令和5年の今こそ、「グラムロック」だ!今回は<グラムロック概論>を。笑えますよ!
今回は、有名なグラムロッカーの「ちょっと笑える曲」を、カンタンにお届けいたします。
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◉T-REX「イージーアクション」
中島らも氏のエッセイ本を読んでいたら、こんな一節があった。
「俺はある日、ラジオを付けた。今まで、聴いたことのないロックが流れてきた。それまで俺が聴いていたロックは、合いの手に<ウォー!><ワァーオ!>といった男らしい雄叫びをあげていた。しかし、そのロックは、合いの手に<ヘッ、ヘッ、ヘッ>などと腰砕けになるような、ヘナヘナの合いの手を入れるのだ。で、それが嫌いかといえば、まったく逆で、俺はそのフニャフニャぶりの虜になったのだ」
その曲こそが、英国グラムロックの<みんなのオモチャ>こと、マーク・ボラン率いる「T-REX」の「イージー・アクション(solid gold easy action)」である。まあ、聴いて、腰砕けになってください。
・・・
◉ゲイリー・グリッター「Leader of the Gang (I Am)」
上のウイッキーの記載を読むと、なんというか、安岡力也の「ホタテマン」みたいなものだったのかしら?
全世界でヒットし作品としても高く評価された映画「ジョーカー」で、主人公が踊るシーンに、ゲイリー・グリッターの「ロックンロールNO1・NO2」が流れて、話題になった。「こんな曲、流してええのんか?!」
なぜならば・・・
ゲイリー・グリッターは、1997年、パソコンの修理を依頼したところ、ハードディスクの中から4000以上もの児童ポルノが収められていたことを作業員が発見し当局に通報、1999年に禁錮4か月を言い渡された。これを以て刑期後7年間性犯罪者登録の身となり、英国警察機関の監視下に置かれる措置となるが、その前に刑期を終えて出所したグリッターは直ちに祖国を後にし、スペイン、キューバなどでの短期間生活を展開した後にカンボジアに渡る。
しかし、カンボジアでも少女に対して児童買春を繰り返していたとして2002年に国外退去処分を受け、その後の居住地であるベトナムにおいても2006年に南部のバリア・ブンタウにて児童性的虐待の罪で有罪判決を受ける。刑期満了後の英国強制帰国という条件付きで(本来なら終身刑の可能性もある重罪)懲役3年の刑を言い渡される。その後、刑期満了前に27ヶ月の服役を以て恩赦が下り、両国の当局による厳密な監視の下で英国に帰国する。
2008年8月の英国帰国と同時に性犯罪者として終身登録され、加えて以降の海外渡航は警察機関からの許可なくして不可能となった。
ああ・・・英国の「ジョニー喜多川」だったのですね。トホホ。。。
ブライアン・デ・パルマ監督の傑作「ファントム・オブ・パラダイス」に登場するオカマのロックシンガー「ビーフ」のモデルは、この変態に違い有りません。
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◉スレイド(笑)「カモン・フィール・ザ・ノイズ」
ボーカルのノディ・ホルダーの変な帽子。
ご丁寧に、丸くてキラキラしたものが付いているし、まるで「歩くクリスマスツリー」ですなぁ。
この曲って、「とにかく、大声で歌ってやってください!笑いながら、歌ってやってください!」と、<イロモノ>に振り切っていると思いませんか。
タイトルも勢いありますなあ。
「♬ さあ、おいでよ! ノイズを感じようよ ♬」
ブルース・リーの「DONT THINK! FEEL!」を思い出します。
カラオケに入っていたら、大声で歌いたい!
なお、原題は、「Cum On Feel the Noize」と、間違った綴りで表記されているが、これはメンバーたちが「普通やったらオモロないやん。スラングっぽいほうが渋いやん」という若気の至りで、わざとやったらしい。
ちなみに、日本でのタイトルは、「カモン!!」。
実にシンプルである。
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◉スウィート「Love is Like Oxygen ( 12" long version )」
名曲。せつなくなります。
この曲って、アニメ「遊星仮面」のOP曲に似ていると思いませんか?
SWEETは、他にも、「フォックス・オン・ザ・ラン」「ブロック・バスター」などのヒット曲があります。
日本語に訳すると、「愛は酸素のようなもの」。
酸素なかったら、死にますわなぁ。
愛なくして生きていけない人間の性を描いているのでしょうか。
イントロなどで流れる、
「♬ タララッタ〜 タララッタ〜 タラララ〜 ♬」
というのは、シンセサイザー? 単なるエレキピアノかな?
キーボードからエレキギターへ入っていくところがカッコいい。
なんとなく、「テクノポップ」っぽいと感じるのは、私だけでしょうか。
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◉ウィザード「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」それと「Angel Fingers」
フィル・スペクターフォロワーとして世界中で有名なロイ・ウッドがリーダーのグラムバンド。
大滝詠一は「シー・マイ・ベイビー・ジャイブ」の一節を「君は天然色」に引用している。
大滝氏は、売れない当時、ウィザードで奇抜な衣装を来ているリーダーのロイ・ウッドを見て、いわく「この人も、俺と同じで、世間から理解されないんだろなぁ・・・」とつぶやいたという。
当時の大滝は、花咲か爺の格好をして「売れない音頭」(その頃のノベルティソングにもスペクターをはじめとする、1960年代のアメリカン・ブリティッシュロックの引用を多用しているのだが)をつくって、子供にだけ「おかず」を食べさせて、自分と奥さんは、おかゆをすすっていたらしい。
ELOのメンバーだったこともあります。
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◉ベイ・シティ・ローラーズ「ロックン・ロール・ラブレター(Rock 'N Roll Love Letter)」
グラムロックの特徴として、やたらと「ヘイ!」と叫ぶということがあげられる。ゲイリー・グリッターもやたと「ヘイ!」と叫んでいました。
この曲は、突然、大声の「ハイッ!」という合いの手が入る。
「へイッ!」でなく「ハイッ!」というところにオリジナリティを感じる。
ロックを感じる。
日本では「アイドル」扱いされたBCRだが、英国ではグラムロックの影響を強く受けたバンドとして評価されている。
ちなみに、この曲、カバー曲です。BCRのオリジナルではありません。
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◉チープ・トリック「ドリーム・ポリス」
メンバーのコスチュームが、バラバラなのが実にユニーク。
・長髪にスーツ。ご丁寧にボタンを留めている。
・さえない中年のサラリーマン。小太りで度の強い眼鏡。ジャケットなし。
・ロングの黒髪に、レザーで身を包んだ男。パンツも黒レザー、ジャケットも黒レザー。
・野球帽にエンジ色カーディガン。胸にいっぱい缶バッジ。トッチャン坊やにしか見えない。
この4人組が、いったん演奏をはじめると、世界は飛び跳ねる。
ドリームポリスって、いったい、なにを取り締まる警察なの?
この曲の疾走感が、グラムロックが遠くへ去っていくイメージと重なる。
名曲である。
カラオケで歌いたい一曲であります。
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◉MUD「TIGER FEET」
曲が始まると、いきなり、メンバー全員で「モンキーダンス」である。
いまどき、モンキーダンスする人なんかいませんよ。
グリーンジャケットのファースト「ルパン三世」ぐらいなものである。
で、モンキーダンスのあとの「軽快なステップ」、メンバー全員がリズムをあわせて、まわりをクルクルまわる。
観ていると、自分もステップを踏みたくなる。
あんまり良くしらないバンドだが、気分が晴れること請け合い。
どことなく「フィンガー5」を思い出します。
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いつの日か、「グラムロック各論」をご紹介します。
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