【プロのライターとは?】『腕のケロイドは俺の勲章』という見出しを書いた後輩ライターに注意したところ・・・。
むかし、某新聞社系列の「編集プロダクション」で働いていたころ、5つほど年下の「越宗優子」女性取材ライターが「打ち上げ花火の職人」へのインタビュー取材をして、事務所へ帰ってきた。
しばらくして、彼女の原稿をチラッと見たら、
「腕のケロイドは俺の勲章」
という大見出しを書いていたので、
「越(コシ)ちゃん!ケロイドは、まずいで。見出しに使う言葉やない!」
「なんでですか?花火会社の社長御本人が自分でおっしゃった言葉なんですよ。インパクトがあってええやないですか!」
「この雑誌は、主に兵庫県内のクリニックや大病院の待合室に置くもんやで。そのなかには、皮膚病で通ってはる患者さんもいてはるやろし。もしかしたら、広島で被爆した経験のある患者さんもいてはるかもしれん」
「でも、自分でケロイドって・・・」
「人間、自分で自分の欠点をあえて自戒を込めて言うときがある。わしかて、身長が150センチしかないのを、『わしの一族、ホビットですねん』と自分で言うのは腹が立たんけど、他人から『おまえ、ホビットやろ!』と言われたらカチンと来る。その花火師の大将かて他人から『うわあ、酷いケロイドでんなあ』と言われたら、ええ気分せえへん」」
「これは、私のしごとです。ほおっておいてください!」
越宗優子は、黙ってしゃべらなくなった。
結局、原稿はそのまま、写植へ回され、輪転機にかけられた。
その後、彼女は上司(女性)と喧嘩して、会社を辞めていった。
いまでも、ライターをしているのだろうか。
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