君の笑顔
もう少ししたら
誰かが帰って来て
僕のぼんやりをかき乱して
僕の時計は動き出すだろう
夕方になると蝉はもう鳴かない
カアカアと遠くに消えたのは他の奴だ
窓の向こうの緑は色を無くして
夕暮れに紛れようとしている
白いクロスの壁や天井は
かつて僕の居た場所で
もう三十年も前のこと
今日見た君の笑顔は
あの頃と変わらない
僕はまた少し
好きになってしまった
だから僕は目を閉じて
君が起こしてくれるのを待つ
どんな風に起こしてくれるか楽しみだ
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