなことを思いながら私は今日も105℃の熱波に包まれながらテレビを観る。
この空間だけは「あの頃」に戻れる様な気がした。
情報源はテレビのみ。ここではテレビが王様だ。
普段なら観ないモニタリングもハッとしてGood。
高校にサプライズで訪問する有名人。
それに歓喜する高校生。
私は涙が止まらない。
私の小学生時代のスターが変装しながら歌う。
当時よりも力強い歌声がサウナ室に木霊する。
私は涙が止まらない。
届きそうでつかめない いちごの様に
甘く切ない事を 夜中思い浮かべてしまう。
サウナ室でテレビを観るということは、つまりはこういうことだ。
地方のサウナに行けば普段は観れないCMが観れる。それにより確実に旅に来た感は増し非現実的空間を演出する。
そう。サウナ室のテレビは理に適っている。
それはまるで砂漠に突然と現れるオアシスの様。
いつでもドラマティックに私の心を揺さぶる。
そんな中、私は突然と過去をフラッシュバックした。それは少し昔の話。私がまだトロントに留学してた頃の話だ。
クラスにはタイ人の美女がいた。名前はノイナ。そんな彼女の見た目はどちらかと言うと日本人寄りで、国籍含め少しミステリアスなガールだった。
今日も退屈な授業を終えるとノイナが突然私に話かけてきた。
「Terroniってお店のピザが美味しいらしいから食べに行かない?」
私は即答した。
「オフコース。」
しかし、その後は言語の壁がこれでもかと私達に鉄のカーテンを敷いた。
ノイナの英語はアクセントが強くタイ語にしか聞こえなかった。
「ได้ยินแต่เป็นภาษาไทย」
分からない。
逆立ちしても分からない。
仕方なく私達は携帯を取り出しテキストで会話を始めた。
苦痛だった。
そんな苦い思い出を「何故」か思い出したアーバンスパのサウナ室では「ショーシャンクの空に」が放映されていた。
ブルックスという囚人は50年にも渡りショーシャンクに収監されていた。
しかし仮釈放が決まりシャバへ出る訳だが、ショーシャンクの世界が全てだった老人ブルックスにとってシャバは拷問そのものだった。
彼は最期「BROOKS WAS HERE」と柱にメッセージを残し首を吊った。
私は105℃のサ室で再び泣いた。
「涙でテレビが見えません!!」
時が経つのは早い。
私はまだ20代の気持ちで生きているが気付けば30代。こうやっていつか老人になり周りには知らない人だらけ。
そんな世界が待ち受けているのだろう。
孤独を感じた。
人は皆死ぬ時は平等に孤独だ。
そんな時、浴室に木霊する声。
「つよし〜っ!!」
中学の同級生だった。
正直少し救われた。
どうやら私はまだ孤独ではないようだ。
私はこの先の遠い未来ばかりを見ていた。
大丈夫。ツヨシしっかりしなさい。
まだ先は長い。この先の未来がどうなるかは全ては君次第。
「今」を全力で生きよう。
そう未来とは「今」の積み重ねなのだから。
そう思いながら、ふとある疑問が思い浮かんだ。それこそがサウナの醍醐味だ。
それは競技人口問題。
たまに思うんですよ。
競技人口の少ないスポーツの方が金メダルが取りやすいのではないのか?って。
例えば女子レスリング。
吉田沙保里さんは世界大会16連覇。
霊長類最強女子なんて言われてますよね。
さて女子レスリングの競技人口。
国内だけでも2000人未満。
さらにそこから階級で分かれるとなれば、確かにメダルは取りやすいと確率論的には言えます。
そして究極は近代五種。
日本の競技人口は男子25人、女子6人の計31人だそうです。
オリンピック種目ですよ?
そんなことを考えつつサウナ室に入りテレビを見る。テレビではカラオケバトルが放送されている。中学2年生の女子がスピッツのチェリーを歌っている。
サウナ室は私を含めお兄さん3人。
お兄さん2人が中学2年生女子の歌声に体を揺らしている。
マジかよ!!
めっちゃ純粋じゃん。
私は純真無垢でイノセントでピュアな30代のギリギリお兄さんだ。
イノセントワールド界のカーストでは明らかにバラモンであり、もしかしたらJAPAN最強のイノセントボーイかもしれないと自称していた。
しかしどうだ。サウナ室のお兄さん2人を見てみろ。中学2年生女子のチェリーを聴きながら体を揺らしている。
まさにこれは。
「想像した以上に騒がしい未来だよ。」
イノセントワールドの中だけでは私は世界レベルだと信じていた。
しかし私の体は決して揺れない。
純粋でピュアでイノセントなはずなのに。
私は考えた。
もしかしたら私が今対峙している2人は全人類78億人の中のTop of the topなのではないかと。その可能性は限りなく低いが誰にもその可能性は否定出来ない。
そう考えれば私は確実に世界3位であり、銅メダルYeahだ。
有森裕子ばりに「自分で自分をほめてみたい。」
だから私は言いたい。
今宵の敗北を以ってして主張したい。
競技人口なんて関係ない。
大体あなたレスリングしますか?
レスリングで勝てる程のフィジカルありますか?
近代五種なんて競技人口は少ないけど1人で射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングしないといけないんですよ?
そんなマルチタスクこなせますか?
学生の頃思いませんでした?
ギターよりベースの方が簡単だよ。4弦しかないし。
浅はかDEATH!!
あなたにそんなリズム感ありますか?
レッチリのAround the Worldに挑戦したことありますか?
そんな訳で何が言いたいかと言うと。
何かを極めるのはそれは果てしなく続くイノセントワールド。
切なくて優しくて心が痛いものだ。
私は地下にある秘密基地アーバンスパで「思い」を巡らせた。
そして突然と降りかかる地下核シェルター問題。
永世中立国であるスイスには約800万人の人口の118%が収容可能な地下核シェルターがあるという。
因みに他国に目を向けると、
イスラエル100%
ノルウェー98%
アメリカ82%
ロシア78%
イギリス68%
そして日本
0.02%
Why Japanese People?
Why Japanese Government?
日本は甘い。甘過ぎる。
Swiss Missのココアぐらい甘い。
マシュマロだって入っているではないか。
テポドンに備えよJapanese People!!
軍事力は世界5位。
その巨額な軍事費で地下核シェルターを作りなさい!!
ディフェンスダイジゼッタイ。
カンナバロ、ネスタ、マルディーニ、ボヌッチ。
でも大丈夫。
テポドンが降って来ても地下なら大丈夫。
そう地下のアジトであるアーバンスパなら絶対大丈夫。
105℃のドライサウナに入ってる時間も60℃のヴィヒタ薫るスチームサウナでホワイトアウトしてる時間も16℃なのに何故か冷た過ぎて長く入れない水風呂の時間も全部人生においてのテポドンに遭遇した時に生き延びれる可能性のパーセンテージを上げてくれる。
すごい。すごいよマサルさん!!
サウナでととのいながらテポドン対策も出来るなんて。
全国のサウナー達に告ぐ。
アーバンスパでは気持ち良くなりながらテポドン対策も出来るんだぜ。
One Love to all of the people.
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