僕の鶏ささみフライ①
職場の昼休みに
お弁当を食べていた
もうほとんど食べ終わった頃に
半分だけ残していた鶏ささみフライが
無いことに気付いた
あれ?何処に行ったか
床に落ちてもいない
テーブルの斜め向かいで
いち早くお弁当を食べ終え
伏せて寝ている新人は
魔法使いのような雰囲気を持っている
もしや僕の鶏ささみフライを
その頭にかぶっている頭巾のような
黒い頭巾の中に隠し持ってるのでは?
これはテレパシーを使うしかない
僕は使えないけど強く念じれは
相手は使えるのでピクリと指が
不意に動いてしまうに違いない
(持ってる?)
(ねえ、持ってる?)
(食べた?)
(ねえ、食べた?)
(僕の鶏ささみフライを食べた?)
おかしい
彼女は全身ピクリとも動かない
そこで僕はもう一つの仮説を
立てなければならなかった
※あけましておめでとうございます
こんな始まりですが、今年もよろしくお願い致します。
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