夕方由美子

日本を旅し、海外を旅し、性別の狭間さえも旅し続ける、永遠のモラトリアム。

夕方由美子

日本を旅し、海外を旅し、性別の狭間さえも旅し続ける、永遠のモラトリアム。

最近の記事

東南アジア陸路縛り旅④アンコール・ワット編

シェムリアップで出会う 旅人の街だけあってここシェムリアップにはいくつもゲストハウスがあり、中には日本人オーナーの経営する宿まであるという。もちろんそういう宿には日本人のバックパッカーが集まるので、旅人同士、更には同じ日本人同士で情報交換したり親交を深めたりするのだそうだ。 私はと言うと、せっかく異国の地にありながら何でわざわざ日本人と交流せねばならんのだという思想の持主であるので、そういう宿には意識して泊まらないことにしている。今回泊まるのも東洋人欧米人ごちゃ混ぜの至

    • 東南アジア陸路縛り旅 ③カンボジア編

      カンボジアへと続く 突然だがここで海外旅行には必須なパスポートの話がしたい。 日本のパスポートは最強だとよく言われるが、具体的に何が強いのか。その指針はビザ無しで入国可能な国の数で表される。 日本は一度首位から陥落したことはあるものの、2024年現在は再び首位へと返り咲き、肩を並べるのはフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、そしてシンガポール。この6カ国は194もの国々にビザ無しで渡航が可能なのである。 日本に生まれたという、ただそれだけの理由でそんな強強パスポートを手に

      • 東南アジア陸路縛り旅 ②ベトナム編

        ホーチミンから始まる 早朝にダナンを発った飛行機は、まだ日も登って間もない午前中の内にホーチミンに到着。 昨日の失敗の反省を活かして空港からはバスで中心部まで向かい、昨晩から目をつけて予約していたホステルのチェックイン時間まで荷物を抱えたままブラブラして過ごす。 ここホーチミンもまた、ダナン同様にバイク天国であることを告げるかのように路上の至る所から聞こえて来るクラクション。 その騒音をBGMにしながら両替所に向かい、ベトナムの通貨であるベトナムドンを手に入れる。ダナン

        • 東南アジア横断陸路縛り旅 ①出発・ダナン編

          まだ日本一周も道半ばだと言うのに、こいつはどうして海外なんて行ってるんだと思われるかもしれないが、要はちょっと日本の事を書くのに飽きてきたので、気分を変える為にも昔行った海外の旅を振り返って、少しでも外国の風を感じたいと思ったのだ。 これは新型コロナが世界を脅かす直前、2019年の秋に行ったおよそ三週間の海外旅行の記録である。今回も勿論一人旅だ。 日本一周旅のテーマがヒッチハイクと全都道府県制覇であるのに対して、この旅のテーマは「陸路国境越え」だった。 4年も昔の話なので当

        東南アジア陸路縛り旅④アンコール・ワット編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう㉓ 宮城編

          Hyper Music 仕事中にも関わらず矢巾から乗せてくれたナイスガイなサラリーマンと別れ、このま仙台へ向かうべく前沢SAでのヒッチハイクを開始した夕方由美子。 今回は運良く10分ほどで、またもスーツ姿の男女二人組に拾って貰えた。もしかして意外と仕事中でもみんな乗せてくれるんだろうか? それはともかく、これからお世話になるのは出先で一仕事終えて仙台に帰るところだというおふたり。親子かと思うくらい年齢が離れているが、どうやら普通にただの上司と部下のようだ。 こちらのふた

          そうだ、ヒッチハイク、しよう㉓ 宮城編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう㉒ 岩手編 後編

          ガンダーラ ヒッチハイク生活35日目。 おはようございます、と言いつつも目覚めたのは10時前。旦那さんも娘ちゃんもそれぞれ学校や仕事に出掛けてしまっている。 居候の癖に一番寝坊助で、二人に行ってらっしゃいを言いそびれてしまったなあ、と反省しながら作って貰った朝ご飯を頂く。 今日はこの後、最寄り駅から電車で一駅の盛岡駅へ向かって色々観光してみたい 所存である。 とは言ったものの、正直観光資源はあまりパッとしないのが盛岡である。盛岡の観光地ランキングでかなり寂れた遊園地が上

          そうだ、ヒッチハイク、しよう㉒ 岩手編 後編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう㉑ 岩手編 前編

          すばらしくてNICE CHOICE ヒッチハイク生活34日目。 朝から電車・バスを乗り継いで道の駅 協和 四季の森へ。 単純に秋田の中心地から交通機関を使って簡単に行けそうな道の駅ということでヒッチハイク地点に選んだのだが、到着して見てびっくり。この道の駅にはなんとグラウンドゴルフ場が併設されており、大会なのか練習なのかは知らないが、今日はそのグラウンドゴルフ場を目的にここに来ていると思しきスポーティなご老人方が大勢いた。 これはひょっとしたら早々に岩手からゴルフしに来

          そうだ、ヒッチハイク、しよう㉑ 岩手編 前編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑳ 秋田編

          ガソリンの揺れ方 ヒッチハイク生活32日目。 昨日はシャワーを浴びる気力も無いまま疲れ果てて眠ってしまっていたので、朝から近くの温泉へ行ってさっぱり。人の少ない時間帯にゆっくり湯船に浸かったりサウナを堪能したりしていると、贅沢な時間を過ごしているなあと実感する。 丁寧に髪を乾かして喫煙所でタバコを吸いながらスマホを確認したら一通のメールが入っていた。そう言えば昨日の夜に秋田での仕事を募集したのだが、メールが全然来なかった為にそのまま放置して忘れてしまっていた。 うーん、ど

