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森達也監督『福田村事件』は“プロが作った自主映画”。関係者に経済的負担かかりすぎ。「もっと作りやすい日本映画界に」

■水道橋博士のギャラはいくらだったんだろう・・・?


映画『福田村事件』が、一年を通して優秀な活躍をした俳優や映画・ドラマ等を表彰する「2024年エランドール賞」でプロデューサー奨励賞に選ばれ、統括プロデューサーの小林三四郎氏、プロデューサーの井上淳一氏と片嶋一貴氏が登壇。
さらに、主演の井浦新が駆けつけた。

関東大震災の混乱の中での朝鮮人に対する流言飛語により、行商団が殺害された「福田村事件」を描いた同作。

クラウドファンディングで集めた資金が製作費に充てられたことも話題となった。

小林氏は「福田村事件はおよそ100年前に起きた事件です。その当時生きていた方々の名誉と尊厳は守らなければならないと、映画作りにおいて考えました。そしてこの作品を作るにあたって、私自身は、避けるべき題材も避けなければならない題材も、一つもありはしないのだと思いました。またこのような企画が、多くの若い人たちによって進められれば、本当にうれしく思います。そしてこの作品を支えてくださったのは、多くの無名の方々です。懸命に献身的に働いてくれたスタッフ、キャストの皆さんに本当に感謝します」と挨拶。

脚本も担当した井上氏は「こんなタブーだらけで、人が殺されるだけの映画を誰が見るんだろうと思いました。しかし、多くの方々に見てもらえて、このような賞まで頂けて、この受賞が、“こういう企画をやりたい。でも…”とためらっている多くの映画人たちの背中を少しでも押すことになればいいなと思ってます。そしてこの映画は、本当はやっちゃいけないくらいの安いお金で作っています。ですから、スタッフ・キャストに本当に経済的負担をかけています。これから、こういう映画がもっと作りやすい日本映画界になることを祈ってます」と期待を込める。

そして、片嶋氏は「危ないヤバい映画に、このような賞を頂けて、本当にうれしく思います。ともに闘うスタッフ・キャスト、3,000円からのクラウドファンディングで支援してくれた皆さんに、心より感謝申し上げたいと思います。これからも面白い映画をガンガン作っていきたいと思います」と決意を示した。

劇映画初監督の森達也氏。

その後、お祝いのゲストと登場した井浦は「3人の話を聞いていたら、一体どんなヤバい映画なんだって聞こえますが(笑)、ヤバいの意味と価値は、きっとこの作品を見てくださっている方には、ちゃんと伝わっていると思います」と信頼。

その上で、井浦は「僕はこの作品に、テアトル新宿でプロデューサー陣と森(達也)監督から、直接声をかけていただきました。最初は僕1人だけ決まってる状態で、どのようなスタッフの皆さんが集まってきて、キャストは本当に全員そろうのかという不安もありました。でも蓋を開けてみたら、自ら手を挙げて参加してきたスタッフ・キャストみんなが集まって、クラウドファンディングでもご支援を頂いて、それこそキャストの各事務所からも支援を頂いて、本当にこの作品は、“映画作りプロが作った自主映画”のようなものです。そういう小さな小さな作品が、このような賞を頂き、去年の9月に上映が始まり、いまだに全国で続いています。このような結果を頂くことができて、本当にうれしく思っています」と喜びを噛みしめる。

さらに、「僕も現場では座長として、俳優兼プロデューサーのような仕事もガンガンやってました。なので、本当は僕もそっち(プロデューサー)側にいてもおかしくないと思ってるのですが(笑)、この賞は、プロデューサー3人、森監督はじめスタッフ・キャスト、そして関わってくださった皆さん全員で頂いた賞だと思っております」と胸を張った。

色気漂う演技の東出氏。

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