タコピーの原罪を読んで
タコピーの原罪を読んでみました。
コミックス版は、ジャンプコミックスから3月5日に発売されています。
私は、少年ジャンプ+で現在13話まで公開されているので、こちらの方で読みました。
タイトルにあるタコピーとは、地球にハッピーを広げるため降り立ったハッピー星人のことです。
さて、このタコピー、地球に降り立った時、最初に何を目にしたのでしょう。
戦争。
貧困。
いえ、いえ。
しずか、まりな、東くんというごく普通に見える、いやハッピー星人にはごく普通に見えた小学4年生が暮らす世界です。
しずか、まりな、東くんは、ほんとは普通じゃないんです。いじめ、家庭内暴力、毒親、様々な問題を抱えている小学生なんです。でも、タコピーは、ハッピー星人だからそのことがわからない。
タコピーって、誰のこと?
もしかして、いじめ、家庭内暴力、毒親、様々な問題を外から見てるだけで何もせずにみんな幸せになっってくれたらいいなと思っているだけの私のこと?なんて思ったりして、胸が少し痛くなりました。この文章、偽善ぽいですかね?
ですが、タコピーは、違います。
しずかちゃんやまりなちゃんにハッピーになってもらうため、具体的な行動を起こします。そのために、ハッピー道具というアイテムを使うわけですが、なぜか本来と違う使い方をしてしまい二人を悲惨な状況に導いてしまいます。
仲直りリボンは、友達と仲直りできるリボン。ハッピーカメラは、前に写真を撮った瞬間に戻ることができるカメラです。
でも、もし、仲直りリボンやハッピーカメラを本来の目的どおりに使ったとしても、二人はハッピーになれたのでしょうか。友達と仲直りすること、過去の失敗をやり直すこと、それは、本人がハッピーになるためにやることなのでしょうか。なんて思ったりもしました。
しずかちゃん、まりなちゃん、東くん、しずかちゃんのお父さん、まりなちゃんのお母さん、東君のお母さんとお兄さん、愛犬チャッピー、そしてタコピーその他。この物語の登場人物は限られています。
でも、タコピーと東君のお兄さんを除いたほぼ全員が、自分のハッピーしか考えていない。自分のハッピーしか考える余裕がない状況なんです。
みんなそれぞれ心に傷を負っています。そして、誰かを、
アイツさえいなければ。
と思っている。
この、アイツさえいなければ。という感情が、どんどんと連鎖していきます。
誰かがハッピーになるためには、誰かがアンハッピーにならなければならない。アイツさえいなければとは、そういうことだと思います。
タコピーには、地球人をハッピーにするという使命があります。タコピーはしずかちゃんとまりなちゃんをハッピーにしようとするのですが、そのために逆にまりなちゃんもしずかちゃんもとんでもないことになってしまします。
誰かをハッピーにすると誰かがアンハッピーになってしまう。自分のハッピーしか考えていない人の描くハッピーを実現しようとすると当然そうなってしまいます。
それなら、タコピーはどうすればいいのでしょうか?
誰かのハッピーを考えている人の手助けをする。
これなら、ハッピーの連鎖につながりそうです。
どんな状況にあっても、
ひとりじゃない。
タコピーの使命である地球にハッピーを広げるとはそういうことではないでしょうか。
みなさん、タコピーのハッピー連鎖に手をつないで、地球をハッピー星にしませんか。(これは偽善ぽいですね。タコピーのお母さんも、タコピーをハッピー星にひとりで帰ってくるなと追い返しているのですが真意はわかりっません。)
こんなこと書いていますが、この物語ほんとうにハッピーエンドなのでしょうか。最終回まで目が離せません。
(おわり)
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