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【高校時代の想い出】「青木昭」と「細川豊」
青木昭は、ひとりっこである。
父も母も、まるで女の子を育てるかのように、怪我はせぬか、病気はせぬかと心配しながら、大切に育てた。
なのかどうかわからぬが、青木は「ワガママな性格」に育ってしまった。
高校の3年間、映画研究会のメンバーは、青木昭のワガママに難儀した。
そのせいか、後に成人し、結婚した連中は、みんな、子供を「2人」産み育てた。
ひとりっこだと、青木昭のような異常性格者になったら困るからである。
・・・
高校2年生のある日。
私と細川豊は、青木昭の家に遊びにいった。
青木の部屋へ入って、「豊田はバカだチビだ死ねばいい」などとその場にいない友人の悪口を言って、腹を抱えて笑いあっていた。
そこへ、青木くんのお母さんがジュースとお菓子を持ってくれた。
「あ、気を使わせてすみません」
私はお礼を言った。
細川は、青木のお母さんをじっと見ていた。
「じゃあ、ごゆっくり」
青木のお母さんは階下へ。
細川は、青木に話しかけた。
「青木くん」
「なんだい」
「君のお母さん、ガリガリに痩せているね。癌じゃないのかな」
そのひとことを聞いた青木の顔は次第に真っ赤になった。
「貴様!言っていいことと悪いことがあるぞ!」
怒った青木は、机の横にあった金属バットを握って、
「死ねぇ〜!」
と細川をボコボコに殴り始めた。
「や、やめろ、やめないか!」
「殺してやる!殺してやる!死ね!死ね!死ね!」
青木は本気で細川を殺す気だ。
私は、青木の後へまわりこみ、彼を羽交い締めにした。
「細川!逃げろ!今すぐ、家へ帰れ!本当に殺されるぞ!」
「待て!殺す殺す殺す!」
細川は、急いで、玄関まで降りて逃げ帰った。
「おのれ、貴様、なぜ、止める!」
「目の前の殺人を止めないバカがどこにいるか!」
「おまえも帰れ!」
「いわれいでも帰るわ!」
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・・・
我が、映画研究会では、このような諍いが日常茶飯事であった。
でもまあ、怪我人も死人も出なかったのは、不幸中の幸いである。
他にも、高校時代の刀傷沙汰はいろいろありますが、また、いずれ。
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