急逝した「鳥山明さん」に「国民栄誉賞」は授与されるのか? アスリートは選ばれても“マンガの神様”は選ばれない“格差”の正体とは。
『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』など、漫画史に残る傑作を生み出した漫画家・鳥山明が、急性硬膜下血腫のため3月1日に急逝した。
68歳という若さだった。3月8日に集英社のサイトが更新され、尾田栄一郎や桂正和など、そうそうたる漫画家が追悼のコメントを寄せた。
また、ネット上での反響の大きさは空前絶後のものであり、世界中の著名人や政治家が鳥山の死を悲しんだ。
鳥山はしばし、海外でもっとも有名な日本人の一人に数えられる。知名度でも人気でも群を抜き、西洋美術や現代アートの名だたるアーティストと比べても格段に上であると、評価する人も多い。
「鳥山明レベルの世界的な人気を獲得する漫画家は、二度と出ないのではないか」と考える識者もいる。
そのため、ネット上では「鳥山明に国民栄誉賞を」という声が、一時的に盛り上がりをみせた。これまでに国民栄誉賞を受賞した漫画家には『サザエさん』で有名な長谷川町子がいる。
一概に比較することはできないものの、世界的な影響力の大きさでは鳥山は長谷川を凌ぐだろう。そして、多くの子どもたちを熱狂させた漫画の作者という点で、鳥山ほどふさわしい人選はないと思われる。
国民栄誉賞はしばし、支持率が低下した内閣が支持率浮揚のために出す賞などと揶揄され、批判の対象になる。
とはいえ、国民に広く親しまれ、敬愛された人物を表彰するという賞のコンセプトは評価されるべきである。
また、スポーツ選手の受賞者が多すぎるなどジャンルの偏りが指摘されることも多い。
ジャンルごとの格差を是正する意味でも、鳥山が選ばれることには意味があるではないだろうか。
それほど漫画家は“冷遇”されているように思うのだ。
それほどアスリートは偉いのか? 文化部より偉いのか?
疑問に感じます。
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