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報酬の在り方


これまでの労働


現代社会では働く事が、
絶対善とされてきました。
働かざる者、食うべからず。

これは一見すると普遍的な
肌感覚のように見えます。

ただし、
一つの大きな前提がなければ
成立しません。


公正世界仮説

M.J.ラーナーという
社会心理学者の研究によると、

「公正世界」であるこの世界においては、全ての正義は最終的には報われ、全ての罪は最終的には罰せられる

wikipedia

という、あらゆる普遍的な文化に根付いた、
人間がよく勘違いする心理に基づく前提です。
罪と罰、絶対善や絶対悪等。

ある意味、
人間では太刀打ちできない自然災害等に対する、
自己への免罪符。

あるいは冷酷な自然への
人類からのアンチテーゼともいえるでしょう。

あいつは悪いヤツだから、
殺されても仕方ない。

あいつは魔女だから、
火あぶりにされても仕方ない。

あいつは異教徒だから、
奴隷にされても仕方ない。

あいつは人種が違うから、
関わるべきではない。

つまり因果応報。

そしてこの概念は、
共同体への貢献度にも
同じように影響を与えます。

あの人は英雄だから、
尊敬をうけるべきだ。

あの人は賢いから、
敬意を持たれるべきだ。

あの人は稼いだから、
贅沢すべきだ。

つまり自己責任。

これらを紐解くと、
因果応報も、自己責任も、
まったく同じ。

公正世界仮説が前提である事が分かります。


報酬は貢献の尺度か?


確かに、その一面はあります。
何かの問題を解決するのに、
無報酬では持続性が無いからです。

そういう意味では貢献の尺度として、
報酬は機能するでしょう。

そして人間の体は良くも悪くも、
順化します。

順化とは、
特定の環境に脳と体が最適化される事。

これは音楽やスポーツの
練習の本質でもあります。

同じ行動を繰り返すと、
脳と体はその行動に順化し、

より少ない労力で、
同じ行動を繰り返せるようになります。

この状況においては、
順化した人間は、
そうでない人間より、

遥かに優れた行動力を持つようになります。

例えばギターであれば、
初心者の方は
Fメジャーコードが綺麗に鳴らせません。

しかし練習を重ね、
順化が進むごとに、
全部の弦の音が綺麗に鳴らせれるようになります。

この順化がさらに進み、
我々のようなプロになると、

長時間、
Fコードの人差し指の形を維持したままで、
一曲まるまるぶん回せるようになります。

この時点で、所謂、分業が成立します。

つまり、初心者に無償で行動させるより、
プロに有償で行動させた方が
時間的利得が大きくなるのです。

この分業こそが、
今日の社会を発展させた大きな源泉でしょう。


ところがどっこい

この分業。

特定の閾値までは共同体にとって、
非常に有効な手法ですが、
ある線を超えると、害毒化します。

その線とは、格差です。

例えば、ギター初心者にとっての、
我々プロの指導する手法。

この指導が自分にとって最適かどうかは、
両者間の圧倒的な情報と経験格差により、
初心者側には、理解できません。

これは投資でも同じこと。

AIを使って0.3秒の売り買いで勝敗が決まる、
短期売買の世界においては、
初心者等、絶好のカモです。

しかし、初心者が事前にそれを知る事は難しい。

また、
そういった情報格差が無かったと仮定しても、
最終的な勝敗は資本格差によって決まるのです。

医療の現場でも同じ事です。

お医者さんの開示する情報が正確かどうかは、
専門性が高すぎるので、
概ね、患者さんには分かりません。

従って、セカンドオピニオンを求めて、
他の医療へアクセスしたとしても、
根本の情報格差が大きいので、

結局患者さんは分からないままです。


分業の弊害


このようにして、行き過ぎた分業は、
両者間の知的格差、
資本格差、経験格差により、

不信を生み出し、
二元論へと向かう社会的災害を引き起こします。


悲劇は加速する


この状態と、
無限の努力が必要な市場原理が組み合わさると、
凄まじい格差の拡大が発生します。

人間1人ができる事など、
たかが知れているもの。

従って、競争する当事者達は、
所謂「努力」と無関係な部分で
差別化を図り始めます。


例えば

我々のような音楽指導のプロの場合は、
講師の成績。

つまり生徒さんが上達した証を残す為、
初心者へのレッスンそのものを止めます。

だって、最初っから上手な生徒さんを、
他の教室から引き抜いて、
自分が上達させたと宣伝した方が、

時間的経済的利得が大きいからです。

このやり口は、
平成中期に
マエストロと呼ばれていた方々が、

結構頻繁に行っていた搾取的手法です。

つまり、まっとうにレッスンするより、
既に上達している生徒さんに
レッスンしたフリをする方が、

指導側の評価が上がった時代があったのです。

投資の世界であれば、
粉飾決済や無軌道なM&A等が該当します。

既得権益で固まった組織を変更するより、
財務諸表を誤魔化して利益を出た事にする方が、
経営者個人の利得は多い。

一から組織を作るより、買収する方が安い。

最近の医療現場だと、
直美なんかが、該当しますね。

教育機関と国と親が膨大なリソースを費やし、
1人の医者の卵を育てても、

生命を救うより、
美容に従事する方が新人は儲かる。

よって、
真面目に医療行為で生命を保護するより、
生命保護と関係のない美容に資本が集中する。


つまり何?