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑳ 秋田編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑲ 青森再訪編

          West End Girls ヒッチハイク旅も29日目。 今日は札幌から新幹線に乗って青森へ戻る。 ヒッチハイクで全国を回るというコンセプトの貧乏旅において何を寝ぼけたことをほざいているのかと言われそうだが、そりゃヒッチハイクで津軽海峡は越えられないし、かといって往路で使ったフェリーにもう一回乗るのも何だか芸がない。 そして何より、私は一度でいいから青函トンネルを通ってみたかったのである。 青函トンネル。青森と函館を結ぶ日本一の海底トンネルで、津軽海峡の海底の地中に掘ら

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑲ 青森再訪編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑱ 北海道編 後編

          うかつにも素直になれないさ ヒッチハイク旅27日目。 昨晩はパウダールームで少々飲み過ぎたせいもあって、かなりの寝坊をかましてしまった。想定よりだいぶ遅れた昼前から移動開始。 今日は旭川に向かってヒッチハイクする予定だ。 駅に向かう道中で大通公園を通り抜けようとしたら、改憲反対を声高に叫ぶ左翼の集会の現場に遭遇。結構な人数が集まってるなあ、なんて呑気に眺めてたらその現場に今度は右翼の街宣車が突撃してきて、拡声器で左の人のスピーチしてた内容に対してイチャモンをつけ始めた。

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑱ 北海道編 後編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑰ 北海道編 中編

          世界は割れ響く耳鳴りのようだ いよいよ私のゲーム仲間のうちでも未だ誰も会ったことのない北海道の漢、シル君が仕事を終えて颯爽と登場。 ゲーム中はその甲高い声と愛すべきお茶目な悪戯キャラとで、可愛らしい少年のイメージの彼だった(恐らく他のメンバーもそう思ってる)が、今私の目の前にいるのは可愛らしいとは真逆のイケメン。 うーん、近い芸能人を強いて挙げるなら仮面ライダー龍騎の頃の松田悟志。 そんな超絶イケメンのシル君と札幌の地下を進む。途中、通行止めになっている箇所があり何だろ

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑰ 北海道編 中編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑯ 北海道編 前編

          銀の龍の背に乗って 到着を労うかのような快晴、澄んだ空気。ここは新天地、函館。 フェリーを降りて出迎えてくれた看板を見て、いよいよ自分が北海道にやってきたことを実感する。九州を出発してまだ一ヶ月も経っていないが、なんとかここまで来れた。 とにかく北海道は北海道にしか無いものが多すぎる。 例えばセイコーマート。北海道と言えばコレ。地域密着型のコンビニで、北海道はこれがあるからもし日本から独立しても戦える。北海道にしか無いと書いたが、実は関東にほんの数店舗だけ出店してるらし

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑯ 北海道編 前編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑮ 青森編 後編

          アクティブ・ハート ヒッチハイク生活23日目の朝を迎える。 昨晩から社宅に泊めてくれた男性がそのまま朝は遺跡まで送ってくれ、さらに朝ごはん代にでもしてよ、とお小遣いをくれた。 そういう心遣いがその千円分以上に高感度を上げるということを学ぶ。ええ人や。 三内丸山遺跡の近くには青森県立美術館があり、たまたまそこで庵野秀明展をやっていたのでふらっと吸い寄せられてしまった。 エヴァも良いけど、私のお気に入りはやっぱりトップをねらえ!。ロボットと熱血スポ根の奇跡のハーモニー。 私

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑮ 青森編 後編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑭ 青森編 前編

          Movin'on without you 20日目は完全に移動日というやつだ。 大トラさんのトラックは給油を終えた後、大阪、岐阜、愛知、静岡でそれぞれ荷下ろし。 これが知らない人であれば、一応は手伝いましょうか?と声を掛ける場面であるが、大トラさんだし、私じゃ戦力にならないことは分かりきっているので黙っておく。 超長距離の移動ではあるが、静岡では足柄SAに寄って温泉にも入れたりもしたので、ただ同乗してる分には思ったほど過酷ではない。もちろん運転手の大トラさんは運転しっぱな

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑭ 青森編 前編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑬ 大阪編

          さあ大阪観光 ただひたすら真夜中の道を大阪に向かって歩き出す。 このモヤモヤした気持ちを晴らす為に無心で歩き続ける。 一時間も経たないうちに後悔してどこか近くのネカフェに泊まり直そうと思ったのだが、検索してももう大阪に到達するまでネカフェは無かった。 ちょっとだけ泣きそうになる。 歩き続けること2時間半、ようやく大阪に到着。疲れ果てた私はすぐにネカフェに入って朝まで眠り続けた。 さて、ここ大阪ではやりたいことが結構ある。 まず第一は黄色さんという友達に会うこと。広島旅行

          そうだ、ヒッチハイク、しよう⑬ 大阪編

          そうだ、ヒッチハイク、しよう ⑫ 兵庫編

          大鳴門橋を渡り淡路島へ 「普段住んでるのは徳島なんだけどね。仕事の度に淡路島へ渡ってるんだ」 彼の仕事は特定の時間に淡路島へ行き、淡路島の数カ所に存在する機械のスイッチを切り替えることなのだという。 「まだ仕事の時間までは余裕があるし、淡路でどこか行きたいところはないかい?連れてってあげるよ」 と言われても急遽決まった淡路行き。何ならまだ何日かは徳島にいるだろうと思って予習を怠っていた為に、特に行きたいところも思いつかない。 「あー、そしたら昨日はネカフェ宿泊でシャワーし

          そうだ、ヒッチハイク、しよう ⑫ 兵庫編