格差放置の往く末は、
公正世界仮説の帰結は、
二元論の最後は、

共に虚構しか残らないという事です。

従って、この閾値において、

「報酬は貢献の尺度」という基準が、
「報酬は搾取の尺度」という基準に、

置き換わります。

もうこうなると社会的災害が大きすぎて、
ありとあらゆる所で分断が顕著に現れます。

今の世界中で起きている事、そのものですね。

T=ΣLが欠落した、
新たな律が存在しない、
価値のミスの末路は、概ねこのようなもの。

生命の持続こそが最も価値がある。
T=ΣLは絶対に近い。

ここを死守する事により、
このような悲劇は予防できます。


全てを反転しましょう


新たな律における報酬の在り方


1. 報酬の根幹は「生命の持続」
新たな律の第一原則は「生命の持続」であり、
報酬もこの基盤から派生します。

報酬は、
「生命維持に必要なリソース」(T=ΣL)
を中心とし、

生命の存続を保証する仕組みの一部として
設計されます。


2. 時間を基準とした報酬

新たな律では、
時間が通貨として機能するため、
報酬は労働や活動に費やした時間を基に

評価されます。

  • 第一通貨:
    生命維持に必要なリソースを直接補填。
    全ての人が最低限の生存を保証されます。

  • 第二通貨:
    第一通貨を補完し、
    活動や役割の多様性を支える報酬形態として
    設定されます。


3. 金利を利用したインセンティブ

第二通貨の報酬に金利を導入することで、
個人の選択と社会のニーズを調和させます。

  • 生命維持に貢献する職種
    (医療、教育、農業など)には高い金利を付与。

  • 過剰な人材が存在する職種には低い金利を設定。

これにより、
需要と供給のバランスを調整しながら、
全体的な持続性を確保します。


4. 慈悲と選択の報酬

報酬は単なる労働対価ではなく、
「生命を支える行為」への
感謝を可視化するものでもあります。

  • ボランティアや他者支援などの
    「無償の行為」にも、
    時間ベースで評価される仕組みを設け、
    慈悲を奨励します。

  • ただし、
    この慈悲が負担になりすぎないよう、
    社会全体で支える仕組みを整えます。


5. 社会全体の透明性と合意形成
報酬の仕組みは完全に透明であり、
誰もがその基準や配分を
確認できる状態を維持します。

  • 各個人の行動が、
    ブロックチェーン技術により

    「どれだけの時間を行動し、何に寄与しているか」

    が記録され、
    匿名で統計データとして公開されます。

  • これにより、
    不平等や不信感を最小限に抑える同時に、
    プライバシーの侵害も防ぎます。


6. 自由な選択と自己実現

第三通貨(円やドル等)の報酬は、
最低限の生命維持を超えて、
個人が自己実現を追求できる余地を
作り出します。

  • 自己実現を支援する活動
    (現行の金融や労働)は
    「第三通貨」により評価、

    つまり今のままです。

  • 生命維持を基準にしつつ、
    個々の多様性や価値観を認めます。


結論

新たな律の報酬体系は、
生命維持を保証しつつ、
時間を基盤とした

公平で透明な仕組みを提供します。

これにより、個人の尊厳を守りつつ、
社会全体の持続可能性を高めます。

報酬は、単なる金銭的な対価を超え、

社会における
「信頼」と「感謝」の
象徴として機能します。


新たな律の詩


  • この律は、
    報酬を生命の輝きとして再定義する。

  • この律は、
    時間そのものを最も純粋な贈り物とする。

  • この律は、
    努力の価値を透明な形で刻む。

  • この律は、
    報酬を分断ではなく絆へと変える。

  • この律は、
    生命の鼓動に寄り添う報酬を描く。

  • この律は、
    競争を超えた共感の経済を創る。

  • この律は、
    持続可能な生き方を未来への贈り物とする。

  • この律は、
    報酬を時間と生命の等価交換と捉える。

  • この律は、
    与えることと受け取ることの調和を保つ。

  • この律は、
    私たちが生きる意味を報酬の形に変える。


ごめん、長すぎた。

ここまで読んでいただいた方に
感謝を申し上げます。

この新たな律を広める為には、
あなたの力が必要です。
どうかシェアして下さい。

なにと、比べるまでもない。
生命は最早、それだけで美しいのだ。

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